【ITニュース解説】JavaScriptランタイムのBunがユニバーサルなデータベースクライアントに。Bun.SQL命令ででMySQL/PosgrerSQL/SQLiteをサポート

2025年09月05日に「Publickey」が公開したITニュース「JavaScriptランタイムのBunがユニバーサルなデータベースクライアントに。Bun.SQL命令ででMySQL/PosgrerSQL/SQLiteをサポート」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

JavaScriptランタイムBunがv1.2.21でMySQL/PostgreSQL/SQLiteをサポート。Bun.SQL命令で、これらのデータベースへ簡単にアクセス可能になった。これにより、JavaScriptから様々なデータベースを扱うのが容易になり、開発効率向上が期待される。初心者でも扱いやすいデータベースクライアントだ。

ITニュース解説

Bun v1.2.21のリリースによって、JavaScriptランタイムであるBunが、MySQL、PostgreSQL、SQLiteといった主要なデータベースを、単一のBun.SQL命令で操作できるようになった。これは、これまでデータベースの種類ごとに異なるクライアントライブラリを使い分け、それぞれ記述する必要があった手間を大幅に削減する画期的な機能だ。システムエンジニアを目指す初心者にとって、この変更は開発の効率化を理解する上で非常に重要となる。

従来、JavaScriptでデータベースを操作する場合、例えばMySQLを操作するにはmysql、PostgreSQLを操作するにはpgといった、それぞれのデータベースに対応した専用のNode.jsパッケージ(ライブラリ)をインストールする必要があった。そして、それぞれのパッケージが提供するAPI(Application Programming Interface:プログラム同士がやり取りするための規約)に従って、接続、クエリの発行、結果の取得などの処理を記述する必要があった。このため、異なる種類のデータベースを扱う場合、それぞれのAPIを習得し、コードを書き換える必要があり、開発者の負担となっていた。

Bun.SQLは、このような問題を解決するために導入された。Bun.SQLを使うことで、どのデータベースを操作する場合でも、同じようにSQLクエリを実行できる。これは、データベースの種類を意識することなく、一貫した方法でデータベース操作を行えることを意味する。

具体的にどういうことかというと、例えば、データベースに接続する際、接続文字列(データベースの場所や認証情報を示す文字列)を指定するだけで、Bun.SQLが自動的に適切なドライバ(データベースと通信するためのソフトウェア)を選択し、接続を確立してくれる。そして、SQLクエリを実行する際も、同じBun.SQL命令を使うだけで、データベースの種類に合わせてクエリを送信し、結果をJavaScriptのオブジェクトとして受け取ることができる。

この機能がシステムエンジニアにとって重要な理由はいくつかある。まず、学習コストの削減だ。これまで、新しいデータベースを扱うたびに専用のクライアントライブラリの使い方を学ぶ必要があったが、Bun.SQLを使えば、一度Bun.SQLの使い方を覚えれば、異なる種類のデータベースを扱う場合でも、同じ知識を応用できる。

次に、開発効率の向上だ。データベースの種類ごとに異なるコードを書く必要がなくなるため、コードの再利用性が高まり、開発期間を短縮できる。また、コードがシンプルになるため、バグが発生しにくく、保守も容易になる。

さらに、移植性の向上だ。異なるデータベース間でアプリケーションを移行する場合、従来はデータベースアクセス部分のコードを大幅に書き換える必要があったが、Bun.SQLを使えば、接続文字列を変更するだけで、ほとんどのコードを変更せずに移行できる。

ただし、Bun.SQLはすべてのデータベース機能を網羅しているわけではない。特定のデータベース固有の機能を使いたい場合は、やはり専用のクライアントライブラリを使う必要がある。しかし、一般的なCRUD(Create, Read, Update, Delete:データの作成、読み取り、更新、削除)操作など、多くのデータベース操作はBun.SQLで十分に対応できる。

Bun.SQLの登場は、JavaScriptを使ったデータベース開発をより身近なものにし、システムエンジニアの生産性を向上させる可能性を秘めている。特に、これからシステムエンジニアを目指す人にとって、Bun.SQLは、データベースの知識を効率的に習得し、実践的な開発スキルを身につけるための強力なツールとなるだろう。積極的に活用し、データベース操作の基本をマスターすることで、より高度なシステム開発に挑戦できるはずだ。