コネクション (コネクション) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
コネクション (コネクション) の読み方
日本語表記
コネクション (コネクション)
英語表記
connection (コネクション)
コネクション (コネクション) の意味や用語解説
コネクションとは、情報システムにおいて、異なる要素間が相互に通信やデータ交換を行うために確立される論理的または物理的な「接続」の状態を指す。これは単なる物理的なケーブル接続だけでなく、ソフトウェア的な合意や手順を経て成立する一時的な通路や関係性である。特にネットワーク通信、データベースアクセス、プログラム間の連携など、多岐にわたる文脈でこの用語が使用され、それぞれの文脈で具体的な意味合いが異なるが、根底にあるのは「通信のための確立された関係性」という共通の概念である。 ネットワークにおけるコネクションは、主に通信プロトコルに基づいて確立される。代表的な例はTCP(Transmission Control Protocol)におけるコネクションである。TCPコネクションは、通信を開始する二つのエンドポイント(通常はクライアントとサーバー)間で「3ウェイハンドシェイク」と呼ばれる手順を経て確立される。この手順では、まずクライアントがサーバーへ接続要求(SYNパケット)を送信し、サーバーはそれに応答(SYN-ACKパケット)し、最後にクライアントが確認応答(ACKパケット)を送信することで、信頼性の高い通信経路が論理的に確立される。このコネクションは、クライアントとサーバーそれぞれのIPアドレスとポート番号の組み合わせによって一意に識別される。コネクションが確立されると、データはセグメントに分割され、信頼性が保証された順序で送受信される。TCPはデータの欠落や重複を検出し、必要に応じて再送処理を行うため、アプリケーション層はデータの信頼性を意識することなく通信を行える。通信が終了する際には、「4ウェイハンドシェイク」などの手順を経てコネクションは切断される。ネットワーク通信において、コネクションの確立と切断にはリソース(メモリ、CPU時間)が消費されるため、効率的なコネクション管理がシステムのパフォーマンスに影響を与える。これに対し、UDP(User Datagram Protocol)のようなプロトコルはコネクションを確立しない。UDPはデータグラムを一方的に送信するだけで、信頼性の保証や順序の保証は行わない。コネクションレス型と呼ばれるこの方式は、高速性が求められるが信頼性が多少犠牲になっても良い用途で利用される。 データベースにおけるコネクションは、アプリケーションプログラムがデータベース管理システム(DBMS)にアクセスし、データの操作(参照、更新、挿入、削除)を行うための論理的な接続チャネルを指す。アプリケーションは、データベースのホスト名(またはIPアドレス)、ポート番号、データベース名、ユーザー名、パスワードなどの情報を用いてDBMSに対して接続要求を送信する。DBMSはこの要求を受け付け、認証が成功すると、そのアプリケーション専用のセッション(コネクション)を確立する。このコネクションを通じて、アプリケーションはSQLクエリを送信し、その実行結果をDBMSから受け取る。コネクションは、一度確立されると複数のSQLクエリ実行に再利用できる。データベースへのコネクション確立は、システムリソースを消費する比較的重い処理であるため、頻繁な確立と切断はパフォーマンスの低下を招く可能性がある。この問題を解決するために、「コネクションプール」という技術がよく用いられる。コネクションプールは、あらかじめ複数のデータベースコネクションを生成し、プールとして管理しておくことで、アプリケーションからの要求に応じて既存のコネクションを再利用し、処理のオーバーヘッドを削減する。コネクションの管理は、セキュリティ(認証情報)、トランザクション管理、リソース効率の観点から非常に重要である。 広義には、プログラムが別のプログラムの機能を利用したり、異なるプロセス間でデータを交換したりする際に確立される論理的な関係性もコネクションと表現されることがある。例えば、WebサービスやAPI(Application Programming Interface)を介した連携において、クライアントプログラムがサーバープログラムの特定のエンドポイントにアクセスし、リクエストを送信する際、そのリクエストとレスポンスをやり取りするための「接続」が一時的に形成される。これは多くの場合、HTTP/HTTPSのような上位層プロトコルを利用し、その下層でTCPコネクションが利用されている。 コネクションは、システム間連携の基盤となる要素であり、その管理はシステムのパフォーマンス、安定性、セキュリティに直結する。不適切なコネクション管理は、リソースリーク(コネクションの解放忘れによるリソース枯渇)、デッドロック(複数のプロセスが互いのリソース解放を待って停止する状態)、過剰なリソース消費、応答性能の低下などを引き起こす可能性がある。そのため、コネクションは必要に応じて確立し、使用後は適切に解放されるべきである。また、多数のコネクションを効率的に扱うためのプール機構の利用や、タイムアウト設定による長期的な待機状態の回避なども重要な管理手法となる。