インターオペラビリティ(インターオペラビリティ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

インターオペラビリティ(インターオペラビリティ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

相互運用性 (ソウゴウユウヨウセイ)

英語表記

interoperability (インターオペラビリティ)

用語解説

インターオペラビリティとは、異なるシステム、デバイス、アプリケーションなどが、相互に連携し、情報やサービスを共有して、共に機能できる能力のことだ。日本語では「相互運用性」と訳されることが多い。

より詳細に説明すると、インターオペラビリティは、単に異なるシステム同士が接続できるだけでなく、意味のある形でデータや機能を交換し、利用できる状態を指す。例えば、A社のソフトウェアで作成したデータを、B社のソフトウェアで問題なく読み込み、編集できる状態は、インターオペラビリティが確保されていると言える。

インターオペラビリティは、大きく分けて以下の3つのレベルで考えることができる。

  1. 技術的なインターオペラビリティ: これは、物理的な接続やデータ形式の互換性など、システムが相互に接続し、通信できるための基盤となる。例えば、異なるメーカーのプリンターが、共通の印刷プロトコルに対応していることで、どのパソコンからでも印刷できるのは、技術的なインターオペラビリティの例だ。

  2. 意味的なインターオペラビリティ: これは、交換されるデータの意味が、システム間で正しく解釈されることを指す。例えば、あるシステムで「顧客ID」として扱われている情報が、別のシステムでも同じ意味を持つと認識される必要がある。異なるシステム間で同じ情報を異なる意味で解釈してしまうと、誤った処理が発生する可能性がある。そのため、共通のデータモデルや語彙を使用したり、データの変換規則を定義したりすることが重要になる。

  3. 組織的なインターオペラビリティ: これは、システムを運用する組織間の連携や合意形成を指す。技術的な互換性や意味的な整合性が確保されていても、組織間の協力体制が整っていなければ、インターオペラビリティは実現できない。例えば、データの共有に関するポリシーや責任範囲を明確にしたり、問題発生時の連携体制を構築したりする必要がある。

インターオペラビリティの重要性は、現代の複雑な情報システム環境においてますます高まっている。企業や組織は、複数のシステムを組み合わせて業務を効率化したり、新たなサービスを提供したりすることが求められる。その際、システム間のインターオペラビリティが確保されていなければ、データの整合性が損なわれたり、業務プロセスが分断されたりする可能性がある。

インターオペラビリティを向上させるためには、いくつかの方法がある。

  • 標準規格の利用: 業界標準のプロトコルやデータ形式を利用することで、異なるシステム間での互換性を高めることができる。例えば、Webサービスにおいては、SOAPやRESTなどの標準的なアーキテクチャを利用することが一般的だ。

  • APIの公開: システムが提供する機能をAPIとして公開することで、他のシステムからのアクセスを容易にすることができる。APIは、システムの内部構造を隠蔽しつつ、外部からの利用を可能にするため、インターオペラビリティの実現に貢献する。

  • データ変換技術の活用: 異なるデータ形式を相互に変換する技術を利用することで、システム間のデータ交換を円滑にすることができる。例えば、XMLやJSONなどのデータ形式変換ツールや、ETL(Extract, Transform, Load)ツールなどが利用される。

  • 共通データモデルの定義: システム間で共有するデータの構造や意味を定義した共通データモデルを作成することで、意味的なインターオペラビリティを向上させることができる。

インターオペラビリティは、システム開発における重要な考慮事項の一つだ。システムエンジニアは、インターオペラビリティの概念を理解し、システム設計や開発において、相互運用性を考慮した設計を行う必要がある。特に、異なるシステムとの連携が必要な場合には、技術的な互換性だけでなく、意味的な整合性や組織的な連携についても検討することが重要になる。インターオペラビリティを意識することで、より柔軟で拡張性の高いシステムを構築することができる。