国際化ドメイン名 (コクサイカドメインメイ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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国際化ドメイン名 (コクサイカドメインメイ) の読み方

日本語表記

国際化ドメイン名 (コクサイカドメインメイ)

英語表記

Internationalized Domain Name (インターナショナライズド・ドメイン・ネーム)

国際化ドメイン名 (コクサイカドメインメイ) の意味や用語解説

国際化ドメイン名(Internationalized Domain Name; IDN)とは、ASCII文字(a〜z、0〜9、ハイフン)以外の文字、例えば日本語、中国語、韓国語、アラビア語、ロシア語など、各国のネイティブな文字を含むドメイン名のことである。従来のドメイン名は技術的な制約からASCII文字のみで構成されていたが、IDNの登場により、より多くの人が自分の言語でウェブサイトにアクセスできるようになった。 IDNの導入背景には、インターネット利用者の増加と多様化がある。初期のインターネット利用者は主に英語圏の人々だったため、ASCII文字のみでドメイン名が構成されていても問題はなかった。しかし、インターネットが世界中に普及するにつれて、英語を母語としない人々が多数インターネットを利用するようになった。彼らにとって、ASCII文字のみのドメイン名は馴染みが薄く、使いにくいものであった。そこで、各国の言語でドメイン名を使用できるようにするIDNが開発された。 IDNの仕組みは、Punycodeという特殊な符号化方式に基づいている。Punycodeは、Unicodeで表現されたIDNをASCII文字のみの文字列に変換する。例えば、日本語ドメイン名「例.jp」は、Punycodeによって「xn--l8j.jp」のような文字列に変換される。この変換された文字列が、DNS(Domain Name System)に登録され、実際のドメイン名として機能する。 ユーザーがブラウザに日本語ドメイン名を入力すると、ブラウザはまずそのドメイン名をPunycodeに変換する。次に、変換されたPunycodeドメイン名をDNSサーバーに問い合わせる。DNSサーバーは、Punycodeドメイン名に対応するIPアドレスを返す。ブラウザは、そのIPアドレスに基づいてウェブサイトにアクセスする。ユーザーは、Punycodeに変換されたドメイン名を意識することなく、日本語ドメイン名でウェブサイトを閲覧できる。 IDNを利用する上での注意点もある。まず、すべてのアプリケーションやソフトウェアがIDNに対応しているわけではない。古いブラウザやメールソフトなどでは、IDNが正しく表示されない場合がある。また、IDNには類似した文字や紛らわしい文字が存在するため、フィッシング詐欺などの悪用にも注意が必要である。例えば、日本語の「イ」と英語の「l」(小文字のエル)は見た目が似ているため、悪意のある第三者が紛らわしいドメイン名を作成し、ユーザーを騙す可能性がある。 IDNは、インターネットの多言語化を推進し、より多くの人々がインターネットを利用しやすくするために重要な役割を果たしている。しかし、技術的な制約やセキュリティ上のリスクも存在するため、IDNを利用する際には、これらの点に注意する必要がある。システムエンジニアは、IDNの仕組みと注意点を理解し、安全で使いやすいウェブサイトを構築することが求められる。具体的には、ウェブサイトがIDNに対応しているか確認したり、IDNに関連するセキュリティ対策を講じたりする必要がある。また、ユーザーに対してIDNの注意点を啓発することも重要である。

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