関係データベース管理システム (カンケイデータベースカンリシステム) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
関係データベース管理システム (カンケイデータベースカンリシステム) の読み方
日本語表記
関係データベース管理システム (カンケイデータベースカンリシステム)
英語表記
RDBMS (アールディービーエムエス)
関係データベース管理システム (カンケイデータベースカンリシステム) の意味や用語解説
関係データベース管理システム(RDBMS)は、データをテーブルと呼ばれる行と列で構成された構造で管理するデータベースシステムのことだ。各テーブルは特定のエンティティ(例えば、顧客、商品、注文など)に関する情報を保持し、行は個々のエンティティのインスタンス(例えば、特定の顧客、特定の商品)を表し、列はエンティティの属性(例えば、顧客の名前、商品の価格)を表す。 RDBMSの最も重要な特徴は、テーブル間の関係を定義できることだ。この関係は、主キーと外部キーという概念を用いて確立される。主キーは、テーブル内の各行を一意に識別するための列(または列の組み合わせ)であり、外部キーは、別のテーブルの主キーを参照する列だ。外部キーを使用することで、RDBMSは異なるテーブルに格納された関連データをリンクさせることができる。例えば、顧客テーブルの顧客ID(主キー)と注文テーブルの顧客ID(外部キー)を関連付けることで、特定の顧客がどの注文を行ったかを簡単に把握できる。 RDBMSは、データの整合性、一貫性、可用性を保証するために、さまざまな機能を提供する。トランザクション管理はその一つだ。トランザクションは、一連の操作を不可分なユニットとして扱う仕組みであり、すべての操作が成功するか、またはすべてがロールバックされる。これにより、データベースが常に整合性の取れた状態に保たれる。例えば、銀行口座からの送金処理は、口座からの引き落としと口座への入金の2つの操作で構成されるが、トランザクション管理によって、どちらか一方だけが実行されることを防ぐことができる。 また、RDBMSは、データの検索、挿入、更新、削除を行うための標準的な言語であるSQL(Structured Query Language)をサポートしている。SQLを使用することで、ユーザーは複雑なクエリを記述して、必要な情報を効率的に取得できる。例えば、「過去1ヶ月間に購入されたすべての商品のリスト」や「特定の顧客が過去に行ったすべての注文」などのクエリをSQLで記述できる。 RDBMSは、データの整合性を維持するための制約も提供する。制約は、テーブルのデータに適用されるルールであり、無効なデータがデータベースに挿入されるのを防ぐ。例えば、NOT NULL制約は、特定の列にNULL値が許可されないことを指定し、UNIQUE制約は、特定の列に重複した値が許可されないことを指定する。CHECK制約を使用すると、列の値が特定の条件を満たすことを要求できる。 さらに、RDBMSは、アクセス制御やセキュリティ機能も提供する。ユーザーアカウントと権限を管理することで、特定のユーザーがデータベース内のどのデータにアクセスできるかを制御できる。これにより、機密性の高いデータを不正アクセスから保護できる。 RDBMSの代表的な製品としては、Oracle Database、MySQL、Microsoft SQL Server、PostgreSQLなどがある。これらの製品は、それぞれ異なる特徴と利点を持っているが、いずれも関係データベースの原則に基づいて設計されている。 RDBMSは、Webアプリケーション、エンタープライズシステム、データウェアハウスなど、さまざまな用途で使用されている。その信頼性、スケーラビリティ、および柔軟性により、現代のITインフラストラクチャにおいて不可欠な要素となっている。システムエンジニアを目指す上で、RDBMSの理解は必須と言えるだろう。