イーサネットハブ(イーサネットハブ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

イーサネットハブ(イーサネットハブ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

イーサネットハブ (イーサネットハブ)

英語表記

Ethernet hub (イーサネットハブ)

用語解説

イーサネットハブは、複数のコンピュータやネットワーク機器を接続し、ネットワークを構築するための基本的な機器の一つだ。小規模なネットワークや、比較的小さな範囲でのデータの共有に用いられることが多い。ここでは、イーサネットハブの概要から詳細までを解説する。

まず、イーサネットハブの基本的な役割は、受信したデータを接続されている全てのポートに転送することにある。例えば、コンピュータAからハブにデータが送信されると、ハブはそのデータを他の全てのコンピュータB、C、D...に送信する。この動作は「ブロードキャスト」と呼ばれる。

次に、イーサネットハブの構造について説明する。ハブは通常、複数のポート(接続口)を持っており、それぞれにLANケーブルを接続することで、複数の機器をネットワークに接続できる。ハブ自体は非常にシンプルな構造で、受信した電気信号を増幅し、他のポートにそのまま転送する機能しか持っていない。そのため、ハブはネットワーク層のプロトコルを理解せず、単に物理層での信号の中継器として機能する。

イーサネットハブの動作原理をもう少し詳しく見てみよう。コンピュータAがコンピュータBにデータを送信する場合、データはまずハブに到達する。ハブは、そのデータを受信すると、接続されている全てのポートに同じデータを送信する。コンピュータBを含む全てのコンピュータは、受信したデータを見て、宛先が自分宛てかどうかを判断する。もし宛先が自分であればデータを受け入れ、そうでなければデータを無視する。

このような動作方式のため、イーサネットハブを使用するネットワークでは、同時に複数の機器がデータを送信すると「コリジョン(衝突)」が発生する可能性がある。コリジョンが発生すると、データが破損し、ネットワークのパフォーマンスが低下する。コリジョンを回避するために、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)という方式が用いられる。CSMA/CDは、データを送信する前に回線が空いているかどうかを確認し、もし他の機器が送信していれば、一定時間待機してから再度送信を試みるという仕組みだ。もしコリジョンが発生した場合は、送信を中断し、ランダムな時間待機した後、再度送信を試みる。

しかし、CSMA/CDはコリジョンを完全に防ぐことはできない。ネットワークに接続される機器が増えるほど、コリジョンの発生頻度が高くなり、ネットワークのパフォーマンスが低下する。この問題を解決するために、より高度なネットワーク機器である「スイッチングハブ(スイッチ)」が開発された。

スイッチングハブは、イーサネットハブと同様に複数の機器を接続するための機器だが、ハブとは異なり、受信したデータを宛先の機器にのみ送信する。スイッチングハブは、MACアドレスと呼ばれるネットワークカードの識別情報を用いて、どのポートにどの機器が接続されているかを学習する。そして、データを受信すると、宛先のMACアドレスに基づいて、該当するポートにのみデータを送信する。この動作は「ユニキャスト」と呼ばれる。

スイッチングハブを使用することで、コリジョンの発生を大幅に減らすことができ、ネットワークのパフォーマンスを向上させることができる。現在では、イーサネットハブよりもスイッチングハブが主流であり、家庭用や小規模オフィス向けのネットワークでも広く利用されている。

イーサネットハブは、そのシンプルな構造と動作原理から、ネットワークの基礎を学ぶ上で非常に重要な機器だ。しかし、現代のネットワーク環境では、スイッチングハブの方が効率的で高性能であるため、イーサネットハブが新規に導入されることはほとんどない。システムエンジニアを目指す上で、イーサネットハブの仕組みを理解することは、ネットワークの基礎を理解することにつながり、より高度なネットワーク技術を習得するための土台となるだろう。イーサネットハブの原理を理解することで、スイッチやルータといったより複雑なネットワーク機器の動作原理も理解しやすくなる。

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