シリアルデジタルインターフェース (シリアルデジタルインターフェース) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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シリアルデジタルインターフェース (シリアルデジタルインターフェース) の読み方

日本語表記

シリアルデジタルインターフェース (シリアルデジタルインターフェース)

英語表記

Serial Digital Interface (シリアルデジタルインターフェース)

シリアルデジタルインターフェース (シリアルデジタルインターフェース) の意味や用語解説

シリアルデジタルインターフェース(Serial Digital Interface、略称SDI)は、主にプロフェッショナルな映像制作、放送、イベントなどの分野で利用される、非圧縮のデジタル映像・音声伝送インターフェースである。その名の通り、映像および音声データをデジタル信号としてシリアル(直列)に伝送する方式を採用しており、高画質・高音質な信号を長距離かつ安定して送ることが可能である。この技術は、従来のRCA端子やBNC端子を用いるアナログ伝送方式が抱えていたノイズ耐性や信号劣化の問題を解決し、デジタル化された映像システムの基盤として広く普及してきた。 詳細について説明する。SDIにおける「シリアル」とは、データが一本の伝送路(ケーブル)上でビットごとに順序立てて、つまり直列に送られることを意味する。これは、複数のデータ線で同時にビットを伝送するパラレル方式と比較して、ケーブルの数を削減し、長距離伝送時の信号のタイミングずれ(スキュー)やノイズの影響を低減できる利点がある。また「デジタル」とは、映像や音声の信号が0と1の数値データに変換されて伝送されることを指す。アナログ信号が電圧の変化で情報を表現するのに対し、デジタル信号は数値として情報を保持するため、伝送中にノイズが混入しても元の信号を正確に復元しやすく、結果として信号劣化が極めて少ない高品質な映像・音声伝送を実現する。 SDI伝送には、主に75オームの同軸ケーブルとBNCコネクタが用いられる。同軸ケーブルは電磁ノイズに対する遮蔽性能が高く、インピーダンスが安定しているため、プロフェッショナルな環境で要求される堅牢性と信頼性、そして数十メートルから百メートルを超える長距離伝送能力を提供する。SDIは映像データだけでなく、エンベデッドオーディオと呼ばれる機能により、最大16チャンネルのデジタル音声データやタイムコード、補助データなども同じ一本の同軸ケーブルで伝送できる。これにより、配線が簡素化され、映像と音声の同期を取る作業が容易になる。 SDIには、伝送する映像の品質や帯域に応じて複数の規格が存在し、技術の進化とともに高性能化してきた。初期の標準画質(SD)映像に対応するSD-SDI(SMPTE 259M)は、270Mbpsの伝送速度を持ち、アナログ映像からデジタル映像への移行を促した。その後、高画質(HD)映像の普及に伴い、約1.485GbpsでHD映像を伝送するHD-SDI(SMPTE 292M)が登場し、プロフェッショナル市場で広く標準として採用された。さらに、フルHD(1080p)映像をサポートするために、約2.97Gbpsの伝送速度を持つ3G-SDI(SMPTE 424M)が開発され、より高精細な映像制作に対応した。近年の4K UHD映像への需要の高まりを受けて、約5.94Gbpsの6G-SDI(SMPTE ST 2081)や、約11.88Gbpsで4K UHD映像を一本のケーブルで伝送可能な12G-SDI(SMPTE ST 2082)が登場している。これらの規格は上位互換性を持つことが多く、多くの機器が複数のSDI規格に対応しているため、既存の設備との接続性も考慮されている。 SDIの主な利点は、非圧縮のデジタル信号であるため画質や音質の劣化が非常に少なく、安定した高品質伝送が可能であること、同軸ケーブルを使用することで比較的安価に長距離伝配線が可能であること、そしてプロフェッショナル用途での相互運用性が高く、多くの機器で採用されていることである。しかしながら、4Kや8Kといったさらなる超高解像度映像の普及や、IPネットワークを利用した映像伝送技術(例えばSMPTE ST 2110)の進化に伴い、SDIの役割も変化しつつある。それでも、その高い信頼性と実績から、SDIは現在でも多くの映像システムにおいて重要なインターフェースとして活用され続けている。

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