アナログRGB端子(アナログアールジービータンシ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
アナログRGB端子(アナログアールジービータンシ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
アナログRGB端子 (アナログアールジービータンシ)
英語表記
Analog RGB connector (アナログアールジービーコネクター)
用語解説
アナログRGB端子は、主にコンピュータ本体とディスプレイを接続するために用いられる映像出力端子の一種だ。RGBとは、Red(赤)、Green(緑)、Blue(青)の光の三原色のことで、これらの信号をアナログ形式で伝送する。デジタル形式のDVIやHDMIといった新しい規格が登場するまでは、コンピュータのディスプレイ接続における主流のインターフェースだった。現在では、新しいコンピュータではあまり見かけなくなったが、古いコンピュータや一部の特殊な用途ではまだ利用されている。
アナログRGB端子の特徴は、そのシンプルさと汎用性にある。RGBの各色信号に加えて、水平同期信号(Horizontal Synchronization: HSync)と垂直同期信号(Vertical Synchronization: VSync)を伝送することで、ディスプレイに映像を表示するタイミングを指示する。これらの信号を組み合わせることで、様々な解像度やリフレッシュレートの映像を表示できる。
アナログRGB端子には、いくつかの種類がある。最も一般的なのは、D-sub15ピンと呼ばれる端子だ。これは、台形のような形状をした端子で、15本のピンが2列に並んでいる。このD-sub15ピンは、VGA端子とも呼ばれることが多い。VGAは、Video Graphics Arrayの略で、IBMが開発した映像表示規格の名前だが、この規格で使用されていた端子がD-sub15ピンだったため、端子名としても広く使われるようになった。
D-sub15ピン以外にも、BNC端子と呼ばれるものがある。BNC端子は、同軸ケーブルで使用されるコネクタの一種で、より高品質な映像信号を伝送できる。D-sub15ピンに比べてノイズの影響を受けにくいため、業務用機器や一部のハイエンドな用途で使用されていた。BNC端子を使用する場合は、RGBの各色信号と水平・垂直同期信号をそれぞれ独立したケーブルで接続する必要がある。そのため、D-sub15ピンに比べて配線が煩雑になるというデメリットがある。
アナログRGB端子の仕組みは、比較的単純だ。コンピュータ本体から出力されたRGBの各色信号は、ケーブルを通してディスプレイに伝送される。ディスプレイ側では、これらの信号を受け取り、それぞれの色の強度を調整して、映像を表示する。水平同期信号と垂直同期信号は、ディスプレイが映像を表示するタイミングを制御するために使用される。水平同期信号は、1行の映像を表示するタイミングを示し、垂直同期信号は、1フレーム全体の映像を表示するタイミングを示す。
アナログRGB端子のメリットは、その互換性の高さにある。DVIやHDMIといったデジタル端子に比べて、アナログRGB端子は古い規格であるため、様々な機器との接続が可能だ。古いコンピュータやディスプレイでも、アナログRGB端子であれば接続できる場合が多い。また、アナログRGB端子は、デジタル端子に比べてケーブルの取り扱いが比較的容易だ。DVIやHDMIケーブルは、コネクタ部分が大きく、ケーブルも太い場合があるが、アナログRGBケーブルは比較的細くて柔軟性があるため、配線しやすい。
一方、アナログRGB端子のデメリットは、映像の品質がデジタル端子に比べて劣る点だ。アナログ信号は、伝送中にノイズの影響を受けやすく、映像が劣化する可能性がある。特に、高解像度の映像を表示する場合は、その影響が顕著になる。また、アナログRGB端子は、デジタル端子のように著作権保護機能を持っていないため、コンテンツ保護された映像を伝送することができない。
アナログRGB端子は、現在では新しい規格に取って代わられつつあるが、そのシンプルさと汎用性から、まだ一部の用途で使用されている。特に、古いコンピュータやディスプレイを使用する場合や、互換性を重視する場合は、アナログRGB端子が有効な選択肢となる。しかし、高画質の映像を求める場合は、DVIやHDMIといったデジタル端子を使用する方が望ましい。システムエンジニアを目指す上で、アナログRGB端子の基本的な知識を理解しておくことは、古いシステムを扱う上で役立つだろう。