アクティブパーティション(アクティブパーティション)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

アクティブパーティション(アクティブパーティション)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

アクティブパーティション (アクティブパーティション)

英語表記

Active partition (アクティブパーティション)

用語解説

アクティブパーティションとは、コンピュータの起動時にオペレーティングシステム(OS)をロードするために使用されるパーティションのことだ。具体的には、複数のパーティションが存在するハードディスクやSSDなどのストレージデバイスにおいて、どのパーティションからOSを起動するかをBIOSやUEFIといったファームウェアが判断する際に参照される、特別なフラグが設定されたパーティションを指す。

より詳しく説明しよう。まず、パーティションとは、1つの物理的なストレージデバイスを論理的に分割した領域のことだ。これにより、1つのハードディスクを複数のドライブとして認識させたり、OSとデータを分離して管理したりすることが可能になる。例えば、CドライブにOS、Dドライブにデータを保存するといった使い方が一般的だ。

そして、アクティブパーティションは、複数のパーティションの中から、どのパーティションにインストールされたOSを起動するかを指定する役割を担う。ストレージデバイスには通常、1つだけアクティブパーティションが存在する。電源投入時、BIOS/UEFIは、まずこのアクティブパーティションを検索し、そのパーティションに格納されているブートローダーと呼ばれるプログラムを実行する。ブートローダーは、OSを起動するために必要なファイルを読み込み、OSの起動処理を開始する。

もしアクティブパーティションが設定されていなかったり、誤ったパーティションがアクティブに設定されていたりすると、コンピュータは正常に起動せず、エラーメッセージが表示されたり、OSの選択画面が表示されなかったりする。

歴史的な背景を考えると、アクティブパーティションの概念は、主にMBR(Master Boot Record)という古いパーティション形式で使用されていた。MBRでは、1つのストレージデバイスに最大4つのプライマリパーティションを作成でき、そのうち1つだけをアクティブパーティションとして指定することができた。

しかし、近年では、より新しいパーティション形式であるGPT(GUID Partition Table)が主流になりつつある。GPTでは、アクティブパーティションの代わりに、EFIシステムパーティション(ESP)と呼ばれる特殊なパーティションが使用される。ESPは、UEFIファームウェアがOSを起動するために必要なファイル(ブートローダーなど)を格納する場所として機能する。GPTでは、複数のESPを作成することも可能だが、通常は1つだけ使用される。

アクティブパーティションの設定は、diskpart(Windows)、fdisk(Linux)などのコマンドラインツールや、EaseUS Partition Master、MiniTool Partition Wizardなどのパーティション管理ソフトウェアを使用して行うことができる。これらのツールを使用する際には、誤ってパーティションを削除したり、データを破損させたりするリスクがあるため、十分な注意が必要だ。特に、システムパーティションやブートパーティションの操作は慎重に行う必要がある。

システムエンジニアにとって、アクティブパーティション(あるいはESP)の理解は、OSの起動プロセスやパーティション構成の基本を理解する上で非常に重要だ。トラブルシューティングの際にも、起動できない原因がアクティブパーティションの設定にあるのかどうかを切り分けることができる。例えば、OSのアップグレードやデュアルブート環境の構築、ディスクのクローン作成などを行う際には、パーティション構成とアクティブパーティションの設定を正しく理解しておく必要がある。

OSの起動プロセスは、電源投入からOSが完全に起動するまでの一連の流れを指し、BIOS/UEFIの初期化、アクティブパーティションの検索、ブートローダーの実行、OSカーネルのロードなど、複数の段階を経て行われる。アクティブパーティションはこのプロセスにおいて重要な役割を果たしており、システムの安定稼働に不可欠な要素と言える。