インスタンス(インスタンス)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

インスタンス(インスタンス)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

インスタンス (インスタンス)

英語表記

instance (インスタンス)

用語解説

インスタンスとは、一般的に「実例」「具体例」といった意味を持つ言葉だが、ITの分野においては、特にコンピュータシステムやソフトウェアにおいて、設計図や設計に基づいて具体的に生成されたものを指す。設計図を元に実際に作られた物体、というイメージを持つと理解しやすいだろう。

例えば、プログラミングにおけるクラスという概念を考えてみよう。クラスは、オブジェクトの設計図のようなものだ。クラスを定義することで、どのようなデータを持つか、どのような処理ができるかを定めることができる。しかし、クラスを定義しただけでは、まだ何も実体は存在しない。そこで、クラスを元に実際にメモリ上に展開されたものがインスタンスとなる。つまり、インスタンスは、クラスという設計図を元に作られた具体的なオブジェクトの実体と言える。

データベースにおいても、インスタンスという言葉は重要な意味を持つ。データベース管理システム(DBMS)は、データベースを管理するためのソフトウェアだ。DBMSのインスタンスとは、DBMSが実際に起動し、データベースを操作できる状態にあるものを指す。一つのDBMSで複数のインスタンスを同時に起動することも可能だ。例えば、テスト環境用と本番環境用で異なるインスタンスを立ち上げ、それぞれ独立して運用するといったケースがある。

クラウドコンピューティングの世界では、インスタンスは仮想マシン(VM)を指すことが多い。クラウドプロバイダーが提供する仮想サーバーを利用する場合、利用者は必要なスペック(CPU、メモリ、ストレージなど)を選択し、インスタンスを作成する。このインスタンスは、物理的なサーバー上に構築された仮想的なコンピューターであり、OSやアプリケーションをインストールして利用することができる。インスタンスを起動することで、実際にコンピューティングリソースを利用できるようになる。

コンテナ技術においても、インスタンスは重要な役割を果たす。コンテナは、アプリケーションとその実行に必要なライブラリや設定などをまとめてパッケージングする技術だ。コンテナイメージと呼ばれる設計図を元に、実際に動作するコンテナを生成する。この動作しているコンテナがインスタンスと呼ばれる。一つのコンテナイメージから複数のインスタンスを起動し、並行してアプリケーションを実行することも可能だ。

インスタンスは、ソフトウェア開発やシステム運用において、非常に重要な概念だ。設計図であるクラスやイメージを元に、実際に動作する実体を生成し、利用可能にするための鍵となる。システムエンジニアを目指す上で、インスタンスという言葉の意味と役割をしっかりと理解しておくことは、不可欠と言えるだろう。特に、オブジェクト指向プログラミング、データベース、クラウドコンピューティング、コンテナ技術といった分野においては、頻繁に登場する用語なので、それぞれの文脈における意味合いを把握しておくことが重要だ。

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