【ITニュース解説】Daily DSA and System Design Journal - 6
2025年09月04日に「Dev.to」が公開したITニュース「Daily DSA and System Design Journal - 6」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
システムの可用性を高めるパターンとして、冗長化、レプリケーション、フェイルオーバー、負荷分散、サーキットブレーカー、リトライ、レート制限、キャッシュ、キュー、データベースシャーディングを紹介。 各パターンは、障害発生時のシステム維持に役立つ。 DSAでは、ローマ数字を整数に変換する問題に取り組み、辞書を使ったマッピングと条件分岐で解決した。
ITニュース解説
今回の記事では、システム設計における可用性パターンと、データ構造とアルゴリズム(DSA)に関する課題について解説する。システムエンジニアを目指す上で重要な知識なので、ぜひ理解を深めてほしい。
まず、可用性パターンについて説明する。可用性とは、システムが継続的にサービスを提供できる能力のことだ。システムが停止してしまうと、ユーザーはサービスを利用できなくなり、ビジネスに大きな影響を与える可能性がある。そのため、システムを設計する際には、可用性を高めるための様々な工夫が必要となる。可用性パターンは、そうした工夫を実現するための具体的な方法を示すものだ。
記事では、代表的な可用性パターンとして、冗長化、レプリケーション、フェイルオーバー、ロードバランシング、サーキットブレーカー、リトライメカニズム、レート制限、キャッシュ、キュー、データベースシャーディングの10個を紹介している。
冗長化は、システムの構成要素を複数用意することで、一部の要素が故障してもシステム全体が停止しないようにする手法だ。アクティブ/パッシブ構成では、通常時はアクティブな要素が処理を行い、故障時にはパッシブな要素が引き継ぐ。アクティブ/アクティブ構成では、複数の要素が同時に処理を行い、負荷分散も実現する。N+1冗長化は、必要な要素数に加えて予備の要素を用意することで、より高い可用性を実現する。
レプリケーションは、データを複数のサーバーに複製することで、データの可用性を高める手法だ。同期レプリケーションでは、全てのサーバーにデータが書き込まれるまで処理が完了しないため、データの整合性が保たれるが、遅延が大きくなる。非同期レプリケーションでは、一部のサーバーへの書き込みが遅れても処理が完了するため、高速だが、データの整合性が損なわれる可能性がある。
フェイルオーバーは、主となるサーバーが故障した場合に、自動的にバックアップサーバーに切り替える仕組みだ。スプリットブレインという、複数のサーバーが同時にアクティブになってしまう問題を避ける必要がある。自動フェイルオーバーと手動フェイルオーバーがあり、定期的なテストが重要となる。
ロードバランシングは、複数のサーバーにリクエストを分散させることで、特定のサーバーに負荷が集中するのを防ぎ、システム全体の可用性とパフォーマンスを向上させる手法だ。ラウンドロビン、最小接続、IPハッシュなど、様々なアルゴリズムがある。
サーキットブレーカーは、故障したサービスへのアクセスを一時的に遮断することで、連鎖的な障害を防ぐ手法だ。通常時はClosed状態だが、エラーが発生するとOpen状態になり、一定時間後にHalf-Open状態になる。Half-Open状態では、一部のリクエストを許可して、サービスが復旧したかどうかを確認する。
リトライメカニズムは、一時的なエラーが発生した場合に、処理を自動的に再試行する仕組みだ。指数バックオフやジッターを使用することで、再試行が集中するのを防ぐ。再試行される処理は、冪等性を持つ必要がある。
レート制限は、一定時間内に処理できるリクエスト数を制限することで、システムの過負荷を防ぐ手法だ。トークンバケットやリーキーバケットなどのアルゴリズムがある。DoS攻撃やリソースの枯渇を防ぐ。
キャッシュは、頻繁にアクセスされるデータを高速なストレージに保存することで、応答時間を短縮し、システムのパフォーマンスを向上させる手法だ。クライアントサイドキャッシュ、サーバーサイドキャッシュ、CDNなどがある。キャッシュの無効化や削除戦略が重要となる。
キューは、処理を非同期化することで、システムの可用性とスケーラビリティを向上させる仕組みだ。RabbitMQ、Kafka、Amazon SQSなどのツールがある。
データベースシャーディングは、大規模なデータベースを複数の小さなデータベースに分割することで、パフォーマンスと可用性を向上させる手法だ。適切なシャーディングキーを選択し、クロスシャードクエリを処理する必要がある。
次に、DSAに関する課題について説明する。今回の記事では、ローマ数字を整数に変換する問題を扱っている。
この問題では、まず、ローマ数字と整数の対応関係を定義する必要がある。例えば、'I'は1、'V'は5、'X'は10、'L'は50、'C'は100、'D'は500、'M'は1000に対応する。
次に、文字列を左から右に走査し、現在の文字が次の文字よりも小さい場合は、次の文字から現在の文字を引いた値を合計に加算する。それ以外の場合は、現在の文字に対応する値を合計に加算する。
例えば、"XIV"という文字列の場合、まず、'X'(10)と'I'(1)を比較する。'X'は'I'よりも大きいので、10を合計に加算する。次に、'I'(1)と'V'(5)を比較する。'I'は'V'よりも小さいので、5から1を引いた4を合計に加算する。したがって、"XIV"は14となる。
記事では、この問題を解くためのPythonコードが示されている。このコードでは、辞書を使ってローマ数字と整数の対応関係を定義し、whileループを使って文字列を走査している。
このように、システム設計とDSAは、システムエンジニアにとって不可欠な知識だ。今回の記事を通して、可用性パターンとローマ数字変換問題を理解し、システムエンジニアとしてのスキルアップに役立ててほしい。