情報機器 (ジョウホウキキ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
情報機器 (ジョウホウキキ) の読み方
日本語表記
じょうほうきき (ジョウホウキキ)
英語表記
information equipment (インフォメーション・エクイップメント)
情報機器 (ジョウホウキキ) の意味や用語解説
情報機器とは、情報の処理、保存、伝送、表示といった機能を持つ電子機器の総称である。我々が日常的に利用するパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン、タブレット端末がその代表例として挙げられる。また、企業やデータセンターで稼働するサーバーや、ネットワークを構築するためのルーター、スイッチなども情報機器に含まれる。これらの機器は、文字、数値、画像、音声といった様々な形式の「情報(データ)」をデジタル形式で扱うことを目的として設計されている。システムエンジニアにとって情報機器は、構築するシステムの物理的な基盤となる極めて重要な要素であり、その特性や機能を正しく理解することは業務の基本となる。 情報機器は、その役割に応じていくつかの基本的な機能要素に分類することができる。これらはコンピュータの五大装置としても知られる概念と密接に関連している。第一に、外部から情報や指示を受け取るための「入力装置」がある。キーボードやマウス、タッチパネル、スキャナ、マイクなどがこれに該当し、人間や他の機器からのデータをコンピュータが扱える形式に変換する役割を担う。第二に、処理された結果を人間が認識できる形に出力するための「出力装置」が存在する。ディスプレイやプリンタ、スピーカーがその代表例であり、コンピュータ内部のデジタル情報を視覚的あるいは聴覚的な情報に変換する。第三に、情報処理の中核を担う「処理装置」がある。これには中央処理装置(CPU)や画像処理装置(GPU)が含まれ、入力されたデータに対して計算、加工、判断といった演算処理を実行する。コンピュータの「頭脳」とも言える部分であり、その性能がシステム全体の処理能力を大きく左右する。第四に、データやプログラムを保存するための「記憶装置」がある。記憶装置は、CPUが直接アクセスして高速に読み書きを行う主記憶装置(メインメモリ、RAM)と、電源を切っても内容が消えない不揮発性で大容量のデータを永続的に保存する補助記憶装置(ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、USBメモリなど)に大別される。主記憶装置は作業領域、補助記憶装置は保管場所と考えると理解しやすい。最後に、他の情報機器とデータを送受信するための「通信装置」がある。ネットワークインターフェースカード(NIC)やWi-Fiアダプタ、モデム、ルーターなどがこれにあたり、インターネットやローカルエリアネットワーク(LAN)への接続を可能にする。 これら入力、出力、処理、記憶、通信の各装置は、単独で存在するのではなく、互いに密接に連携しながら一つのシステムとして機能する。例えば、ユーザーがキーボードで文字を入力すると、その信号は入力装置から主記憶装置へ送られ、CPUがそのデータを処理し、結果をディスプレイという出力装置に表示する。この一連の流れが瞬時に行われることで、我々はコンピュータを操作することができる。 近年、情報機器の概念はさらに拡大している。従来のPCやサーバーに加え、スマートウォッチやスマートグラスといったウェアラブルデバイス、工場のセンサーやスマート家電などのIoT(Internet of Things)デバイスも広義の情報機器として扱われる。これらの機器は、特定の機能に特化していたり、極めて小型であったりするが、情報の収集(入力)、処理、記憶、通信といった基本的な機能要素を備えている点では共通している。 システムエンジニアは、これらの多岐にわたる情報機器の性能、信頼性、拡張性、コスト、セキュリティといった特性を深く理解し、顧客の要求や課題解決に最適な機器を選定し、それらを組み合わせてシステム全体を設計・構築する専門家である。したがって、ハードウェアのスペックシートを読み解く能力や、各機器間の接続インターフェースに関する知識、ネットワーク構成の理解など、情報機器に関する広範な知識が不可欠となる。