【ITニュース解説】Dado que decidimos vivir en sociedad, todos los días depositamos nuestra confianza en terceros: el…

私たちは、日常生活のほとんどの場面で、意識的あるいは無意識のうちに「第三者」への信頼を前提に行動している。例えば、銀行にお金を預けるのは、銀行が私たちの資産を安全に管理してくれると信頼しているからだ。オンラインで買い物をするときは、決済サービスやECサイトの運営者が個人情報を適切に扱い、注文した商品が届くと信頼している。政府が発行する身分証明書や法律も、その制度が公正に機能すると信じているからこそ、社会が成り立っていると言える。

しかし、この「信頼」というものは、しばしば裏切られることがある。銀行が破綻したり、オンラインサービスから個人情報が流出したり、政府や組織が不正を働いたりといったニュースは、私たちが日々目にする出来事だ。信頼していた第三者が期待に応えられなかったり、悪意を持って行動したりする時、その影響は甚大になる。私たちが当然と考えていた安全や秩序が崩れ去り、混乱が生じる可能性もある。

現在の多くのデジタルシステムや社会の仕組みは「中央集権型」で構築されている。これは、特定の強力な組織やサーバー、あるいはシステムが、すべての情報や取引を一元的に管理し、検証するという形だ。例えば、ほとんどのSNSは特定の企業がユーザーのデータや投稿を管理しているし、銀行は顧客の預金や取引履歴を管理している。この中央集権型システムは、効率的で管理がしやすく、迅速な意思決定が可能という利点がある。しかし、同時に大きな弱点も抱えている。その唯一の管理主体がハッキングされたり、システム障害を起こしたりすれば、サービス全体が停止したり、情報が漏洩したりするリスクがある。また、管理主体が絶対的な権力を持つため、不透明な運用が行われたり、ユーザーのデータが同意なく利用されたりする可能性も否定できない。ユーザーは、その中央集権的な組織の決定や技術的な安全性に、全面的に依存せざるを得ない状態なのだ。

この中央集権型システムが抱える「信頼の脆さ」という根本的な課題に対し、新たな解決策として注目されているのが「ブロックチェーン」という技術である。ブロックチェーンは、これまでのシステムの考え方を根本から覆し、特定の第三者への信頼を必要としない「分散型」の仕組みを提案している。簡単に言えば、情報を一か所で管理するのではなく、ネットワークに参加している多数のコンピューターがそれぞれ同じ情報を持ち、互いに検証し合うことで、システム全体の信頼性を確保しようという技術だ。

ブロックチェーンの最も重要な特徴は、その名前の通り、データが「ブロック」という単位でまとめられ、それが「チェーン」のようにつながっていく点にある。一つのブロックには複数の取引情報などが記録され、そのブロックが完成すると、新しいブロックがその前に追加される。そして、新しいブロックには前のブロックの内容を示す情報（ハッシュ値など）が含まれるため、一度記録された情報を後から改ざんすることは極めて難しい。仮に途中のブロックの内容を改ざんしようとしても、その後の全てのブロックの内容を同時に改ざんしなければならないため、事実上不可能に近い。これが「不変性」と呼ばれる性質である。

さらに、このデータは特定のサーバーだけに存在するわけではない。ブロックチェーンネットワークに参加しているすべてのコンピューター（ノードと呼ばれる）が、同じブロックチェーンのコピーを持っている。これが「分散型台帳」の考え方だ。新しい取引が起こると、それがネットワーク全体に伝えられ、多くのノードがその取引が正しいかどうかを検証する。そして、多数のノードが合意に達して初めて、新しいブロックとしてブロックチェーンに追加される。この「合意形成」の仕組み（例えばビットコインで採用されているプルーフ・オブ・ワークなど）があるため、一部の悪意ある参加者が不正な情報を記録しようとしても、ネットワーク全体の合意を得られないため、それが受け入れられることはない。

このような仕組みにより、ブロックチェーンは「透明性」と「検閲耐性」を実現する。すべての取引は公開され、誰でもその履歴を検証できる（ただし、個人を特定する情報は通常匿名化されている）。そして、特定の組織がデータを改ざんしたり、削除したり、特定の取引を拒否したりすることが極めて困難になる。これは、特定の「人」や「組織」への信頼ではなく、「数学と暗号技術に裏打ちされたプロトコル（ルール）」への信頼に置き換わることを意味する。これが「トラストレス（信頼不要）」なシステムと呼ばれる所以である。つまり、私たちはもはや銀行やSNS運営企業を盲目的に信頼する必要はなくなり、システムそのものが公正であることを技術的に保証してくれる状態を目指しているのだ。

ブロックチェーン技術がもたらす可能性は非常に大きい。金融分野では、中央銀行や銀行を介さずに個人間で直接通貨をやり取りできる「DeFi（分散型金融）」が発展し、国境を越えた送金や資産の管理がより安価に、迅速に行えるようになりつつある。また、所有権を証明するデジタル資産である「NFT（非代替性トークン）」は、デジタルアートやゲームアイテムの分野で新たな経済圏を生み出している。サプライチェーン管理においては、製品がどこで生産され、どのような経路で消費者に届いたのかをブロックチェーン上で追跡することで、偽造品対策や透明性の向上に役立つ。さらに、個人情報やデジタルIDを中央集権的なデータベースではなく、個人が自身で管理する仕組みや、インターネットのあり方を根本から変える「Web3」といった概念とも深く結びついている。特に「スマートコントラクト」と呼ばれる機能は、特定の条件が満たされた場合に自動的に実行される契約をブロックチェーン上にプログラムできるもので、これにより、第三者を介さずに契約の自動履行を技術的に保証することが可能になる。これは、これまで弁護士や公証人といった中間者を必要としていた多くの取引の形を変える可能性を秘めている。

もちろん、ブロックチェーン技術にはまだ多くの課題がある。ネットワークの処理速度や、環境負荷の高い合意形成アルゴリズム、使い慣れないユーザーインターフェース、そして技術の発展に追いつかない法整備の遅れなどが挙げられる。また、すべての問題をブロックチェーンで解決できるわけではなく、既存のシステムとどのように共存していくかという現実的な課題も残っている。

しかし、ブロックチェーンが私たちの社会における「信頼」のあり方を再定義し、より透明で公正なシステムを構築する可能性を秘めていることは間違いない。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、この技術がどのような原理で動き、どのような変化を社会にもたらしうるのかを理解することは、これからの時代を生き抜く上で非常に重要な知識となるだろう。中央集権的なシステムと分散型システム、それぞれの利点と課題を理解し、適切な技術を選択・設計していく能力が、今後ますます求められるようになる。