インターフェース(インターフェース)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
インターフェース(インターフェース)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
インターフェース (インターフェース)
英語表記
interface (インターフェース)
用語解説
インターフェースとは、二つの異なるものが接する境界面や、それらの間で情報をやり取りするための規約、手順、装置などを指す総称である。IT分野においては、その対象が多岐にわたるため非常に広範な意味で用いられるが、その本質は「何かと何かの間で情報を円滑にやり取りするための約束事や仕組み」であると理解することが重要だ。システムを構成する様々な要素は、インターフェースを介して相互に接続され、連携することで一つの機能を実現する。インターフェースは、その対象によって大きく三つに分類することができる。ハードウェアインターフェース、ソフトウェアインターフェース、そしてユーザーインターフェースである。
第一に、ハードウェアインターフェースは、コンピュータ本体と周辺機器などの物理的な装置同士を接続するための規約を指す。これには、コネクタの物理的な形状や寸法、ピンの配置と各ピンが担う電気信号の種類、電圧、通信プロトコルといった物理的・電気的な仕様が含まれる。我々が日常的に利用するUSB(Universal Serial Bus)やHDMI(High-Definition Multimedia Interface)、有線LANケーブルを接続するEthernetポートなどがその代表例である。これらの規格が標準化されているおかげで、異なるメーカーが製造したパソコン、マウス、キーボード、ディスプレイ、プリンターといった多様な機器を相互に接続し、正しくデータを交換することが可能になっている。もし、このような共通のインターフェースが存在しなければ、特定のメーカーの製品同士でしか接続できないといった非効率な状況に陥るだろう。
第二に、ソフトウェアインターフェースは、ソフトウェアのコンポーネント(部品)間や、異なるソフトウェア間でデータをやり取りするための規約である。この分野で最も重要な概念がAPI(Application Programming Interface)だ。APIは、あるソフトウェアが持つ機能やデータを、外部の他のソフトウェアから利用するために定められた手順やデータ形式の集合である。例えば、オペレーティングシステム(OS)は、アプリケーションソフトウェアに対して、ファイルの読み書きやネットワーク通信、画面描画といった機能を利用するためのAPIを提供している。アプリケーション開発者は、OSの内部構造を詳細に知らなくても、このAPIの仕様に従うことでOSの機能を呼び出し、利用することができる。また、近年ではWebサービスが提供する機能を外部から利用するためのWeb APIが広く使われている。地図情報サービスや決済サービス、気象情報サービスなどがWeb APIを公開しており、開発者は自身のアプリケーションにこれらの機能を容易に組み込むことが可能だ。ソフトウェアインターフェースを明確に定義することは、システムのモジュール化を促進し、機能の再利用性を高める上で不可欠である。インターフェースの仕様さえ遵守すれば、各コンポーネントの内部実装を独立して変更・改善できるため、システム全体の保守性や拡張性を大幅に向上させる効果がある。
第三に、ユーザーインターフェース(UI)は、人間(ユーザー)とコンピュータシステムとの間の接点を指す。ユーザーがシステムを操作し、その結果をシステムがユーザーに提示するための手段全般がこれにあたる。初期のコンピュータでは、CUI(Character User Interface)が主流であり、ユーザーはキーボードから特定のコマンド文字列を入力してシステムを操作していた。現在では、アイコンやウィンドウ、ボタンといったグラフィカルな要素をマウスや指で直感的に操作するGUI(Graphical User Interface)が一般的である。スマートフォンやタブレット端末のタッチスクリーンもGUIの一種だ。優れたユーザーインターフェースは、ユーザーが目的の操作を迷うことなく、効率的に行えるように設計されている。画面のレイアウト、配色、フォント、アイコンのデザイン、操作に対する応答など、多くの要素がユーザーの使いやすさに影響を与える。システムエンジニアは、システムの機能だけでなく、その機能をユーザーがどのように利用するのかという視点から、ユーザーインターフェースを考慮する必要がある。
これら三つのインターフェースは、それぞれ物理層、ソフトウェア層、人間とシステムの対話層という異なるレベルで機能しているが、いずれも「境界を定め、そこでのやり取りのルールを定義する」という共通の役割を担っている。システム開発において、インターフェース設計はプロジェクトの成否を左右する極めて重要な工程である。各コンポーネント間の連携方法を明確に定義し、安定的で変更に強いインターフェースを設計することが、高品質で保守性の高いシステムを構築するための鍵となる。システムエンジニアを目指す者は、このインターフェースという概念を正しく理解し、常に意識することが求められる。