インタラクション(インタラクション)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

インタラクション(インタラクション)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

相互作用 (ソウゴサヨウ)

英語表記

interaction (インタラクション)

用語解説

インタラクションとは、「相互作用」や「対話」を意味する言葉である。ITやシステム開発の文脈においては、主に人間であるユーザーと、コンピュータシステムとの間で行われる一連のやりとり全般を指す。ユーザーがシステムに対して何らかの操作を行い、システムがそれに対して反応を返す、この双方向のコミュニケーションの全体がインタラクションである。例えば、スマートフォンの画面をタップしてアプリを起動する、ウェブサイトの検索ボックスにキーワードを入力して検索ボタンを押す、オンラインゲームでコントローラーを使ってキャラクターを操作するなど、我々が日常的に行っているコンピュータやソフトウェアの操作はすべてインタラクションに含まれる。この概念は、単に機能が動作すること以上に、ユーザーがいかにスムーズに、そして直感的に目的を達成できるかという「使いやすさ」に直結するため、システム開発において非常に重要な要素として位置づけられている。

インタラクションは、具体的にはユーザーからの「アクション」と、それに対するシステムからの「レスポンス」、すなわちフィードバックという二つの要素で構成される。ユーザーのアクションとは、システムに対する意図的な入力操作のことである。これには、キーボードによる文字入力、マウスのクリックやドラッグ、タッチスクリーンでのタップやスワイプ、音声アシスタントへの発話などが含まれる。ユーザーはこれらのアクションを通じて、システムに自身の意図や要求を伝達する。一方、システムのレスポンスとは、ユーザーのアクションを受けてシステムが返す応答や反応のことである。画面上の表示が切り替わる、処理中を示すプログレスバーが表示される、ボタンの色が変わる、クリック音が鳴る、デバイスが振動するなど、視覚、聴覚、触覚を通じてユーザーに状態の変化を伝える。このフィードバックがあることで、ユーザーは自身の操作がシステムに正しく受け入れられたこと、そして現在どのような処理が行われているかを認識できる。明確で適切なフィードバックは、ユーザーに安心感を与え、次の操作へとスムーズに導くための重要な役割を担っている。

このユーザーとシステムの間の快適なやりとりを設計する活動やその分野を「インタラクションデザイン(IxD)」と呼ぶ。インタラクションデザインの目的は、ユーザーがストレスなく、効率的に、そして心地よくシステムを利用できるように、アクションとレスポンスの流れをデザインすることにある。優れたインタラクションデザインは、ユーザーが操作方法を学習しなくても直感的に使えるように工夫されている。例えば、ウェブフォームで必須項目が未入力のまま送信ボタンを押した場合、ただエラーメッセージを表示するだけでなく、該当する入力欄を赤枠で囲んで視覚的に示すことで、ユーザーはどこを修正すればよいかを即座に理解できる。また、ファイルをゴミ箱にドラッグ&ドロップした際に、ゴミ箱のアイコンの見た目が変化し、削除音が鳴るといった一連の演出も、操作が完了したことを明確にユーザーに伝えるためのインタラクションデザインの一例である。これらの設計は、システムの使い勝手、すなわちユーザビリティを大きく左右する。

システムエンジニアにとって、このインタラクションの概念を理解することは極めて重要である。システムの要件定義や設計の段階で、ユーザーがどのような目的を持ち、どのような手順で操作を行うかを想定し、それに対してシステムがどのように振る舞うべきかを具体的に定義する必要があるからだ。単に「データを登録できること」という機能要件を満たすだけでなく、「データ登録ボタンを押したら、処理中であることを示すアニメーションを表示し、処理完了後には成功メッセージを画面上部に3秒間表示した上で入力フォームをクリアする」といったレベルまで、インタラクションを詳細に設計することが、高品質なシステム開発に繋がる。特にユーザーが直接触れる画面(UI)を開発するフロントエンドエンジニアはもちろん、サーバーサイドの処理を担当するバックエンドエンジニアも無関係ではない。ユーザーのアクションに対してサーバーが素早く応答を返すこと、エラー発生時にはその原因を示す適切な情報を返すことなどは、快適なインタラクションを実現するための基盤となる。APIの設計においても、リクエストとレスポンスの仕様を明確に定義することは、システム間の円滑なインタラクションを保証する上で不可欠である。

インタラクションの形態は、コンピュータ技術の進化と共に多様化してきた。初期のコンピュータにおけるコマンドラインインターフェース(CUI)では、キーボードからの文字列入力が唯一のアクションであり、システムはテキストで応答を返していた。その後、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が登場し、マウスによるポインティングやクリック、ドラッグ&ドロップといった、より視覚的で直感的なインタラクションが主流となった。そして現代では、スマートフォンの普及により、指で直接画面に触れて操作するタッチインタラクションが一般的となった。スワイプ、ピンチイン・アウトといったマルチタッチジェスチャーは、新たな操作体験を生み出した。さらに近年では、スマートスピーカーに代表される音声ユーザーインターフェース(VUI)が台頭し、人間が話す言葉が直接的なアクションとなり、システムが音声で応答する対話型のインタラクションも広く浸透している。これらに加え、VR/AR技術における空間的なジェスチャーや視線による操作など、インタラクションの可能性は今もなお広がり続けている。システムエンジニアは、これらの多様なインタラクションの手法を理解し、開発するシステムに最適なものを選択・実装する能力が求められる。

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