実行時エラー (ジッコウジエラー) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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実行時エラー (ジッコウジエラー) の読み方

日本語表記

実行時エラー (ジッコウジエラー)

英語表記

Runtime error (ランタイム エラー)

実行時エラー (ジッコウジエラー) の意味や用語解説

実行時エラーとは、プログラムの実行中に発生するエラーのことである。プログラミングにおいてエラーは大きく分けて、コンパイル時エラーと実行時エラーの2種類が存在する。コンパイル時エラーは、プログラムの構文的な誤りや型の不整合など、コンパイル(翻訳)の段階で検出されるエラーを指す。一方、実行時エラーは、プログラム自体は文法的に正しくコンパイルできるものの、実際に実行してみないと発生しないエラーのことである。 実行時エラーが発生する原因は多岐にわたる。代表的なものとしては、以下のようなケースが挙げられる。 まず、存在しないファイルへのアクセスや、アクセス権限のないファイルへのアクセスなど、ファイル操作に関連するエラーがある。プログラムが特定のファイルを読み込もうとした際に、そのファイルが存在しなかったり、プログラムを実行しているユーザーがそのファイルへのアクセス権を持っていなかったりすると、エラーが発生する。 次に、ゼロ除算エラーがある。これは、数値をゼロで割るという数学的に不正な演算を行おうとした場合に発生する。多くのプログラミング言語では、ゼロ除算は実行時エラーとして扱われる。 配列の範囲外アクセスもよくあるエラーの一つだ。配列は、複数の要素を順番に格納するためのデータ構造だが、プログラムが配列のサイズを超えたインデックスを指定して要素にアクセスしようとすると、エラーが発生する。 メモリ不足エラーも実行時エラーの原因となる。プログラムが動作するために必要なメモリを確保できなくなった場合に発生する。これは、プログラムが大量のデータを処理しようとしたり、メモリリーク(メモリの解放忘れ)が発生したりした場合に起こりやすい。 NULLポインタ参照も注意が必要なエラーである。ポインタは、メモリ上のアドレスを指し示す変数だが、NULLポインタはどこも指し示していない状態を意味する。プログラムがNULLポインタを通してメモリにアクセスしようとすると、エラーが発生する。 ネットワーク接続エラーも実行時エラーの一種である。プログラムがネットワークを通じてデータを受信したり送信したりする際に、ネットワーク接続が確立できなかったり、接続が途絶えたりすると、エラーが発生する。 外部APIの呼び出し失敗も考えられる。プログラムが外部のAPI(Application Programming Interface)を呼び出す際に、APIサーバーがダウンしていたり、APIの仕様が変更されていたりすると、エラーが発生する。 ユーザーからの不正な入力も実行時エラーの原因となる。プログラムが想定していない形式のデータが入力されたり、不正な値が入力されたりすると、エラーが発生する。 実行時エラーが発生すると、プログラムは通常、異常終了する。しかし、多くのプログラミング言語には、例外処理という仕組みが用意されており、これを利用することで、エラーが発生した場合でもプログラムが完全に停止するのを防ぎ、エラー処理ルーチンに制御を移すことができる。 例外処理は、try-catchブロックを使用して記述される。tryブロック内には、エラーが発生する可能性のあるコードを記述し、catchブロック内には、発生したエラーを処理するためのコードを記述する。これにより、プログラムはエラーが発生した場合でも、適切な処理を行い、正常に実行を継続することができる。 実行時エラーを未然に防ぐためには、プログラミングの際に以下の点に注意することが重要である。 まず、入力データの検証を徹底すること。ユーザーからの入力データやファイルから読み込んだデータなど、プログラムが扱うすべてのデータについて、想定される形式や値の範囲に合致するかどうかを検証する。 次に、エラー処理を適切に実装すること。例外処理を積極的に利用し、エラーが発生した場合にプログラムが適切に対応できるようにする。 そして、十分なテストを行うこと。さまざまな入力データや実行環境を想定し、プログラムが正しく動作することを検証する。特に、境界値テストや異常系テストを入念に行うことが重要である。 デバッグツールを活用することも効果的である。デバッガを使用すると、プログラムの実行を一時停止させ、変数の値やメモリの状態を調べることができる。これにより、エラーの原因を特定しやすくなる。 ログ出力を活用することも有効な手段である。プログラムの実行中に、重要な情報やエラーメッセージをログファイルに出力するように設定することで、後からエラーの原因を調査することができる。 実行時エラーは、プログラムの信頼性を損なうだけでなく、セキュリティ上の脆弱性につながる可能性もある。したがって、実行時エラーに対する適切な対策を講じることは、システム開発において非常に重要な課題である。

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