【ITニュース解説】CPaaSのAI機能を使って電話受付業務を作成しよう[後編]

2024年10月08日に「Gihyo.jp」が公開したITニュース「CPaaSのAI機能を使って電話受付業務を作成しよう[後編]」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

CPaaSで電話受付業務システムを作る後編。Vonage AI StudioのOpenAI連携機能を使い、応答メールの文面を自動生成する機能を組み込む方法を解説。これにより、受付業務を効率化し、顧客対応の質を向上させることが可能になる。システム開発の初心者でも、AIを活用した電話受付システムの構築を学べる内容。

ITニュース解説

この記事では、CPaaS(Communication Platform as a Service)のAI機能を活用して、電話受付業務を自動化する方法を解説している。特に、Vonage AI StudioというプラットフォームにあるOpenAIとの連携機能に着目し、応答メールの文面生成を自動化する手順を具体的に説明している。

まず、CPaaSとは何かを簡単に説明する。CPaaSは、クラウド上で提供されるコミュニケーションプラットフォームで、APIを通じて様々なコミュニケーション機能(音声通話、SMS、ビデオ通話など)をアプリケーションに組み込むことができるサービスだ。これにより、企業は自社でインフラを構築・維持する必要なく、柔軟かつ迅速にコミュニケーション機能を導入できる。

Vonage AI Studioは、Vonage社が提供するCPaaSの一部であり、AIを活用したコミュニケーションアプリケーションの開発を支援するツール群だ。今回の記事では、このAI StudioにあるOpenAIとの統合機能を利用する。OpenAIは、GPT(Generative Pre-trained Transformer)などの大規模言語モデルを開発している企業で、テキスト生成、翻訳、要約など、様々な自然言語処理タスクを実行できる。

前編では、電話受付業務のコールフロー全体の設計について解説した。具体的には、電話がかかってきた際に、どのような応答メッセージを流し、どのような選択肢を提示し、どのように担当者へ転送するかといった、一連の流れを定義する。この記事(後編)では、そのコールフローにAI機能を組み込み、応答メールの文面を自動生成する部分に焦点を当てている。

具体的に、どのような手順で応答メールの文面生成を自動化するのか。記事では、まず、Vonage AI Studio上で、OpenAIのAPIを呼び出すための設定を行う。この設定では、OpenAIのAPIキーや、どのようなプロンプト(指示文)をOpenAIに送るかを定義する。プロンプトは、OpenAIにどのようなテキストを生成させたいかを指示するための重要な要素だ。例えば、「電話の受付内容を要約し、丁寧な言葉遣いで感謝の意を伝えるメールの文面を作成してください」といった具体的な指示を記述する。

次に、電話受付業務のコールフローの中で、OpenAIのAPIを呼び出す箇所を特定する。例えば、顧客からの電話を受け付けた後、顧客が伝えた情報をテキストデータとして取得し、そのテキストデータをOpenAIに送信する。OpenAIは、受信したテキストデータに基づいて、事前に定義したプロンプトに従い、応答メールの文面を生成する。生成された文面は、自動的に顧客に送信される。

この記事では、この一連の流れを、具体的なコードや設定例を交えて解説している。特に、プロンプトの書き方については、より自然で適切な応答メールを生成するために、様々なテクニックを紹介している。例えば、顧客が伝えた情報を要約するだけでなく、顧客の名前や会社名などをメールに含めることで、よりパーソナライズされた印象を与えることができる。

また、OpenAIのAPIを利用する際には、APIの使用料金が発生する。そのため、記事では、APIの使用量を抑えるための工夫や、APIの使用状況を監視する方法についても触れている。例えば、プロンプトを最適化することで、OpenAIが処理するテキスト量を減らし、APIの使用料金を抑えることができる。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、この記事は、CPaaSやAIといった最新技術を、具体的な業務にどのように応用できるのかを学ぶための良い入門となるだろう。単に技術的な知識を学ぶだけでなく、実際の業務フローを自動化することで、業務効率を向上させる方法を理解することができる。

さらに、OpenAIのAPIを利用する際には、セキュリティ対策も重要となる。顧客の個人情報などの機密情報をOpenAIに送信する際には、データの暗号化やアクセス制御などの対策を講じる必要がある。記事では、セキュリティ対策の重要性についても言及している。

まとめると、この記事は、Vonage AI StudioとOpenAIを連携させることで、電話受付業務における応答メールの文面生成を自動化する方法を解説している。システムエンジニアを目指す初心者は、この記事を通じて、CPaaSやAIといった最新技術を業務に応用する方法や、APIの使用料金やセキュリティ対策といった実務的な知識を学ぶことができる。