イテレータ(イテレータ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

イテレータ(イテレータ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

イテレータ (イテレータ)

英語表記

iterator (イテレータ)

用語解説

イテレータとは、プログラミングにおいて、配列やリストなどのデータ構造(コレクション)の要素を順番にアクセスするための仕組みのことである。

具体的に言うと、イテレータはコレクション内の要素の位置を記憶し、次の要素を取り出す機能を提供するオブジェクトである。これにより、コレクションの内部構造を知らなくても、要素を一つずつ処理することが可能になる。

イテレータの利用は、コレクションの種類に依存しない汎用的なプログラミングを可能にする。例えば、配列、リスト、ツリー構造など、異なるデータ構造であっても、イテレータを通じて同じように要素にアクセスできる。これは、コレクションの種類ごとに異なるアクセス方法を記述する必要がないことを意味し、コードの再利用性や保守性を向上させる。

イテレータの基本的な操作は以下の通りである。

  1. 初期化: イテレータは、コレクションに関連付けられて初期化される。これにより、イテレータはコレクションの先頭要素を指し示す。

  2. 次の要素への移動: イテレータは、コレクション内の次の要素を指し示すように移動する。この操作は、通常next()のようなメソッドで行われる。

  3. 要素の取得: イテレータが指し示している要素の値を取得する。この操作は、get()current()のようなメソッドで行われることが多い。

  4. 終了判定: イテレータがコレクションの末尾に到達したかどうかを判定する。この操作は、hasNext()のようなメソッドで行われる。コレクションに次の要素が存在するかどうかを確認するために使用される。

これらの操作を組み合わせることで、コレクション内のすべての要素を順番に処理することができる。

イテレータを使用するメリットはいくつか存在する。

まず、コレクションの内部構造を隠蔽できる。イテレータを使用することで、コレクションの利用者は、コレクションがどのように実装されているかを知る必要がない。これは、コレクションの実装が変更された場合でも、イテレータを使用するコードを変更する必要がないことを意味する。

次に、複雑なデータ構造の走査を簡略化できる。例えば、ツリー構造のような複雑なデータ構造を走査する場合、イテレータを使用することで、再帰的な処理を記述する必要がなくなる場合がある。

さらに、並行処理を容易にする。イテレータを使用することで、複数のスレッドが同じコレクションを同時に処理することが可能になる。ただし、この場合は、スレッドセーフなイテレータを使用する必要がある。

多くのプログラミング言語では、イテレータを簡単に利用できるように、for-eachループなどの構文が提供されている。for-eachループは、内部的にイテレータを使用してコレクションの要素を順番に処理する。これにより、イテレータを明示的に操作する必要がなくなり、コードがより簡潔になる。

例えば、Javaでは、Iterableインターフェースを実装したクラスは、for-eachループで使用できる。Iterableインターフェースは、iterator()メソッドを提供し、このメソッドはコレクションのイテレータを返す。

Pythonでは、イテレータはiter()関数とnext()関数を使用して操作する。iter()関数は、コレクションからイテレータを作成し、next()関数は、イテレータから次の要素を取得する。

このように、イテレータは、コレクションの要素を効率的に処理するための強力なツールである。システムエンジニアを目指す上で、イテレータの概念を理解し、適切に利用できるようになることは、非常に重要である。

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