【ITニュース解説】AvePoint Japan、クラウド管理サービス19件がISMAPに登録

2025年09月04日に「ZDNet Japan」が公開したITニュース「AvePoint Japan、クラウド管理サービス19件がISMAPに登録」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

AvePoint Japanは、法人向けクラウド管理サービス19件が、政府情報システム向けのセキュリティ評価制度ISMAPに登録されたと発表した。これにより、政府機関でも安心して利用できるサービスとして認められた。

ITニュース解説

ニュース記事によると、AvePoint Japanという会社が提供するクラウド管理サービス「AvePoint Online Services」に含まれる19のサービスが、「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」に登録されたと発表された。これは、IT業界、特にクラウドサービスを利用・提供する企業にとって重要な意味を持つ出来事である。

まず、このニュースの主役である「AvePoint Japan」と、彼らが提供する「クラウド管理サービス」について簡単に説明する。AvePoint Japanは、法人向けにクラウドサービスの管理プラットフォームを提供している企業だ。今日の多くの企業は、日々の業務にMicrosoft 365(旧Office 365)やSalesforceのような様々なクラウドサービスを利用している。これらのサービスは非常に便利だが、複数のサービスを個別に管理することは、企業のIT部門にとって大きな負担となることがある。例えば、従業員が利用するクラウドサービスのアクセス権限の設定、膨大なデータのバックアップ、セキュリティ対策、社内規定や法規制への準拠(コンプライアンス)の確保など、多くの管理業務が発生する。AvePointのクラウド管理サービスは、そうした複雑な管理作業を一元的に、そして効率的に行えるようにするためのツールやプラットフォームだ。具体的には、クラウド上のデータのバックアップと復元、データ移行、アクセス権限の管理、監査ログの収集、情報漏洩リスクの監視といった機能を提供し、企業のクラウド利用をより安全で効率的なものにする役割を担っている。

次に、「ISMAP(イスマップ)」という制度について掘り下げてみよう。これは「Information system Security Management and Assessment Program」の略で、日本語では「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度」という。なぜこのような制度が必要なのかというと、政府機関が利用する情報システムは、国家の機密情報や国民の個人情報など、極めて重要なデータを取り扱うため、非常に高いセキュリティが求められるからだ。近年、政府機関でもクラウドサービスの活用が進んでいるが、外部のクラウドサービスを利用する際に、そのサービスが国の求めるセキュリティ基準を確実に満たしているかを確認する仕組みが必要となる。ISMAPは、まさにその目的のために国が定めた制度だ。 ISMAPに登録されるためには、クラウドサービス事業者は、国の定める厳格なセキュリティ基準(例えば、情報セキュリティ管理体制、物理的セキュリティ、論理的セキュリティ、運用セキュリティなど多岐にわたる項目)を満たしているかを、第三者機関による詳細な評価と監査を受ける必要がある。この評価プロセスは非常に厳しく、一度登録された後も継続的にセキュリティレベルが維持されているかを確認される。つまり、ISMAPに登録されたサービスは、「政府機関が安心して利用できる、高いセキュリティレベルが保証されたクラウドサービスである」というお墨付きを得たことになるのだ。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このような政府が定めるセキュリティ基準や認証制度の存在は、ITサービスの選定や設計、運用において非常に重要な考慮事項となることを理解しておく必要がある。

今回のニュースは、AvePoint Japanの提供する19のクラウド管理サービスが、このISMAPに登録されたというものだ。これはAvePoint Japanにとって、ビジネス上の大きな進展を意味する。なぜなら、ISMAPに登録されたことで、彼らのサービスが政府機関や地方公共団体でもセキュリティ面で信頼できるものとして利用可能になったからだ。政府機関がクラウドサービスを導入する際には、ISMAP登録が必須、あるいは強く推奨される要件となることが多いため、今回の登録はAvePointにとって新たな顧客層への扉を開くこととなる。 また、政府機関だけでなく、一般企業にとってもISMAP登録は重要な意味を持つ。多くの企業もまた、クラウドサービスのセキュリティに高い関心を持っている。ISMAPに登録されたサービスは、政府レベルの厳しいセキュリティ基準をクリアしていると認定されているため、企業のIT担当者がクラウドサービスを選定する際の有力な判断基準となる。つまり、ISMAP登録サービスを選ぶことで、自社が利用するクラウドサービスのセキュリティレベルが高いという安心感を得られるのだ。 システムエンジニアとして、企業のITインフラやシステムを設計・構築・運用する立場になった際、セキュリティは常に最優先事項の一つとなる。どのクラウドサービスを導入すべきか、どのようなセキュリティ対策を施すべきかを検討する上で、ISMAPのような公的な認証制度は、サービスの信頼性や安全性を評価するための重要な指標となることを覚えておこう。このニュースは、クラウドサービスのセキュリティがどれほど重要であるか、そしてそのセキュリティをどのように評価し、保証していくべきかを示す一例と言えるだろう。 クラウドサービスの利用が拡大する中で、ISMAPのようなセキュリティ評価制度の役割はますます大きくなる。今回のAvePointのISMAP登録は、企業がクラウドをより安全に利用するための選択肢が増えたことを示しており、今後のクラウドサービス市場の健全な発展にも寄与するだろう。