外部記憶装置(ガイブキオクソウチ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
外部記憶装置(ガイブキオクソウチ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
がいぶきおくそうち (ガイブキオクソウチ)
英語表記
external storage device (エクスターナルストレージデバイス)
用語解説
外部記憶装置は、コンピュータシステムにおいてデータやプログラムを永続的に保存するための装置である。補助記憶装置とも呼ばれ、コンピュータの五大装置の一つである記憶装置に分類される。記憶装置には、CPUが直接アクセスして高速にデータの読み書きを行う主記憶装置と、電源が供給されなくなっても記憶内容を保持する外部記憶装置が存在する。外部記憶装置の最も重要な役割は、電源を切ると内容が消えてしまう揮発性の主記憶装置とは対照的に、不揮発性であるという特性を活かして、作成した文書、画像、アプリケーション、オペレーティングシステムなど、あらゆるデジタルデータを長期間にわたって保管することにある。コンピュータの電源を再度入れた際に、以前の状態から作業を再開できるのは、この外部記憶装置にデータが保存されているからである。
コンピュータが処理を実行する際、CPUは直接外部記憶装置のデータにアクセスすることはできない。CPUが直接やり取りできるのは、高速な主記憶装置(メインメモリ)のみである。そのため、プログラムを実行したりデータを処理したりする際には、まず外部記憶装置に保存されている必要なプログラムやデータが主記憶装置に読み込まれる(ロードされる)。CPUはその主記憶装置上のデータを処理し、処理が完了して保存が必要になった結果は、再び主記憶装置から外部記憶装置へと書き込まれる。この一連の流れにより、データの永続的な保存が実現される。このように、外部記憶装置は主記憶装置と連携し、コンピュータシステム全体のデータ管理の根幹を支える重要な役割を担っている。一般的に、主記憶装置は高速だが容量が比較的小さく高価であるのに対し、外部記憶装置は低速だが大容量で容量あたりの単価が安いという特徴を持つ。
外部記憶装置には様々な種類があり、それぞれに異なる特性を持つため、用途に応じて使い分けられる。最も代表的なものの一つがハードディスクドライブ(HDD)である。HDDは、磁性体を塗布した円盤(プラッタ)を高速で回転させ、磁気ヘッドを移動させてデータの読み書きを行う。大容量のデータを比較的安価に保存できるため、長年にわたりコンピュータの主要な記憶装置として利用されてきた。しかし、物理的な駆動部分を持つため、データの読み書き速度には限界があり、衝撃に弱く、動作音が発生するという側面も持つ。
近年、HDDに代わって主流となりつつあるのがソリッドステートドライブ(SSD)である。SSDは、USBメモリなどにも利用されるNAND型フラッシュメモリという半導体メモリを用いてデータを記録する。HDDのような物理的な駆動部分を持たないため、データの読み書きが非常に高速で、動作音も無く、衝撃にも強いという優れた特徴を持つ。これにより、オペレーティングシステムの起動やアプリケーションの読み込み時間が劇的に短縮される。一方で、HDDと比較すると容量あたりの単価が高価であり、書き込み回数に上限があるという特性も存在する。
その他にも特定の用途で利用される外部記憶装置がある。CDやDVD、Blu-ray Discなどの光学ディスクは、ディスク表面にレーザー光を照射してデータを読み書きする。ソフトウェアの配布や映像コンテンツの記録、データの長期アーカイブなどに利用されるが、読み書き速度はHDDやSSDに比べて遅い。また、磁気テープは、テープ状の媒体にデータを記録する装置である。データの読み出しにはテープを順次再生する必要があるためランダムアクセスには向かないが、容量あたりの単価が極めて安く、信頼性も高いため、企業などの大規模なデータをバックアップしたり、長期保管したりするアーカイブ用途で現在も広く活用されている。これらの記憶装置は、SATAやNVMe、USBといったインターフェース規格を介してコンピュータ本体に接続される。システムを構築する際には、速度、容量、コスト、信頼性といった各記憶装置の特性を深く理解し、システムの要件に最適なものを選択することが重要となる。