インターロックゲート(インターロックゲート)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

インターロックゲート(インターロックゲート)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

インターロックゲート (インターロックゲート)

英語表記

interlock gate (インターロックゲート)

用語解説

インターロックゲートは、物理的なセキュリティレベルを向上させるために設計された特殊な入退室管理システムである。最も大きな特徴は、入口と出口にそれぞれ扉が設けられており、この二つの扉が同時には開かないように相互にロックされる「インターロック」という機構を持つ点にある。このシステムの主な目的は、正規の認証を受けた人物に続いて、認証を受けていない人物が不正に侵入する「共連れ」を物理的に防止することである。利用者はまず一つ目の扉からゲート内の小部屋に入り、その扉が完全に閉じた後でなければ、二つ目の扉を開けて先に進むことができない。この仕組みにより、一人ずつ確実に認証と通行を管理することが可能となる。そのため、データセンターや研究所、金融機関の重要区画など、極めて高度な機密情報や重要な資産を保護する必要がある施設で採用されることが多い。

インターロックゲートの具体的な動作原理は、二つの扉と、その間にある中間室と呼ばれる空間によって構成される。利用者が保護エリアへ入室する場合、まず外側にある一つ目の扉を認証装置によって解錠し、中間室へ入る。この時、内側にある二つ目の扉は施錠されたままである。利用者が中間室に入り、一つ目の扉が完全に閉まったことをシステムが検知すると、初めて二つ目の扉の解錠が可能になる。そして、二つ目の扉を通過して保護エリアに入室し、その扉が閉まると、一連の入室プロセスが完了する。退室時も同様に、内側の扉から中間室に入り、それが閉じた後に外側の扉が開くという逆の手順を踏む。この一連の動作により、二つの扉が同時に開く状態はシステム上発生せず、共連れが極めて困難な構造となっている。

共連れ防止をさらに確実なものにするため、多くのインターロックゲートには補助的なセンサーが搭載されている。例えば、中間室の床に重量センサーを設置し、内部にいる人物の体重を測定することで、規定値を超える場合は複数人がいると判断し、二つ目の扉を開かないように制御する。また、赤外線センサーや3Dカメラを用いて空間内の人数を光学的に検知するシステムもある。これらのセンサー技術により、一人の認証で複数人が侵入しようとする試みを正確に検知し、警報を発したり、ゲートをロックダウンしたりすることが可能になる。

認証方法には、ICカードやパスワードといった一般的なものから、指紋、静脈、顔、虹彩などを用いる生体認証まで、施設のセキュリティポリシーに応じて様々な技術が採用される。より高度なセキュリティが求められる場所では、カード認証と生体認証を組み合わせる二要素認証が用いられることもある。

インターロックゲートは、しばしば「アンチパスバック」機能と組み合わせて運用される。アンチパスバックとは、入室記録がない人物の退室を許可せず、また、退室記録がない人物の再入室を許可しないように制御する機能である。これにより、一枚のICカードを複数人で使い回したり、盗難されたカードで不正に入室したりすることを防ぐことができる。インターロックゲートが共連れという物理的な不正侵入を防ぐのに対し、アンチパスバックは認証媒体の不正利用を防ぐ役割を担う。この二つを組み合わせることで、入退室管理のセキュリティは飛躍的に向上する。

システムエンジニアとしてこの技術に関わる場合、単なる物理的なゲートの設置だけでなく、ITシステムとの連携が重要なテーマとなる。例えば、誰が、いつ、どのゲートを通過したかというログ情報を記録・管理するデータベースシステムの設計や構築、認証情報を管理するActive Directoryなどのディレクトリサービスとの連携、監視カメラシステムや警報システムとの統合などが挙げられる。また、災害や停電といった緊急事態に備え、ゲートを安全に解放する(フェイルセーフ)か、あるいは施錠状態を維持する(フェイルセキュア)かといった制御ポリシーの設計も重要である。このように、インターロックゲートは物理セキュリティと情報セキュリティが密接に連携する領域であり、システムエンジニアには両方の知識が求められる。その導入には高額なコストと、通行に時間がかかるという運用上の制約もあるため、費用対効果や利便性を考慮した上で、最適なセキュリティレベルを実現するためのシステム設計を行う能力が不可欠となる。

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