【ITニュース解説】Arduino Project 05

2025年09月03日に「Dev.to」が公開したITニュース「Arduino Project 05」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Arduinoプロジェクトで、コードを理解し自力で書く学習のコツを解説。回路は図でなく論理的に配線し、コーディングはドキュメント参照と試行錯誤を重視する。動かない時はコード再読み込みも有効。コンデンサがサーボのジッター除去に役立つことも学ぶ。

出典: Arduino Project 05 | Dev.to公開日:

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す初心者が、電子工作とプログラミングの学習を通してどのような経験をするのか、具体的なプロジェクトを例に解説する。ここでは、Arduinoを使ってサーボモーターを制御するプロジェクトを通じて得られた知識や気づきを中心に説明していく。

Arduinoプロジェクトを始める際、ただ指示通りに作業するのではなく、自分が何をしているのかを深く理解することが重要だ。このプロジェクトの著者は、C++でのコーディング経験があるため、Arduinoの学習においても、書籍のコードをそのままコピーするのではなく、まずそのコードが何を行っているのかを把握し、それから自分自身で解決策をコーディングするという学習方法をとっている。これは、単に動けばよいというだけでなく、仕組みを理解し、応用できる力を養う上で非常に有効なアプローチだ。

まず、回路の組み立てから始まる。書籍に掲載されている回路図やイラストを参考にしながら、ブレッドボードと呼ばれる基板に部品やワイヤを接続していく。しかし、ここで注意が必要なのは、本の写真と実物のワイヤの色や配置が必ずしも一致しない場合があるということだ。例えば、サーボモーターに付属しているワイヤの色が、本のイラストと異なることがある。このような場合でも、見た目にとらわれず、それぞれのワイヤが論理的に正しい場所に接続されているかを丁寧に確認することが肝心だ。また、サーボモーターにはメス型のコネクタが付いている場合があり、そのままではブレッドボードに接続できない。このような時は、ヘッダーピンと呼ばれるオス型の端子を追加して接続できるようにする。このように、部品の特性に合わせて適切な処置を施すことも、電子工作においては重要なスキルである。

回路が正しく組み上がったことを確認したら、いよいよプログラミングの段階に入る。ここでは、書籍のコーディングセクションを読み込み、コードがどのような処理を行うのか、その意図を記述していく。その上で、書籍のコードを見ずに、自分の言葉で記述した内容をもとにプログラムを作成する。学習中はArduinoの公式ドキュメントだけを参照し、書籍のコードは参考にしない。これは、構文や命令の使い方を自力で習得するための訓練だ。

コーディングを進める中で、変数名や関数名の付け方についても考察が述べられている。かつては、コンピュータの画面が小さく、入力補完機能もなかったため、短く簡潔な名前が好まれた時期もあった。しかし、現代では、コードが何をしているのかを明確に示せるような、長くても記述的な名前が推奨される傾向にある。これは「自己記述的なコード」と呼ばれ、後からコードを読んだり修正したりする際に、その意図を理解しやすくするための工夫だ。このプロジェクトの著者も、この考え方を取り入れ、理解しやすい変数名を使っている。

実際にコーディングする中で、いくつかのつまずきと学びがあった。初期のコードでは、ポテンショメーター(抵抗値を変化させることで電圧を調整する部品)の値を読み取るために、誤ってmyServo.read()というサーボモーターの関数を使っていた。しかし、ポテンショメーターの値は、アナログ入力ピンから読み取る必要があるため、これは間違いだ。そこで、Arduinoのドキュメントを参照し、analogRead()という関数を使うべきだと気づき、修正した。analogRead()は、アナログピンに接続されたセンサーなどからの電圧を数値として読み取るための関数だ。

また、const intint constのように、変数の型と定数指定の順序が異なることで、どちらが正しいのか迷うことがあった。この経験を通じて、正しい記述方法が身についたという。このような小さな間違いから、プログラミング言語の細かなルールを深く理解していくのは、学習の典型的なプロセスだ。

さらに、このプロジェクトではmap()関数が重要な役割を果たす。ポテンショメーターから読み取れる値は0から1023の範囲だが、サーボモーターが動ける角度は0度から179度までだ。そこでmap()関数を使うと、0から1023の範囲の値を、0から179の範囲の値に変換できる。これは、ある入力範囲の値を、別の出力範囲に合わせるために非常に便利な機能だ。例えば、ポテンショメーターを回して中間点に設定すると、map()関数によってサーボモーターも中間角度に設定されることになる。この変換によって、アナログセンサーの値を、モーターの制御範囲に合わせることが可能になる。

コードが完成し、Arduinoにアップロードしていざ動作確認をしてみると、サーボモーターが全く動かないというトラブルが発生した。シリアルモニターで値を確認すると、おかしな数値が表示される。著者は配線ミスを疑ったが、解決には至らなかった。ここで思い出したのは、Arduinoには以前のプログラムが残っていることがあるという点だ。そこで、一度全く別のプログラムをロードしてから、改めて今回のプログラムをロードし直すという方法を試した。すると、今度はサーボモーターが正常に動作し始めたのだ。これは、Arduino内部のプログラムが正しくリフレッシュされ、新しいコードが確実に適用されたためと考えられる。このようなトラブルシューティングの経験は、システムエンジニアの仕事において非常に重要で、予期せぬ問題に直面した際に、様々な可能性を考慮して原因を特定し、解決に導く力を養うことになる。

最後に、このプロジェクトで使われているコンデンサという電子部品について、その役割を深く理解する機会があった。最初はなぜコンデンサが必要なのかわからなかったが、調べてみると、コンデンサは電気を一時的に蓄える役割を持つことがわかった。一時的に電力が供給されなくなった場合でも、コンデンサに蓄えられた電気が供給されることで、電源電圧の変動を抑え、モーターの動作が不安定になる「ジッター」を防ぐ効果があるのだ。

コンデンサについてさらに詳しく学ぶと、電圧は回路の二点間の電位差を示し、静電容量はファラドという単位で測られること、そして回路基板では通常マイクロファラド(µF)という小さな単位が使われることが理解できた。また、コンデンサには「定格電圧」があり、これはそのコンデンサが安全に扱える最大の電圧を示している。この定格電圧を超えて使用すると、コンデンサが破損したり、最悪の場合爆発したりする危険性があるため、部品選定の際には非常に重要な情報となる。

このプロジェクトを通して、電子回路の組み立て、プログラミング、トラブルシューティング、そして新しい部品の学習と、システムエンジニアが直面するであろう様々なフェーズを経験できた。単に課題を解決するだけでなく、その過程でなぜそうなるのか、どうすればより良くなるのかを深く考察する姿勢は、これからの学習や実務において大いに役立つだろう。

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