外部変数(ガイブヘンストウ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

外部変数(ガイブヘンストウ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

がいぶへんすう (ガイヘンシュウ)

英語表記

external variable (エクスターナル ヴァリアブル)

用語解説

外部変数とは、プログラムの特定のブロック(関数やメソッドなど)の外部で宣言され、そのプログラムの複数の場所からアクセスできる変数のことである。プログラム全体で使用されるグローバル変数と、モジュール内で共有される変数を含む。

外部変数は、プログラムの異なる部分間でデータを共有し、連携させるために使用される。たとえば、設定ファイルから読み込んだ設定値を、複数の関数で使用する場合や、プログラム全体で使用する定数を定義する場合などに利用される。

外部変数の宣言は、通常、プログラムの先頭部分や、モジュールファイルの先頭で行われる。宣言時には、変数の型(整数型、浮動小数点型、文字列型など)と変数名を指定する。初期値を同時に設定することも可能である。

外部変数を使用する際には、いくつかの注意点がある。まず、グローバル変数の過剰な使用は避けるべきである。グローバル変数はプログラムのどこからでもアクセスできるため、意図しない変更が発生しやすく、プログラムの可読性や保守性を低下させる可能性がある。変数のスコープ(有効範囲)はできるだけ限定的にすることが望ましい。

また、複数のスレッドが動作するプログラムでは、外部変数の排他制御に注意する必要がある。複数のスレッドが同時に外部変数を更新しようとすると、データの競合が発生し、プログラムが予期せぬ動作をする可能性がある。そのため、必要に応じて、ロック機構などを用いて、外部変数へのアクセスを同期させる必要がある。

外部変数は、モジュール間でのデータの共有にも使用される。モジュールとは、プログラムを機能ごとに分割した部品のことであり、モジュール化されたプログラムは、可読性や再利用性が高まる。モジュール間でデータを共有する際には、特定の変数を外部変数として宣言し、他のモジュールからアクセスできるようにする。ただし、この場合も、変数のスコープや排他制御に注意する必要がある。

外部変数の利用は、プログラムの構造を複雑にする可能性があるため、適切な設計が重要である。特に大規模なプログラムでは、外部変数の使用を最小限に抑え、データの受け渡しには、関数の引数や戻り値を使用することが推奨される。オブジェクト指向プログラミングでは、クラスのメンバ変数(インスタンス変数)を使用することで、データと処理をカプセル化し、より安全で保守性の高いプログラムを構築することができる。

具体例として、C言語を考える。あるプログラムで、複数の関数からアクセスする必要がある定数 MAX_VALUE を定義したいとする。この場合、プログラムの先頭で #define MAX_VALUE 100 のように定義することで、MAX_VALUE は外部変数(マクロ定義)として扱われ、プログラム全体で使用可能となる。また、グローバル変数として int global_count = 0; のように宣言することも可能である。しかし、グローバル変数の使用は、可能な限り避けるべきであり、関数間でデータを共有する場合は、引数や戻り値を使用することが推奨される。

Pythonの場合、モジュールのトップレベルで定義された変数は、そのモジュール内のすべての関数からアクセスできる。別のモジュールからアクセスするには、import 文を使用してモジュールをインポートし、モジュール名.変数名 のようにアクセスする必要がある。これも、外部変数の利用例と言える。

まとめると、外部変数は、プログラムの複数の場所からアクセスできる変数であり、データ共有のために使用される。しかし、過剰な使用はプログラムの可読性や保守性を低下させる可能性があるため、適切な設計と注意が必要である。変数のスコープを限定し、排他制御に注意し、オブジェクト指向プログラミングの活用など、より安全で保守性の高いプログラム設計を心がけることが重要である。