アッパースネークケース(アッパースネークケース)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
アッパースネークケース(アッパースネークケース)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
アッパースネークケース (アッパースネークケース)
英語表記
UPPER_SNAKE_CASE (アッパー・スネーク・ケース)
用語解説
アッパースネークケースとは、プログラミングにおける命名規則の一つで、複数の単語をアンダースコア(_)で区切り、さらにすべての文字を大文字で記述する方法のことである。
具体的には、「this_is_a_sample_name」のような文字列を、アッパースネークケースで表現すると「THIS_IS_A_SAMPLE_NAME」となる。スネークケースという命名規則を大文字にしたものがアッパースネークケースであると考えると理解しやすい。
命名規則は、プログラムの可読性を高め、チーム開発における認識のずれを防ぐために重要である。アッパースネークケースは、主に定数(プログラムの実行中に値が変わらない変数)の命名に用いられることが多い。定数を大文字で記述することにより、変数がプログラム中で変更されないことを明確に示し、誤った変更を防ぐことができる。
例えば、円周率を格納する定数であれば、「PI = 3.14」と記述するよりも「PI = 3.14」と記述する方が、定数であることが一目でわかる。また、設定ファイルなどに記述される設定項目名なども、アッパースネークケースで記述されることが多い。例として、データベースの接続情報を記述する際、「DATABASE_HOST = 'localhost'」、「DATABASE_PORT = 3306」のように記述することが挙げられる。このように、アッパースネークケースは、プログラムの設定に関する値を定義する際に、その値が変更されるべきでないことを示す役割も担う。
他の命名規則としては、キャメルケースやパスカルケースなどが存在する。キャメルケースは、複数の単語を連結し、2つ目以降の単語の先頭を大文字にする命名規則で、例えば「thisIsASampleName」のように記述する。パスカルケースは、キャメルケースと同様に複数の単語を連結するが、最初の単語の先頭も大文字にする。例えば「ThisIsASampleName」のように記述する。これらの命名規則は、変数の種類やプログラミング言語、プロジェクトのコーディング規約によって使い分けられる。
アッパースネークケースを使用するメリットとしては、まず可読性の向上が挙げられる。大文字とアンダースコアの組み合わせは、単語の区切りを明確にし、特に長い名前の場合でも容易に内容を把握できる。また、定数であることを視覚的に示すことで、誤った変更を防ぎ、プログラムの安定性を高めることができる。さらに、多くのプログラミング言語やフレームワークで広く採用されているため、他の開発者との間で共通認識を持ちやすい。
一方、デメリットとしては、他の命名規則と比較してタイプ量が多くなり、記述が煩雑になる場合がある。特に、短い変数名や関数名には適していない。また、すべて大文字で記述するため、目が疲れやすいという意見もある。しかし、定数の命名という限られた範囲で使用するのであれば、これらのデメリットは十分に許容範囲内であると考えられる。
アッパースネークケースを採用するかどうかは、プロジェクトの規模やチームのコーディング規約、個々の開発者の好みによって異なる。しかし、定数の命名規則としてアッパースネークケースを理解しておくことは、プログラミングにおける基本的な知識として重要である。特に、大規模なプロジェクトやチーム開発においては、統一された命名規則に従うことで、コードの品質を向上させ、開発効率を高めることができる。
システムエンジニアを目指す上で、アッパースネークケースをはじめとする様々な命名規則を理解し、適切に使い分けることは、可読性が高く、保守性の高いコードを書くための第一歩となる。