一般トップレベルドメイン(イッパントップレベルドメイン)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

一般トップレベルドメイン(イッパントップレベルドメイン)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

一般トップレベルドメイン (イッパントップレベルドメイン)

英語表記

generic top-level domain (ジェネリックトップレベルドメイン)

用語解説

一般トップレベルドメインとは、インターネット上の住所であるドメイン名において、一番右端に位置する部分、すなわちトップレベルドメインの一種である。英語では generic Top-Level Domain と表記され、gTLDと略される。ドメイン名は、数字の羅列であるIPアドレスを、人間が覚えやすい文字列に対応付けるための仕組みであり、DNSというシステムによって管理されている。例えば「example.com」というドメイン名では、「.com」がトップレベルドメインにあたる。トップレベルドメインにはいくつかの種類が存在するが、一般トップレベルドメインは、特定の国や地域コードに割り当てられる国コードトップレベルドメイン(ccTLD)とは異なり、地理的な制約がなく、世界中の誰でも(あるいは特定の条件を満たせば誰でも)登録できるという特徴を持つ。

一般トップレベルドメインの歴史は、インターネットが普及し始めた1985年に遡る。当初は、その利用目的を想定して設計された少数のドメインが導入された。代表的なものとして、商用組織向けの「.com」、ネットワーク関連組織向けの「.net」、非営利組織向けの「.org」、米国の教育機関向けの「.edu」、米国政府機関向けの「.gov」、米国軍事機関向けの「.mil」が存在した。これらは、ドメイン名を見るだけで、そのウェブサイトがどのような組織によって運営されているかを大まかに推測できるという利点があった。しかし、インターネットの爆発的な普及に伴い、特に「.com」ドメインへの需要が集中し、希望するドメイン名が取得しにくいという問題が生じてきた。この問題を解決し、ドメイン名の選択肢を増やすため、2000年代に入ると「.info」(情報サイト向け)や「.biz」(ビジネス向け)などの新しいgTLDが追加された。

さらに大きな転換期となったのが、2012年から始まったICANNによる新gTLDプログラムである。ICANNは、ドメイン名資源を世界的に管理する非営利団体であり、このプログラムによって、企業や団体が独自のトップレベルドメインを申請・開設できるようになった。これにより、従来とは比較にならないほど多様なgTLDが誕生した。例えば、「.tokyo」や「.osaka」のような都市名を表すもの、企業名やブランド名である「.google」や「.canon」、そして「.shop」「.app」「.blog」「.tech」といった、ウェブサイトの目的や業種をより具体的に示す一般的な単語がgTLDとして利用可能になった。これらの新gTLDの登場は、利用者がドメイン名からサイトの内容を直感的に理解しやすくなるというメリットをもたらし、企業のブランディング戦略においても新たな選択肢を提供している。

一般トップレベルドメインは、その管理形態によってさらに分類されることがある。一つは、スポンサー付きトップレベルドメイン(sTLD)である。これは、特定の業界やコミュニティを代表する団体(スポンサー)が、ICANNとの契約に基づいて管理・運営するgTLDである。登録には、そのコミュニティに属していることなどの特定の条件を満たす必要がある。例えば、「.aero」は航空業界、「.coop」は協同組合、「.museum」は博物館が対象となる。もう一つは、非スポンサー付きトップレベルドメインであり、特定のスポンサーを持たず、ICANNが定める統一ポリシーに基づいて運営される。初期から存在する「.com」や「.net」、そして新gTLDの多くがこれに該当し、一般的に登録要件は緩やかである。

gTLDの管理は階層的な構造で行われている。頂点に立つのがICANNで、新しいgTLDの承認や全体的なポリシーの策定を担う。各gTLDの直接的な管理は、「レジストリ」と呼ばれる組織が行う。レジストリは、そのgTLDに属するドメイン名のデータベースを維持・管理する責任を持つ。例えば、「.com」のレジストリはVerisign社が務めている。私たちがドメイン名を登録する際には、直接レジストリに申請するのではなく、「レジストラ」と呼ばれる登録事業者を経由する。レジストラは、一般のユーザーからの申請を受け付け、レジストリのデータベースにドメイン名を登録する役割を担う。システムエンジニアを目指す上で、このICANN、レジストリ、レジストラという役割分担を理解しておくことは、DNSの仕組みやドメイン名に関するトラブルシューティングを行う際に不可欠な知識となる。適切なgTLDの選択は、構築するシステムの目的を明確にし、ユーザーにとっての利便性を高める上で重要な要素である。

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