【ITニュース解説】6 browser-based attacks all security teams should be ready for in 2025
2025年09月04日に「BleepingComputer」が公開したITニュース「6 browser-based attacks all security teams should be ready for in 2025」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
2025年に注意すべきブラウザ経由の攻撃は、フィッシング、ClickFix、悪意あるOAuthアプリや拡張機能など多様化。従業員が業務アプリにアクセスする場所が狙われるため、セキュリティ対策が重要になる。攻撃の入り口となるブラウザの防御を強化する必要がある。
ITニュース解説
この記事では、2025年にセキュリティチームが特に注意すべき6種類のブラウザを介した攻撃について解説する。近年、ブラウザはサイバー攻撃の主要な標的となっており、従業員が業務上重要なアプリケーションにアクセスする場所を直接狙う攻撃が増加している。
まず、フィッシングキットについて。これは、攻撃者が本物そっくりの偽サイトを簡単に作成できるようにするツールセットのことだ。フィッシング攻撃は、ユーザー名、パスワード、クレジットカード情報などの機密情報を騙し取ることを目的とする。フィッシングキットを使用することで、専門知識のない攻撃者でも高度なフィッシング詐欺を仕掛けることが可能になる。対策としては、従業員へのセキュリティ意識向上トレーニング、多要素認証の導入、そして不審なメールやウェブサイトに対する警戒が重要となる。
次に、ClickFixと呼ばれる攻撃手法だ。これは、ユーザーに気づかれないように、意図しない操作を実行させる手口を指す。例えば、ユーザーがウェブサイト上のボタンをクリックした際に、実際には別の悪意のあるリンクをクリックさせてしまうといったものだ。ClickFix攻撃を防ぐためには、ウェブサイトのセキュリティ設定を強化し、コンテンツセキュリティポリシー(CSP)などを適切に設定することが有効だ。
悪意のあるOAuthアプリも深刻な脅威だ。OAuthは、ユーザーが自分のアカウント情報を共有せずに、他のアプリケーションにアクセス権を与えるための仕組みだ。しかし、攻撃者はこの仕組みを悪用し、ユーザーに許可を求める際に、実際には個人情報を盗み出すようなアプリを配布することがある。OAuthアプリの許可を与える際には、アプリの提供元や要求される権限を慎重に確認する必要がある。また、不要なOAuthアプリのアクセス権は定期的に見直して削除することが望ましい。
悪意のあるブラウザ拡張機能も警戒すべき対象だ。ブラウザ拡張機能は、ブラウザの機能を拡張するために使用される小さなプログラムだが、攻撃者はこれを利用して、ユーザーの閲覧履歴を盗み取ったり、広告を表示させたり、マルウェアをインストールしたりすることがある。対策としては、信頼できる提供元からの拡張機能のみをインストールし、拡張機能に必要以上の権限を与えないように注意することが重要だ。また、インストールされている拡張機能を定期的に見直し、不要なものは削除するように心がけよう。
さらに、ブラウザ内でのデータ漏洩も深刻な問題だ。これは、ウェブサイトやアプリケーションのセキュリティ上の欠陥を悪用して、ユーザーの機密情報が外部に漏洩してしまうことを指す。例えば、クロスサイトスクリプティング(XSS)やSQLインジェクションなどの脆弱性が悪用されることで、攻撃者がユーザーのクッキーやセッション情報を盗み出し、アカウントを乗っ取ったり、個人情報を不正に入手したりする可能性がある。ウェブアプリケーションの開発者は、これらの脆弱性を修正するために、安全なコーディングプラクティスを遵守し、定期的なセキュリティテストを実施する必要がある。
最後に、サプライチェーン攻撃のブラウザへの影響も考慮する必要がある。これは、攻撃者がソフトウェアやサービスのサプライチェーン全体を標的とし、セキュリティの弱い部分を突破口にして攻撃を仕掛ける手口だ。例えば、ウェブサイトで使用されているJavaScriptライブラリに脆弱性があった場合、その脆弱性を悪用して、ウェブサイトにアクセスしたユーザーのブラウザに悪意のあるコードを注入することができる。サプライチェーン攻撃を防ぐためには、使用しているソフトウェアやライブラリのセキュリティアップデートを常に最新の状態に保ち、信頼できる提供元からのもののみを使用するように心がけることが重要だ。
これらの攻撃から身を守るためには、セキュリティチームは、従業員へのセキュリティ意識向上トレーニングを実施し、多要素認証を導入し、ウェブアプリケーションのセキュリティを強化し、ブラウザ拡張機能を適切に管理し、ソフトウェアやライブラリのセキュリティアップデートを常に最新の状態に保つ必要がある。また、セキュリティインシデントが発生した場合に備えて、適切なインシデントレスポンス計画を策定し、定期的な訓練を実施することも重要となる。ブラウザを介した攻撃は常に進化しているため、セキュリティチームは常に最新の脅威情報を収集し、対策を更新していく必要がある。