【ITニュース解説】Erdus

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Erdusは、ER図をSQLやPrismaスキーマに変換するオープンソースツール。異なるツール間でのスキーマ変換を統一し、データの損失を可視化する。ERDPlus形式に対応し、PostgreSQLやPrismaへの変換が可能。JSON Schema、Sequelize、TypeORM、MySQL、SQLiteのサポートも予定。ブラウザ上で動作し、ファイルはローカルで処理される。

出典: Erdus | Dev.to公開日:

ITニュース解説

Erdusは、異なるデータベース設計ツール間でデータを変換する際に役立つオープンソースのツールだ。システムエンジニアを目指す初心者にとって、データベース設計は重要なスキルであり、Erdusはその学習と実務をサポートする。 データベース設計では、ER図(Entity-Relationship Diagram)という図を使って、データ構造を視覚的に表現することが一般的だ。ER図は、エンティティ(テーブル)とその属性(カラム)、エンティティ間の関係性を表す。しかし、ER図を作成するツールや、実際にデータベースを構築するツール(例えば、PostgreSQLやMySQLなど)は、それぞれ異なる「スキーマ言語」を使用している。スキーマ言語とは、データベースの構造を定義するための言語のことだ。 そのため、ER図で設計した内容をSQL(データベース操作言語)に変換したり、Prismaという別のツールで利用したりする際に、手作業での書き換えが必要になることが多い。この作業は時間がかかり、ミスも発生しやすい。例えば、ER図では表現できた制約(データの整合性を保つためのルール)が、SQLやPrismaに変換する際に失われてしまうこともある。 Erdusは、この問題を解決するために開発された。Erdusは、異なるスキーマ言語間を仲介する「普遍的なER図コンバーター」だ。ユーザーは、ER図をErdusにドラッグ&ドロップするだけで、SQLやPrismaの形式に簡単に変換できる。 Erdusの仕組みは以下の通りだ。まず、ErdusはER図を「中間表現(IR)」と呼ばれる形式に変換する。このIRは、Erdusが内部で使用する統一された形式で、様々なスキーマ言語を表現できるように設計されている。そして、このIRから、SQLやPrismaなどの異なる形式に変換する。 Erdusを使用するメリットはいくつかある。まず、スキーマ変換の作業を大幅に削減できる。手作業での書き換えが不要になるため、時間と労力を節約できる。次に、変換の際にデータの損失を防ぐことができる。Erdusは、変換できない機能がある場合、「ロスレポート」を表示し、何が失われるかを明確に示す。これにより、ユーザーは変換結果を正確に把握し、必要に応じて修正することができる。また、Erdusは一貫性のある変換を提供する。異なるツール間でスキーマを変換しても、Erdusを使用すれば、常に同じ結果が得られる。 Erdusは、データベース設計を学ぶ学生や、複数のデータベース環境を扱う開発者にとって非常に役立つ。スキーマ変換を簡単、透過的、再現可能にする。 Erdusのロードマップには、JSON Schemaのサポート、SequelizeやTypeORMなどの他のORM(Object-Relational Mapper)への出力、Supabaseのポリシーとアイデンティティのアノテーション、MySQLやSQLiteのジェネレーターなどが含まれている。つまり、今後さらに多くのデータベース関連ツールとの連携が強化される予定だ。 Erdusは、ブラウザ上で動作するクライアントサイドのツールであり、ユーザーのファイルがサーバーに送信されることはない。そのため、セキュリティ面でも安心して利用できる。 Erdusはオープンソースであり、GitHubで公開されている。誰でも自由に利用し、改善に貢献することができる。もしErdusに興味を持ったら、GitHubでスターを付けたり、バグを報告したり、機能の提案をしたりすることで、プロジェクトを支援できる。 Erdusは、ER図とデータベーススキーマの扱いをシンプルで信頼性が高く、オープンなものにするための第一歩だ。今後、ユーザーからのフィードバックや貢献を通じて、さらに進化していくことが期待される。

【ITニュース解説】Erdus