コンシューマライゼーション (コンシューマライゼーション) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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コンシューマライゼーション (コンシューマライゼーション) の読み方

日本語表記

コンシューマライゼーション (コンシューマライゼーション)

英語表記

Consumerization (コンシューマライゼーション)

コンシューマライゼーション (コンシューマライゼーション) の意味や用語解説

コンシューマライゼーションとは、一般消費者が日常的に利用する情報技術や機器が、企業の情報システムに持ち込まれ、利用される現象を指す。具体的には、従業員が個人的に所有するスマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどのデバイスを業務で使用したり、個人向けのクラウドサービスやアプリケーションを仕事で利用したりする状況が該当する。 コンシューマライゼーションは、Bring Your Own Device (BYOD) と混同されることが多いが、厳密には異なる概念である。BYODは、従業員が私物デバイスを業務に利用することを許可するポリシーや制度そのものを指すのに対し、コンシューマライゼーションは、そのような現象全体を包括的に捉える言葉である。つまり、BYODはコンシューマライゼーションの一つの形態と言える。 コンシューマライゼーションが起こる背景には、いくつかの要因が存在する。まず、技術革新のスピードが加速し、個人向けの情報技術やサービスが、企業向けのものよりも早く進化し、使いやすくなっている点が挙げられる。従業員は、高性能で使い慣れた個人用デバイスやサービスを業務でも利用したいと考えるようになる。 次に、従業員のワークスタイルの変化も影響している。時間や場所にとらわれずに仕事をする、いわゆる「働き方改革」が進む中で、従業員は自分の好きなデバイスや場所で仕事をする自由度を求めるようになる。企業側も、柔軟な働き方を支援するために、コンシューマライゼーションを容認する方向にシフトするケースが増えている。 また、企業側のコスト削減もコンシューマライゼーションを推進する要因となる。従業員が個人所有のデバイスを利用する場合、企業はデバイスの購入費用や維持費用を削減できる。さらに、クラウドサービスを利用することで、自社で情報システムを構築・運用するコストを抑えることも可能になる。 コンシューマライゼーションには、メリットとデメリットが存在する。メリットとしては、従業員の生産性向上、コスト削減、従業員満足度向上などが挙げられる。従業員は、使い慣れたデバイスやサービスを利用することで、効率的に仕事を進めることができる。また、企業はデバイス費用やIT管理コストを削減できる。さらに、従業員が自分の好きなデバイスを利用できることで、仕事へのモチベーション向上にもつながる可能性がある。 一方、デメリットとしては、セキュリティリスクの増大、IT部門の管理負荷増大、情報漏洩リスクなどが挙げられる。従業員の個人用デバイスは、企業が管理するデバイスよりもセキュリティ対策が脆弱な場合が多く、マルウェア感染や不正アクセスなどのリスクが高まる。また、多種多様なデバイスやサービスが利用されることで、IT部門の管理負荷が増大する。さらに、個人用デバイスやクラウドサービスに機密情報が保存されることで、情報漏洩のリスクも高まる。 コンシューマライゼーションを導入する際には、セキュリティ対策を徹底することが重要となる。具体的には、デバイス管理ポリシーの策定、モバイルデバイス管理 (MDM) ツールの導入、セキュリティ教育の実施などが挙げられる。デバイス管理ポリシーでは、利用可能なデバイスの種類、セキュリティ対策の要件、利用規約などを明確に定める必要がある。MDMツールを導入することで、デバイスの一元管理やセキュリティ設定のリモート制御が可能になる。また、従業員に対してセキュリティ教育を実施し、情報セキュリティに関する意識を高めることも重要である。 さらに、情報漏洩対策も重要となる。具体的には、データ暗号化、アクセス制御、情報漏洩対策ツールの導入などが挙げられる。データ暗号化によって、万が一情報が漏洩した場合でも、内容を解読されるリスクを低減できる。アクセス制御によって、機密情報へのアクセスを制限し、不正アクセスを防止できる。情報漏洩対策ツールを導入することで、機密情報の持ち出しや不正なファイル共有などを監視し、情報漏洩を未然に防ぐことができる。 コンシューマライゼーションは、企業のIT戦略において重要な要素となりつつある。導入にあたっては、メリットとデメリットを十分に理解し、適切なセキュリティ対策を講じることが重要となる。IT部門は、コンシューマライゼーションを単なるコスト削減策として捉えるのではなく、従業員の生産性向上やイノベーション促進につながる戦略的な取り組みとして捉え、積極的に推進していくことが求められる。

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