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【ITニュース解説】ccxt / ccxt

2025年09月17日に「GitHub Trending」が公開したITニュース「ccxt / ccxt」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

ccxtは、JavaScriptやPythonなど多様な言語で仮想通貨取引を行うためのAPIだ。100以上の取引所に対応し、プログラムから自動で仮想通貨の売買や情報取得が可能になる。システム開発の効率化に役立つツールだ。

出典: ccxt / ccxt | GitHub Trending公開日:

ITニュース解説

ccxtというライブラリは、暗号資産(仮想通貨)の取引をプログラミングによって自動化するための強力なツールである。これは、JavaScript、TypeScript、Python、C#、PHP、Goといった多岐にわたるプログラミング言語に対応し、世界中の100以上の暗号資産取引所のAPI(Application Programming Interface)を統一された方法で扱えるように設計されている。システムエンジニアを目指す初心者にとって、このライブラリは、実際のビジネスや金融分野におけるプログラミングの応用例を理解し、実践的なスキルを磨く上で非常に価値のある題材となるだろう。

まず、暗号資産取引とプログラミングの関係について理解を深めよう。暗号資産の取引は、通常、各取引所が提供するWebサイトやスマートフォンアプリを通じて手動で行われる。しかし、市場は常に変動しており、瞬時の判断や高速な処理が求められる場面も多い。このような状況で、人間が手動で全ての取引を行うことは非効率的であり、限界がある。そこで登場するのが、プログラミングによる自動化だ。プログラムを使って取引所のシステムと直接連携し、価格の監視、注文の実行、ポートフォリオの管理などを自動で行うことで、より迅速かつ正確な取引が可能になる。

ここで重要な役割を果たすのがAPIである。APIは、ソフトウェア同士が互いにコミュニケーションを取り、機能やデータをやり取りするための窓口や規約を指す。例えば、あるWebサービスが別のWebサービスの機能を利用したい場合、APIを通じてリクエストを送信し、その結果を受け取ることで連携が実現する。暗号資産取引所も、それぞれ独自のAPIを提供しており、開発者はこのAPIを通じて取引所のシステムにアクセスし、口座情報の取得、通貨の売買注文、取引履歴の照会といった操作をプログラムから実行できる。

しかし、問題がある。世界には数多くの暗号資産取引所が存在し、それぞれの取引所が提供するAPIの仕様はバラバラであるという点だ。ある取引所のAPIではデータ取得に「get_order_book」という関数を使うかもしれないが、別の取引所では「fetch_market_depth」という異なる名前の関数を使うかもしれない。また、認証方法やエラーの処理方法なども取引所ごとに異なるのが一般的だ。もし開発者が複数の取引所で動作する自動売買システムを構築しようとすれば、それぞれの取引所ごとに異なるAPIの仕様を学習し、それに対応するコードを記述する必要がある。これは非常に手間がかかり、開発の大きな障壁となる。

ccxtは、この問題を解決するために開発されたライブラリである。ccxtは、100を超える多様な暗号資産取引所のAPIを抽象化し、統一されたシンプルなインターフェースで提供する。つまり、開発者は一度ccxtの使い方を覚えれば、その知識を多くの異なる取引所に適用できるのだ。個々の取引所のAPI仕様の複雑さに悩まされることなく、共通のメソッド(関数)を使って注文を出したり、市場データを取得したりできる。例えば、どの取引所に対しても「fetch_balance()」という共通のメソッドで残高を取得し、「create_order()」というメソッドで注文を作成するといった具合だ。これにより、開発効率が飛躍的に向上し、より複雑で高度な取引システムを短期間で構築することが可能になる。

さらに、ccxtがJavaScript、TypeScript、Python、C#、PHP、Goといった非常に多くのプログラミング言語に対応している点も特筆すべきだ。これは、様々なプログラミングスキルを持つシステムエンジニアが、自身の得意な言語でこのライブラリを利用できることを意味する。例えば、Webアプリケーション開発でJavaScriptやTypeScriptに慣れているエンジニアは、その知識を活かしてccxtを用いた取引ツールやデータ分析アプリケーションを開発できる。データサイエンスや機械学習の分野で人気の高いPythonを使っているエンジニアも、同様にccxtを活用して高度な自動売買戦略を実装できる。この多言語対応は、ccxtの利用範囲を広げ、より多くの開発者が暗号資産の自動取引システム構築に参加しやすい環境を提供していると言える。

ccxtの具体的な利用シーンは多岐にわたる。最も一般的なのは、自動売買ボットの作成だ。特定の取引戦略(例えば、移動平均線が交差したら購入し、指定の利益が出たら売却する、といったルール)をプログラムに組み込み、24時間365日、市場を監視しながら自動で取引を行わせることができる。また、異なる取引所間の価格差を利用して利益を得る「裁定取引(アービトラージ)」のシステムを構築することも可能だ。ある取引所で安く購入し、別の取引所で高く売却する、といった一連の操作をプログラムで高速に実行できる。他にも、複数の取引所の価格データをリアルタイムで収集・分析して可視化するツールや、自身のポートフォリオを複数の取引所にまたがって一元的に管理するアプリケーションなど、様々なシステムの基盤としてccxtを活用できる。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、ccxtは単なるライブラリ以上の意味を持つ。これは、抽象化の概念、APIの設計、多言語対応の重要性、そしてオープンソースプロジェクトの活用といった、ソフトウェア開発における重要な原則を実践的に学ぶ絶好の機会を提供する。GitHubのようなプラットフォームで公開されているオープンソースプロジェクトは、世界中の開発者が協力してソフトウェアを改善していく典型的な例であり、ccxtもその一つだ。このようなプロジェクトに参加したり、コードを読んで学習したりすることで、実際の開発現場で求められるスキルや知識を効率的に習得できる。暗号資産という比較的新しい分野において、プログラミングスキルを活かして現実世界の課題を解決し、新しい価値を創造できる可能性がccxtには秘められているのだ。