コロケーション (コロケーション) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
コロケーション (コロケーション) の読み方
日本語表記
コロケーション (コロケーション)
英語表記
collocation (コロケーション)
コロケーション (コロケーション) の意味や用語解説
コロケーションとは、IT分野においては、複数のサーバやネットワーク機器などを、同一のデータセンターや通信事業者の施設内に設置し、運用することを指す。もともとは英語の "collocation" で、「場所を並べる」「同居させる」といった意味を持つ言葉だ。 コロケーションを利用する主な目的は、自社でデータセンターを構築・運用するよりも、コストを抑えつつ、安定したインフラ環境を確保することにある。自社でデータセンターを保有する場合、設備投資、電力供給、温度管理、セキュリティ対策など、多大な費用と労力がかかる。コロケーションを利用すれば、これらの負担を大幅に軽減できる。 具体的には、企業はデータセンター事業者から、サーバやネットワーク機器を設置するためのスペース(ラックスペース)を借りる。そして、自社の機器をそのスペースに設置し、運用する。データセンター事業者は、電力、空調、セキュリティ、ネットワーク回線などのインフラを提供する。企業はこれらのインフラを利用して、自社のシステムを運用できる。 コロケーションのメリットはいくつかある。まず、コスト削減効果が大きい。自社でデータセンターを構築・運用する場合に比べて、初期費用や運用費用を大幅に削減できる。次に、安定したインフラ環境を利用できる。データセンター事業者は、電力の冗長化、空調設備の完備、高度なセキュリティ対策など、安定したインフラ環境を提供している。さらに、専門的な技術サポートを受けられる。データセンター事業者は、サーバやネットワーク機器の運用に関する専門的な知識やスキルを持った技術者を配置しているため、トラブル発生時などには迅速なサポートを受けられる。 一方、コロケーションにはデメリットもある。まず、物理的なアクセス制限がある。自社の機器はデータセンター内に設置されているため、自由にアクセスできるわけではない。データセンター事業者の規定に従ってアクセスする必要がある。次に、データセンター事業者のサービスレベルに依存する。データセンター事業者のインフラ品質やサポート体制が、自社のシステム運用に影響を与える可能性がある。最後に、セキュリティリスクがある。データセンターは複数の企業の機器が同居しているため、セキュリティ対策を万全にする必要がある。 コロケーションを選ぶ際には、いくつかの注意点がある。まず、データセンターの立地場所を確認する。災害リスクの低い場所や、アクセスしやすい場所を選ぶことが重要だ。次に、データセンターのインフラ品質を確認する。電力供給の安定性、空調設備の能力、ネットワーク回線の品質などを確認する。さらに、データセンターのセキュリティ対策を確認する。入退室管理、監視カメラの設置状況、ファイアウォールなどのセキュリティ設備の有無などを確認する。最後に、データセンター事業者のサポート体制を確認する。技術サポートの内容、対応時間、SLA(サービスレベルアグリーメント)などを確認する。 コロケーションは、システムの規模や要件に合わせて、さまざまなタイプがある。例えば、専用のラックスペースを借りる「専有型コロケーション」や、複数の企業でラックスペースを共有する「共有型コロケーション」などがある。また、サーバだけでなく、ネットワーク機器やストレージなども含めてコロケーションできる場合もある。 近年では、クラウドサービスとの連携を考慮したコロケーションも増えている。クラウドサービスとコロケーションを組み合わせることで、柔軟なシステム構成を実現できる。例えば、機密性の高いデータは自社で管理し、処理能力が必要な部分はクラウドサービスを利用するなど、最適なリソース配分が可能になる。 コロケーションは、企業がITインフラを効率的に運用するための重要な選択肢の一つだ。システムエンジニアを目指すなら、コロケーションの基本的な知識を理解しておくことは必須と言えるだろう。