コアネットワーク (コアネットワーク) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
コアネットワーク (コアネットワーク) の読み方
日本語表記
コアネットワーク (コアネットワーク)
英語表記
core network (コアネットワーク)
コアネットワーク (コアネットワーク) の意味や用語解説
コアネットワークとは、通信事業者のネットワークにおいて、基幹となる部分を指す。携帯電話や固定電話、インターネットなどの様々な通信サービスを支える、まさに「心臓部」と言える存在だ。 もう少し詳しく見ていこう。コアネットワークは、アクセスネットワーク(基地局や加入者線など、利用者に近い部分)と接続され、そこから送られてくる大量のデータを効率的に処理し、適切な宛先へと転送する役割を担う。言わば、都市の高速道路網のようなもので、様々な場所から来た車(データ)を、渋滞なく目的地へと導く。 具体的には、以下のような機能が含まれている。 まず、認証機能。誰がネットワークを利用しているのかを確認し、不正なアクセスを防ぐ。これは、高速道路の料金所のようなもので、通行許可証(認証情報)を持っている人だけが通行できる仕組みだ。 次に、ルーティング機能。データを宛先まで届けるための最適な経路を選択する。高速道路のナビゲーションシステムのように、交通状況を考慮しながら、最短ルートや混雑の少ないルートを選ぶ。 そして、課金機能。利用者の利用状況に応じて料金を計算する。走行距離や時間帯に応じて料金が変わる高速道路の料金システムと似ている。 さらに、モビリティ管理機能。携帯電話のように移動しながら通信する場合、基地局を切り替える際に、通信が途切れないように制御する。高速道路を走行中にインターチェンジを利用しても、スムーズに乗り換えられるようにサポートするイメージだ。 近年、コアネットワークは大きな変化を遂げている。従来の専用ハードウェアで構築されたネットワークから、ソフトウェアで制御するネットワークへと移行が進んでいるのだ。これをSDN(Software Defined Networking)と呼ぶ。SDNの導入により、柔軟なネットワーク構築や運用が可能になり、新しいサービスを迅速に提供できるようになった。 また、NFV(Network Functions Virtualization)という技術も重要だ。これは、ネットワーク機能を仮想化し、汎用的なサーバー上で実行する技術だ。例えば、ルーターやファイアウォールといった機能を、ソフトウェアとしてサーバー上で実現する。これにより、専用ハードウェアに依存することなく、柔軟にネットワークを構築できる。 5G(第5世代移動通信システム)の普及に伴い、コアネットワークの役割はますます重要になっている。5Gは、高速大容量、低遅延、多数同時接続といった特徴を持つが、これらの特徴を最大限に活かすためには、高性能なコアネットワークが不可欠だ。 5Gコアネットワークは、従来のコアネットワークよりもさらに高度な機能を備えている。例えば、ネットワークスライシングという技術を使うことで、様々な用途に合わせたネットワークを柔軟に構築できる。自動運転車向けの低遅延ネットワークや、IoTデバイス向けの多数同時接続ネットワークなど、個別の要件に応じたネットワークを仮想的に作り出すことができる。 また、エッジコンピューティングという概念も重要になっている。これは、利用者により近い場所にサーバーを配置し、そこでデータ処理を行うことで、遅延を低減する技術だ。例えば、工場内のロボット制御や、VR/ARコンテンツの配信など、リアルタイム性が求められる用途に有効だ。エッジコンピューティングを実現するためには、コアネットワークとエッジサーバーとの連携が不可欠となる。 コアネットワークは、通信技術の進化とともに常に変化し続けている。システムエンジニアを目指す上で、コアネットワークの基本的な仕組みを理解しておくことは非常に重要だ。今後の通信技術の発展を支える基盤として、コアネットワークはますます重要な役割を担っていくはずだ。