関係演算 (カンケイエンザン) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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関係演算 (カンケイエンザン) の読み方

日本語表記

関係演算 (カンケイエンザン)

英語表記

relational operation (リレーショナルオペレーション)

関係演算 (カンケイエンザン) の意味や用語解説

関係演算とは、データベースにおけるリレーショナルモデルにおいて、テーブル(関係)に対して行われる操作のこと。具体的には、必要なデータを取り出したり、複数のテーブルを組み合わせたりする処理を指す。関係演算は、データベース操作の基本的な構成要素であり、SQLなどのデータベース言語の基盤となっている。 関係演算は、大きく分けて単項演算と二項演算に分類される。単項演算は、一つのテーブルに対して行われる演算であり、二項演算は、二つのテーブルに対して行われる演算である。 単項演算の代表的なものとしては、選択、射影、そして名前の変更がある。選択は、テーブルから特定の条件を満たす行を取り出す演算である。例えば、「年齢が20歳以上の顧客」といった条件で顧客テーブルを検索する場合に用いられる。選択演算の結果は、元のテーブルの一部分となる。射影は、テーブルから特定の列を取り出す演算である。例えば、「顧客IDと顧客名」だけを表示したい場合に用いる。射影演算の結果は、元のテーブルよりも列数が少なくなる。名前の変更は、テーブル名や列名を変更する演算である。これは、演算結果のテーブルを見やすくしたり、他のテーブルとの結合を容易にしたりするために用いられる。 二項演算の代表的なものとしては、和、差、共通部分、直積、そして結合がある。和は、二つのテーブルの行をすべて合わせた新しいテーブルを作成する演算である。ただし、和演算を行うためには、二つのテーブルが同じ列構成を持っている必要がある。差は、一方のテーブルに存在し、もう一方のテーブルには存在しない行を取り出す演算である。例えば、「A店で販売されている商品の中で、B店では販売されていない商品」を求める場合に用いられる。共通部分は、二つのテーブルの両方に存在する行を取り出す演算である。直積は、二つのテーブルのすべての行の組み合わせを作成する演算である。直積の結果は、元のテーブルの行数の積となる。結合は、二つのテーブルの関連する行を組み合わせて新しいテーブルを作成する演算である。結合には、自然結合、内部結合、外部結合など、様々な種類がある。 自然結合は、二つのテーブルに共通の列が存在する場合に、その列の値が一致する行を結合する演算である。内部結合は、結合条件を満たす行のみを結合する演算である。外部結合は、結合条件を満たさない行も結果に含める演算である。外部結合には、左外部結合、右外部結合、完全外部結合の3種類がある。左外部結合は、左側のテーブルのすべての行を結果に含め、右側のテーブルに一致する行がない場合は、右側のテーブルの列をNULL値で埋める。右外部結合は、右側のテーブルのすべての行を結果に含め、左側のテーブルに一致する行がない場合は、左側のテーブルの列をNULL値で埋める。完全外部結合は、両方のテーブルのすべての行を結果に含め、一致する行がない場合は、対応する列をNULL値で埋める。 これらの関係演算を組み合わせることで、複雑なデータ処理を行うことができる。例えば、「20歳以上の顧客の、A店で購入した商品の名前と価格」といった情報を、複数の関係演算を組み合わせることで抽出することが可能となる。SQLは、これらの関係演算を基盤としており、データベースに対する様々な操作を記述することができる。システムエンジニアは、関係演算の概念を理解することで、効率的なデータベース設計やSQLクエリの作成が可能となり、より高度なデータベースシステムを構築することができる。関係演算は、データベース技術者にとって必須の知識と言えるだろう。

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