ウォードライビング(ウォードライビング)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

ウォードライビング(ウォードライビング)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

ウォードライビング (ウォードライビング)

英語表記

wardriving (ワードライビング)

用語解説

ウォードライビングとは、無線LAN(Wi-Fi)のアクセスポイントを探索するために、自動車などの移動手段を用いて電波を探し回る行為を指す。

ウォードライビングの目的は様々だが、主に以下の点が挙げられる。まず、セキュリティ対策が不十分なアクセスポイントの発見だ。暗号化が設定されていなかったり、WEPのような脆弱な暗号化方式が使用されていたりするアクセスポイントを見つけ出し、悪意のある第三者が不正にネットワークへ侵入できる状態であるかを確認する。

次に、アクセスポイントの設置状況の調査だ。特定の地域におけるアクセスポイントの数や、それぞれの電波強度、設置場所などを把握することで、無線LANの利用状況や普及度を調査できる。また、特定の企業の無線LAN環境の調査を目的とすることもある。

さらに、自身の無線LAN環境の改善を目的とすることもある。自宅周辺のアクセスポイントの状況を把握することで、自身のアクセスポイントのチャンネル設定や設置場所を最適化し、より安定した通信環境を構築できる。

ウォードライビングは、専用のソフトウェアやハードウェアを用いて行う。ソフトウェアとしては、WiGLE (Wireless Geographic Logging Engine) のような、アクセスポイントの情報を収集し、データベースに登録するものが一般的だ。これらのソフトウェアは、アクセスポイントのSSID(Service Set Identifier:ネットワーク名)、MACアドレス(Media Access Control address:ネットワーク機器固有の識別番号)、暗号化方式、電波強度、位置情報などを記録する。ハードウェアとしては、GPS受信機や高性能な無線LANアダプタなどが用いられる。GPS受信機は、アクセスポイントの位置情報を正確に記録するために使用され、高性能な無線LANアダプタは、より広範囲のアクセスポイントを検出するために使用される。

ウォードライビングの手順は、まず、自動車などの移動手段に、ソフトウェアをインストールしたノートパソコン、GPS受信機、無線LANアダプタなどを設置する。次に、ソフトウェアを起動し、アクセスポイントの探索を開始する。ソフトウェアは、周囲のアクセスポイントを自動的に検出し、情報を記録していく。この際、GPS受信機によって、アクセスポイントの位置情報も同時に記録される。最後に、収集したデータを解析し、セキュリティ対策が不十分なアクセスポイントや、設置状況などを把握する。

ウォードライビングを行う上で注意すべき点がある。まず、不正アクセス行為の禁止だ。発見したアクセスポイントに無許可で接続したり、ネットワークへ侵入したりする行為は、不正アクセス禁止法に違反する可能性がある。ウォードライビングはあくまで、アクセスポイントの情報を収集する行為にとどめるべきだ。次に、プライバシーの侵害の防止だ。アクセスポイントのSSIDには、個人の氏名や住所などが含まれている場合がある。これらの情報を不特定多数に公開したり、悪用したりする行為は、プライバシーの侵害にあたる可能性がある。収集した情報は適切に管理し、プライバシー保護に配慮する必要がある。

ウォードライビングは、倫理的な問題も孕んでいる。例えば、個人の住宅に設置されたアクセスポイントの情報を収集し、公開することは、プライバシー侵害とみなされる可能性がある。また、企業が設置したアクセスポイントの情報を収集し、競合他社に提供することは、不正競争行為とみなされる可能性もある。ウォードライビングを行う際には、これらの倫理的な問題にも十分配慮する必要がある。

ウォードライビングは、無線LANのセキュリティに関する知識を深める上で有効な手段となり得る。実際にアクセスポイントを探索し、セキュリティ対策の状況を把握することで、無線LANの脆弱性や対策方法をより深く理解できる。また、自身の無線LAN環境のセキュリティ対策を見直すきっかけにもなる。

近年では、スマートフォンの普及に伴い、ウォードライビング専用のソフトウェアが登場している。これらのソフトウェアは、スマートフォンのGPS機能や無線LAN機能を活用し、手軽にアクセスポイントの情報を収集できる。しかし、スマートフォンのバッテリー消費が激しい点や、GPSの精度が低い点など、注意すべき点もある。

ウォードライビングは、無線LANのセキュリティに関する知識を深める上で有用な手段だが、不正アクセスやプライバシー侵害などのリスクも伴う。ウォードライビングを行う際には、関連法規や倫理的な問題に十分配慮し、適切な範囲で行う必要がある。また、収集した情報の管理には細心の注意を払い、プライバシー保護に努めることが重要だ。