実行時ライブラリ (ジッッコウジライブラリ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
実行時ライブラリ (ジッッコウジライブラリ) の読み方
日本語表記
実行時ライブラリ (ジッコウジライブラリ)
英語表記
runtime library (ランタイムライブラリ)
実行時ライブラリ (ジッッコウジライブラリ) の意味や用語解説
実行時ライブラリとは、プログラムが実行される際に必要となる機能を提供するコードの集まりのことだ。プログラムをコンパイル(翻訳)する段階では組み込まれず、実際にプログラムが動作する段階で初めて利用される。 より詳しく説明すると、プログラムは通常、複数の機能や部品を組み合わせて作られる。これらの機能の中には、多くのプログラムで共通して利用されるものがある。例えば、画面に文字を表示したり、キーボードからの入力を受け取ったり、ファイルを読み書きしたりする機能などがそうだ。これらの共通機能を毎回プログラムごとに個別に記述するのは非効率的なため、あらかじめ用意されたライブラリとして提供される。 コンパイル時にこれらのライブラリをプログラムに組み込むことも可能だが、そうするとプログラムのサイズが大きくなってしまう。また、ライブラリのバージョンアップがあった場合に、すべてのプログラムを再コンパイルする必要が出てくる。そこで、実行時ライブラリという仕組みを使うことで、これらの問題を解決できる。 実行時ライブラリは、プログラムの実行時に必要な時に必要な機能だけをロードして利用する。そのため、プログラムのサイズを小さく保つことができる。また、ライブラリのバージョンアップがあった場合でも、実行時ライブラリを更新するだけで、それを利用するすべてのプログラムが自動的に新しいバージョンの機能を利用できるようになる。 実行時ライブラリは、オペレーティングシステム(OS)の一部として提供される場合もあれば、特定のプログラミング言語やフレームワークの一部として提供される場合もある。例えば、Windows OSには、様々な機能を提供する実行時ライブラリが多数含まれている。また、Javaや.NETなどのプラットフォームにも、それぞれ独自の実行時ライブラリが存在する。 実行時ライブラリを利用するためには、プログラムをコンパイルする際に、どのライブラリを利用するかを明示的に指定する必要がある。指定されたライブラリは、プログラムが実行される際にOSによってロードされ、プログラムから利用できるようになる。 実行時ライブラリには、静的リンクライブラリと動的リンクライブラリ(DLL)の2種類がある。静的リンクライブラリは、コンパイル時にプログラムに組み込まれるため、プログラムのサイズは大きくなるが、実行時には外部のライブラリに依存しない。一方、動的リンクライブラリは、実行時にプログラムからロードされるため、プログラムのサイズは小さくなるが、実行時にはDLLファイルが必要となる。 システムエンジニアは、プログラム開発において、どの実行時ライブラリを利用するかを適切に判断する必要がある。適切なライブラリを選択することで、プログラムの効率性や保守性を向上させることができる。また、実行時ライブラリのバージョン管理も重要なタスクの一つだ。異なるバージョンのライブラリが混在すると、プログラムが正常に動作しないなどの問題が発生する可能性があるため、注意が必要だ。