サードレベルドメイン (サードレベルドメイン) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
サードレベルドメイン (サードレベルドメイン) の読み方
日本語表記
サードレベルドメイン (サードレベルドメイン)
英語表記
third-level domain (サードレベルドメイン)
サードレベルドメイン (サードレベルドメイン) の意味や用語解説
サードレベルドメインは、インターネット上の住所であるドメイン名の一部分を指す。ドメイン名は、「.」(ドット)で区切られた階層構造を持っており、右に行くほど大きな範囲を示す。最も右端がトップレベルドメイン(TLD)と呼ばれ、その左隣がセカンドレベルドメイン(SLD)、さらにその左隣がサードレベルドメインとなる。例えば、「www.example.com」というドメイン名の場合、「.com」がトップレベルドメイン、「example」がセカンドレベルドメイン、そして「www」がサードレベルドメインに該当する。このサードレベルドメインは、特定のWebサイトやサービス、組織内の部門などを区別するために利用されるのが一般的である。 ドメイン名はインターネット上でコンピュータを識別するための重要な要素であり、その階層構造を理解することは、システムエンジニアを目指す上で不可欠な知識である。ドメイン名は、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)によって管理され、その下位の組織やレジストラを通じて各ドメインが登録される。 まず、ドメイン名の階層構造をより詳しく見ていく。 一番右端のトップレベルドメイン(TLD)には、「.com」(商用)、「.org」(組織)、「.net」(ネットワーク)のような汎用TLD(gTLD)と、「.jp」(日本)、「.uk」(イギリス)のような国コードTLD(ccTLD)が存在する。 その左隣のセカンドレベルドメイン(SLD)は、ユーザーや企業が取得する最も基本的なドメイン名である。「example.com」や「google.co.jp」の「example」や「google」がこれに当たる。日本のccTLD「.jp」の下では、「co.jp」(企業)、「ne.jp」(ネットワークサービス)のように、セカンドレベルドメイン自体が属性を示す場合もある。 そして、そのセカンドレベルドメインの左隣に位置するのがサードレベルドメインである。「blog.example.com」の「blog」や、「sales.example.com」の「sales」がこれに該当する。多くのケースで、サードレベルドメインはサブドメインとも呼ばれる。 サードレベルドメインの最も一般的な役割は、セカンドレベルドメインの下で、特定のコンテンツやサービス、部門を区別することにある。 例えば、企業が「example.com」というセカンドレベルドメインを取得した場合、その企業は自社の様々なサービスや部門に対して、以下のようなサードレベルドメインを割り当てることができる。 - **www.example.com**: 企業のメインウェブサイト。これは最も普及しているサードレベルドメインで、ウェブサイトを示す慣習的な記号として広く認識されている。 - **blog.example.com**: 企業のブログサイト。メインサイトとは独立したコンテンツを提供する場合に利用される。 - **shop.example.com**: オンラインストアやECサイト。 - **support.example.com**: 顧客サポート用のウェブページやヘルプデスク。 - **mail.example.com**: メールの送受信に使用するサーバー。 - **dev.example.com**: 開発部門や開発環境用のサイト。 - **tokyo.example.com**: 複数地域に展開する企業が、地域ごとの情報を発信するサイト。 このように、サードレベルドメインを利用することで、一つのセカンドレベルドメインの下で複数のWebサイトやサービスを論理的に分離し、それぞれに独立したコンテンツや機能を持たせることが可能となる。これにより、大規模なWebサービスや企業システムにおいて、サイト構造の整理と管理が容易になる。 サードレベルドメインは、セカンドレベルドメインの所有者が自由に設定・管理できるという特徴を持つ。ドメインレジストラを通じてセカンドレベルドメインを取得すると、そのドメインに対するDNS(Domain Name System)レコードを管理する権限が与えられる。このDNS管理パネルを利用して、セカンドレベルドメインの所有者は、AレコードやCNAMEレコードといったDNSレコードを設定し、任意のサードレベルドメインを作成し、それを特定のIPアドレスや別のドメイン名に関連付けることができる。例えば、「blog.example.com」を特定のサーバーのIPアドレスに紐付けたり、別のブログサービスのURLに転送したりする設定が可能である。通常、サードレベルドメインの作成や維持に追加費用は発生せず、セカンドレベルドメインの年間維持費用に含まれる。 システムエンジニアとして、ドメインの階層構造を理解し、サードレベルドメインを適切に設計・利用する能力は非常に重要である。これは、システムの拡張性、管理のしやすさ、そしてユーザーエクスペリエンスに直接影響を与える。例えば、将来的に新しいサービスを追加する際に、既存のドメイン構造を大きく変更することなく、新しいサードレベルドメインを作成して対応できる。また、それぞれのサードレベルドメインに異なるサーバーやアプリケーションを割り当てることで、システムの負荷分散やセキュリティ対策をより細かく管理することも可能となる。 インターネット上のリソースにアクセスする際、URL(Uniform Resource Locator)やメールアドレスの形式でドメイン名を見ることが多い。例えば、メールアドレス「info@example.com」にはサードレベルドメインが含まれていないが、「user@sales.example.com」のように部署を特定するサードレベルドメインが含まれる場合もある。これらの利用シーンを理解することは、ネットワークインフラの設計やトラブルシューティングを行う上で役立つ。 サードレベルドメインは、セカンドレベルドメインをさらに細分化し、組織やサービスの構造を明確にするための柔軟な仕組みを提供する。システム開発や運用において、この階層構造を意識した設計を行うことで、より堅牢で管理しやすいシステムを構築できる。