【ITニュース解説】「ChatGPT」の「プロジェクト」機能、無料ユーザーにも提供開始

OpenAIが提供する対話型AI「ChatGPT」のプロジェクト機能が、無料ユーザーでも利用可能になった。この機能は、ChatGPTを利用する際に、テーマや目的ごとにチャット履歴や関連資料を整理し、管理するのに役立つ。特に、システムエンジニア（SE）を目指す初心者にとって、この機能は学習やプロジェクト活動を効率化するための強力なツールとなる可能性がある。

従来のChatGPTでは、過去のチャット履歴が時系列順に表示されるため、特定のテーマに関するやり取りを後から見つけ出すのが難しい場合があった。例えば、プログラミングの学習中に複数の言語やフレームワークについて質問したり、異なるシステム設計に関するアイデアを検討したりする場合、それぞれのチャットが混ざり合い、必要な情報を見つけるのに手間がかかることがあった。

プロジェクト機能を利用することで、これらの課題を解決できる。ユーザーは、例えば「Python入門」「Webアプリケーション開発」「データベース設計」といったプロジェクトを作成し、それぞれのプロジェクトに関連するチャットを分類して保存できる。これにより、特定のテーマに関する情報を探す際に、関連するチャット履歴だけを効率的に参照できるようになる。

さらに、プロジェクト機能では、参考資料をプロジェクトごとに保存することも可能だ。システムエンジニアの学習においては、技術ドキュメント、サンプルコード、設計書など、多くの資料を参照する必要がある。これらの資料をプロジェクトに関連付けて保存することで、必要な情報にすぐにアクセスできるようになり、学習効率が向上する。例えば、「Webアプリケーション開発」プロジェクトには、使用するフレームワークのドキュメントや、参考となるWebサイトのURL、過去に作成した設計書などを保存できる。

システムエンジニアが実際のプロジェクトで業務を行う際にも、この機能は有用だ。要件定義、設計、開発、テストといった各フェーズで、ChatGPTを使って様々な情報を収集したり、アイデアを検討したりすることが考えられる。プロジェクト機能を利用すれば、これらの情報をフェーズごと、タスクごとに整理し、チームメンバーと共有することも容易になる。

具体的な利用例として、要件定義フェーズでは、顧客との打ち合わせ内容や要件定義書をプロジェクトに保存し、ChatGPTを使って要件の不明点を明確化したり、実現可能性を検討したりすることができる。設計フェーズでは、システム構成図やデータベーススキーマなどを保存し、ChatGPTを使って設計の妥当性を検証したり、代替案を検討したりすることができる。開発フェーズでは、ソースコードやテストケースを保存し、ChatGPTを使ってコードのデバッグやテストの自動化を試すことができる。

無料ユーザーでもプロジェクト機能が利用できるようになったことで、ChatGPTをより身近に、そして効果的に活用できるようになった。システムエンジニアを目指す初心者は、この機能を積極的に活用し、学習やプロジェクト活動を効率化することで、スキルアップを目指せる。

ただし、無料版のChatGPTには利用制限があるため、プロジェクト機能の利用頻度や保存できるデータ量には注意が必要だ。より多くの機能やデータ容量が必要な場合は、有料プランへのアップグレードを検討する必要がある。

プロジェクト機能の登場によって、ChatGPTは単なる対話型AIではなく、システムエンジニアにとって不可欠なツールへと進化しつつあると言える。