インターフェースカード(インターフェースカード)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

インターフェースカード(インターフェースカード)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

インターフェースカード (インターフェースカード)

英語表記

interface card (インターフェイスカード)

用語解説

インターフェースカードは、コンピュータに特定の機能を追加したり、既存の性能を向上させたりするために使用される電子回路基板である。拡張カード、増設カード、あるいは単にカードとも呼ばれる。コンピュータの心臓部であるマザーボード上には、拡張スロットと呼ばれる専用の接続端子が用意されており、インターフェースカードはこのスロットに物理的に装着することで、コンピュータシステムの一部として機能する。これにより、購入時の標準構成にはない機能を持たせたり、より高度な処理能力をコンピュータに付与したりすることが可能となる。その目的は、機能の追加、性能の向上、そして接続性の拡張の三つに大別される。

インターフェースカードをコンピュータに接続するための拡張スロットには、時代とともにいくつかの規格が存在したが、現在ではPCI Express(PCIe)が主流となっている。PCIeは高速なデータ転送を特徴とし、その転送速度に応じてx1、x4、x8、x16といった複数のサイズのスロットがある。数字が大きいほど高速なデータ転送が可能であり、グラフィックスカードのような大量のデータを扱うカードはx16スロットに、比較的データ転送量が少ないカードはx1スロットに接続されるのが一般的である。物理的にカードを装着しただけでは機能せず、オペレーティングシステム(OS)がそのカードを認識し、正しく制御するためのデバイスドライバと呼ばれる専用のソフトウェアをインストールする必要がある。このドライバは通常、カードの製造元から提供され、OSとハードウェアの間の橋渡し役を担うことで、カードの性能を最大限に引き出す。

インターフェースカードには多種多様な種類が存在し、それぞれが専門的な役割を持っている。代表的なものの一つが、ネットワークインターフェースカード(NIC)である。一般的にLANカードとも呼ばれ、コンピュータをインターネットやローカルネットワークに接続する機能を提供する。有線LAN接続のためのEthernetポートを持つものや、無線LAN(Wi-Fi)に接続するためのアンテナを持つものがある。近年では多くのマザーボードにネットワーク機能が標準搭載されているが、サーバーなどでより高速な10Gbpsや25Gbpsといった通信速度が求められる場合や、複数のネットワークに同時に接続する必要がある場合に、高性能なNICが追加で用いられる。

次に、グラフィックスカードが挙げられる。ビデオカードやVGAとも呼ばれ、コンピュータグラフィックスの描画処理を専門に行い、その結果をディスプレイに映像として出力する役割を持つ。中心的な部品としてGPU(Graphics Processing Unit)を搭載しており、3DゲームやCAD、動画編集といった高度なグラフィックス処理をCPUに代わって高速に実行する。近年のAI開発やディープラーニングの分野では、GPUが持つ膨大な並列計算能力が活用されるため、グラフィックスカードは映像出力だけでなく、科学技術計算の分野でも不可欠な存在となっている。

サウンドカードは、音声の入出力機能を提供する。マイクからの音声入力や、スピーカー・ヘッドフォンへの音声出力を担う。グラフィックス機能と同様に、サウンド機能も多くのマザーボードに標準搭載されているが、より高音質な音楽鑑賞や、ノイズの少ないクリアな音声録音、本格的な音楽制作(DTM)など、音質にこだわりたい場合に別途サウンドカードが使用される。

その他にも、ストレージデバイスを接続・制御するためのストレージコントローラーカードがある。これにより、SATAやSAS規格のハードディスク(HDD)やSSDを増設したり、RAIDと呼ばれる技術を用いて複数のディスクを統合し、データの安全性や読み書き速度を向上させたりすることができる。また、USBポートが不足した場合にポート数を増やすためのUSB拡張カードや、外部のビデオカメラやゲーム機からの映像信号をコンピュータに取り込むためのキャプチャーカードなど、特定の用途に特化したインターフェースカードも数多く存在する。

現代のパーソナルコンピュータでは、ネットワーク、サウンド、基本的なグラフィックスといった多くの機能がマザーボード上に直接実装される「オンボード」が一般的になった。そのため、一般的な事務作業やインターネット閲覧といった用途では、インターフェースカードを追加で導入する必要性は低下している。しかし、標準搭載の機能では性能が不足する専門的な用途、例えば高性能なPCゲーム、プロフェッショナル向けの映像編集、サーバー構築、AI開発などの分野においては、目的に応じた高性能なインターフェースカードを選択・増設することが、システム全体のパフォーマンスを決定づける上で依然として極めて重要な要素であり続けている。

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