厳密等価演算子 (ゲンスミツトウカエンザンシ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
厳密等価演算子 (ゲンスミツトウカエンザンシ) の読み方
日本語表記
厳密等価演算子 (ゲンミツトウカエンザンシ)
英語表記
strict equality operator (ストリクト・イコール・オペレーター)
厳密等価演算子 (ゲンスミツトウカエンザンシ) の意味や用語解説
厳密等価演算子(strict equality operator)は、プログラミングにおいて、二つの値が「厳密に等しい」かどうかを判定するために使用される演算子である。JavaScriptやPHPなどの多くのプログラミング言語に存在する。 概要として、厳密等価演算子は、等価演算子(equality operator)と比較して、より厳格な比較を行う点が特徴である。等価演算子は、比較する前に必要に応じて型変換を行うのに対し、厳密等価演算子は型変換を行わない。そのため、型が異なる値同士を比較した場合、厳密等価演算子は必ず「等しくない」と判定する。 詳細について説明する。厳密等価演算子は、通常 `===` (イコール3つ)で表される。`a === b` という式は、「aとbが厳密に等しい」場合に `true` を返し、そうでない場合は `false` を返す。 厳密等価演算子による比較は、以下の手順で行われる。 1. **型のチェック:** まず、aとbの型が同じであるかどうかを確認する。型が異なる場合、厳密等価演算子は `false` を返す。例えば、数値の `1` と文字列の `"1"` は型が異なるため、`1 === "1"` は `false` となる。 2. **値のチェック:** 型が同じである場合、aとbの値が等しいかどうかを確認する。値が等しい場合、厳密等価演算子は `true` を返す。値が異なる場合、`false` を返す。例えば、数値の `1` と数値の `1` は型も値も同じであるため、`1 === 1` は `true` となる。 具体的な例をいくつか示す。 * `5 === 5` は `true` を返す。両方とも数値であり、値も等しい。 * `"hello" === "hello"` は `true` を返す。両方とも文字列であり、値も等しい。 * `true === true` は `true` を返す。両方とも真偽値であり、値も等しい。 * `null === null` は `true` を返す。両方とも `null` である。 * `undefined === undefined` は `true` を返す。両方とも `undefined` である。 * `1 === "1"` は `false` を返す。型が異なるため。 * `0 === false` は `false` を返す。型が異なるため。 * `null === undefined` は言語によって異なる場合があるが、一般的には `false` を返す。 厳密等価演算子の反対は、厳密不等価演算子(strict inequality operator)であり、`!==` (エクスクラメーションマークとイコール2つ)で表される。`a !== b` という式は、「aとbが厳密に等しくない」場合に `true` を返し、そうでない場合は `false` を返す。これは、`!(a === b)` と同じ意味になる。 厳密等価演算子は、予期せぬ型変換によるバグを防ぐために、等価演算子よりも推奨されることが多い。特に、JavaScriptのような動的型付け言語では、変数の型が実行時に変化する可能性があるため、厳密等価演算子を使用することで、より安全なコードを書くことができる。 システムエンジニアを目指す上で、厳密等価演算子と等価演算子の違いを理解し、適切な場面で使い分けることは重要である。特に、テストコードを書く際には、厳密等価演算子を使用することで、より正確なテストを行うことができる。