【ITニュース解説】Dapper no .NET: simplicidade e performance no acesso a dados

2025年09月03日に「Dev.to」が公開したITニュース「Dapper no .NET: simplicidade e performance no acesso a dados」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Dapperは、.NETでデータベースへアクセスする際のライブラリだ。Entity Frameworkより軽量で、自分で書いたSQLの実行結果をC#オブジェクトへ高速に変換する。少ないコードで高性能なデータアクセスを実現し、シンプルさが求められる開発現場で役立つ。

ITニュース解説

.NETアプリケーションを開発する際、データベースと連携してデータを保存したり読み込んだりする機能は非常に重要である。そのための手段として、一般的に「Entity Framework」という強力なツールがよく利用される。Entity Frameworkは、データベース操作をC#のオブジェクト操作として行えるようにする「ORM(Object-Relational Mapping)」という技術を提供する。これにより、開発者はSQLというデータベース特有の言語を直接書く機会を減らし、C#のコードでデータの取得や更新、削除などを行えるため、開発効率が向上するという大きなメリットがある。しかし、Entity Frameworkはその多機能さゆえに、時に複雑な構成や、パフォーマンス面でのオーバーヘッドが発生する場合がある。特に、非常に高速なデータアクセスが求められるような場面や、すでに熟練した開発者が手書きのSQLクエリを最大限に活用したいと考えるようなケースでは、その複雑さが足かせとなることがある。

そこで注目されるのが「Dapper」というライブラリである。Dapperは、世界的に有名なQ&Aサイト「Stack Overflow」のチームによって開発されたオープンソースのライブラリで、「マイクロORM」として知られている。ORMとは前述の通りオブジェクトとリレーショナルデータベース間のマッピングを行う技術だが、「マイクロ」とつくのは、Entity Frameworkのようなフル機能のORMと比較して、その役割をデータマッピングに絞り込んでいるためである。Dapperは、C#のオブジェクトをSQLクエリの結果に、あるいはC#オブジェクトのプロパティをSQLクエリのパラメータに、シンプルかつ高速に変換することに特化している。データベースのスキーマ変更を自動的に管理するマイグレーション機能や、複雑なLINQクエリの自動変換といった高度な機能は持たないが、その分、非常に軽量で高速に動作するという特徴がある。

DapperはNuGetという.NET向けのパッケージ管理システムを通じて簡単にプロジェクトに追加できる。プロジェクトのコマンドラインから「dotnet add package Dapper」と入力するだけで、すぐに利用を開始できる。

具体的な使用方法を、簡単な例を交えながら説明する。仮に、データベースに「Products」という商品情報を格納するテーブルが存在し、そのテーブルが「Id」(商品ID)、「Name」(商品名)、「Price」(価格)という列を持っているとする。C#アプリケーション側では、この商品情報を扱うために「Product」というクラスを定義する。このクラスには、データベースの列に対応する「Id」「Name」「Price」というプロパティが定義されている。

Dapperを使ってデータベースから商品データを取得する最も基本的な方法は、SQLクエリを直接記述することから始まる。例えば、すべての商品情報を取得するSQLクエリは「SELECT * FROM Products」となる。DapperはこのSQLクエリを実行し、その結果を先ほどの「Product」クラスのオブジェクトリストとして受け取ることができる。具体的なコードでは、まずデータベースへの接続を確立し、その接続オブジェクトに対してDapperの拡張メソッドである「Query<T>()」を呼び出す。この「Query<Product>()」メソッドにSQLクエリ文字列を渡すと、DapperはSQLを実行し、取得した各行のデータを自動的に「Product」オブジェクトにマッピングして返してくれる。最終的に「ToList()」を呼び出すことで、複数の「Product」オブジェクトを含むリストとしてデータを受け取れる。これにより、たった数行のコードで、データベースの複雑な操作をC#のオブジェクトとして扱えるようになる。

データの挿入も同様にシンプルである。例えば、新しい商品をデータベースに登録する場合、まず「INSERT INTO Products (Name, Price) VALUES (@Name, @Price)」というSQLクエリを定義する。このSQLクエリには「@Name」や「@Price」といったパラメータが含まれている。次に、挿入したい新しい商品の情報を持つ「Product」オブジェクトを作成する。Dapperでは、このSQLクエリと「Product」オブジェクトを「Execute()」メソッドに渡すだけで、自動的に「Product」オブジェクトの「Name」プロパティの値をSQLクエリの「@Name」パラメータに、また「Price」プロパティの値を「@Price」パラメータに結び付けて(バインドして)くれる。これにより、開発者はSQLのパラメータを手動で設定する手間なく、C#オブジェクトを通じて直感的にデータを挿入できる。

Dapperを利用する主なメリットはいくつかある。第一に、その「シンプルさ」である。前述の例のように、データベース操作のためのコード量が非常に少なく、開発者はSQLの記述に集中できる。第二に、「パフォーマンス」である。Dapperは、.NETが提供する最も基本的なデータベースアクセスメカニズムである「ADO.NET」に非常に近い速度で動作する。これは、DapperがEntity Frameworkのような高度な抽象化レイヤーを持たず、SQLクエリを直接実行するため、オーバーヘッドが極めて少ないことによる。第三に、「柔軟性」である。開発者は自由にSQLクエリを記述できるため、データベース固有の高度な機能を利用したり、複雑な結合クエリやサブクエリを最大限に最適化したりすることが可能である。そして最後に、「統合の容易さ」が挙げられる。Dapperは既存のEntity Frameworkを使用しているプロジェクトにも、パフォーマンスがボトルネックとなっている特定のクエリ部分のみDapperに置き換えるといった形で、簡単に組み込むことができる。

Dapperは、特に以下のようなシナリオでその真価を発揮する。高いパフォーマンスが絶対的に求められるアプリケーションや、既にSQLクエリが豊富に用意されており、それを最大限に活用したいプロジェクトには最適である。また、Entity Frameworkのようなフル機能のORMが提供する全ての機能が不要な小規模から中規模のアプリケーション、あるいは高速な応答が求められるマイクロサービスやAPI、バックグラウンドで実行されるデータ処理ジョブなどにもDapperは非常に適している。

ただし、Dapperにも不向きなケースがある。例えば、関連するデータを必要になった時に自動的に読み込む「遅延読み込み(Lazy Loading)」の機能や、データベースのスキーマ変更をコードから管理する「マイグレーション」の機能はDapperにはない。また、SQLを一切書かずにC#のLINQクエリのみでデータベース操作を完結させたい場合など、高度なLINQ機能が必要な場合もDapperは適していない。これらの機能が必要な場合は、引き続きEntity Frameworkのようなフル機能のORMが強力な選択肢となる。

結論として、Dapperは、開発者がSQLクエリに対する完全な制御を保ちながら、ADO.NETで直接データベースを操作する際の冗長なコード記述を避けたいと考える場合に理想的なソリューションである。パフォーマンス、コードのシンプルさ、そして開発の生産性という三つの要素を高いレベルでバランスさせているため、特定の要件を持つ.NETプロジェクトにおいて、Dapperは非常に強力で魅力的なデータベースアクセスの手段となり得る。もしあなたのプロジェクトが高速なデータアクセスを必要とし、SQLクエリを直接書くことに抵抗がないのであれば、Dapperを試してみる価値は十分にある。