ステアリングコミッティ (ステアリングコミッティ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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ステアリングコミッティ (ステアリングコミッティ) の読み方

日本語表記

ステアリングコミッティ (ステアリングコミッティ)

英語表記

Steering Committee (ステアリングコミッティ)

ステアリングコミッティ (ステアリングコミッティ) の意味や用語解説

ステアリングコミッティとは、プロジェクトやプログラムが組織全体の戦略目標と合致し、円滑に進行しているかを監督し、重要な意思決定を行うための高レベルな会議体である。主にITプロジェクトにおいて、その規模や重要性から経営層や各部門の責任者が集まり、戦略的な方向性を定め、発生する重大な課題やリスクに対応する役割を担う。プロジェクトの成功に向けて、上位視点からのガバナンスを確立することがその主目的と言える。システムエンジニア(SE)を目指す者が直接参加することは稀だが、ステアリングコミッティの意思決定がプロジェクトの進捗や自身の業務に大きな影響を与えるため、その存在意義と役割を理解しておくことは非常に重要だ。 詳細として、ステアリングコミッティの具体的な役割、構成員、そしてプロジェクトマネジメントにおける位置づけについて解説する。ステアリングコミッティの役割は多岐にわたるが、最も重要なのはプロジェクトの戦略的な方向付けと、それに伴う資源の配分、そしてリスク管理である。具体的には、プロジェクトの目標がビジネス戦略と整合しているかを確認し、必要に応じて目標の修正を承認する。また、プロジェクトの予算承認や進捗の定期的なレビューを行い、計画からの逸脱がある場合には、その原因を究明し、是正措置を指示する。プロジェクトの進行中に予期せぬ重大なリスクが顕在化した場合や、プロジェクトチーム内で解決できないレベルの課題が発生した際には、ステアリングコミッティが最終的な意思決定を下し、必要な権限やリソースを割り当てる。これにより、プロジェクトが適切な方向に進み続け、ビジネス価値を最大化できるよう支援する。 ステアリングコミッティの構成員は、プロジェクトの性質や規模によって異なるが、一般的にはプロジェクトスポンサー(プロジェクトのビジネス価値に責任を持つ最高責任者)、関連する事業部門の責任者(ユーザー部門の代表)、IT部門の責任者(技術的な実現可能性やIT戦略への適合性に責任を持つ者)、財務部門の責任者(予算管理や投資対効果の観点から)、そして場合によっては経営層の代表などが含まれる。これらのメンバーは、それぞれの専門分野や立場から多角的にプロジェクトを評価し、バランスの取れた意思決定を可能にする。例えば、事業部門の責任者はビジネス要求の視点から、IT部門の責任者は技術的な実現可能性と既存システムとの整合性の視点から意見を述べ、総合的な判断が下される。 プロジェクトマネージャーは、ステアリングコミッティに対してプロジェクトの進捗状況、課題、リスク、今後の計画などを定期的に報告する。ステアリングコミッティは、この報告に基づいて戦略的な判断を下し、プロジェクトマネージャーに指示を与える。プロジェクトマネージャーは日常的なプロジェクト管理の責任を負うが、高レベルな意思決定や組織横断的な調整が必要な場面では、ステアリングコミッティの支援と承認を仰ぐことになる。このように、ステアリングコミッティはプロジェクトマネージャーの権限を超える事項について決裁を行う上位組織として機能し、プロジェクトのガバナンス構造の中核をなす。SEは直接会議に参加する機会は少ないかもしれないが、ステアリングコミッティの承認によってプロジェクトのスコープが変更されたり、予算やスケジュールが見直されたりすることは頻繁に起こり得る。そのため、自身が関わるプロジェクトの上位の意思決定プロセスを理解することは、予期せぬ変更に柔軟に対応し、より効果的に業務を遂行するために不可欠である。プロジェクトが最終的に成功するかどうかは、このステアリングコミッティが適切に機能し、タイムリーかつ的確な意思決定を行えるかどうかに大きく依存すると言える。

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