【ITニュース解説】GitHub ActionsでAWS Lambdaを簡単かつ爆速でデプロイしよう!【Python編】

2025年09月05日に「Qiita」が公開したITニュース「GitHub ActionsでAWS Lambdaを簡単かつ爆速でデプロイしよう!【Python編】」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

AWS Lambdaへのデプロイがアップデートで大きく変わった。GitHub Actionsを使えば、Python製のLambda関数を従来よりも簡単かつ高速にデプロイできるようになった。その具体的な方法を解説している。

ITニュース解説

この解説では、GitHub ActionsとAWS Lambdaを組み合わせて、開発したプログラムを簡単かつ迅速に本番環境で動作させる方法について、初心者のシステムエンジニア向けに深く掘り下げていく。特に、2025年8月に提供が始まったAWS Lambdaの新しいデプロイ用アクションが、どのように開発プロセスを革新したのかを詳細に解説する。

まず、GitHub Actionsについて理解しよう。システム開発において、プログラムのコードを書く作業は重要だが、それだけでは終わらない。書いたコードが正しく動くかテストし、実際にユーザーが使えるようにサーバーなどの実行環境に配置する「デプロイ」という作業が必要になる。これらの作業は、コードを少し変更するたびに何度も繰り返される。GitHub Actionsは、このような一連の作業を自動化するためのツールである。具体的には、GitHubというコードを管理するサービス上で、特定のイベント(例えば、コードがリポジトリにプッシュされた時など)をトリガーとして、あらかじめ定義された手順(ワークフローと呼ばれる)を自動的に実行する機能だ。これにより、開発者は手動での作業から解放され、より多くの時間をコードの品質向上や新機能の開発に費やすことができるようになる。この自動化の考え方は「継続的インテグレーション(CI)」や「継続的デリバリー(CD)」と呼ばれ、現代のソフトウェア開発では不可欠な要素となっている。

次に、AWS Lambdaについて説明する。これは、Amazon Web Services(AWS)が提供する「サーバーレス」なコンピューティングサービスである。従来のシステム開発では、プログラムを動かすためにサーバーを用意し、そのサーバーのOSやミドルウェアの管理、セキュリティパッチの適用といった運用作業が必要だった。しかし、Lambdaを利用すると、開発者は自分の書いたプログラム(関数と呼ばれる)だけを用意すればよく、サーバーの管理は一切不要になる。AWSが裏側で自動的にサーバーを用意し、プログラムを実行してくれるため、開発者はインフラの運用負荷から解放されるのだ。また、プログラムが実行された時間や、使用したリソースの量に応じて課金されるため、使わない時には費用がかからないという経済的なメリットもある。ウェブサイトのバックエンド処理や、データの加工、定期的なバッチ処理など、様々な用途で利用されている。

これらの技術を組み合わせることで、開発したPythonプログラムをLambda関数として簡単にAWS環境へデプロイできるようになる。従来のデプロイ方法では、設定が複雑であったり、複数のステップを手動で実行する必要があったりすることが少なくなかった。しかし、今回の2025年8月のアップデートにより、AWSが公式に提供する新しいデプロイ用アクションがGitHub Actionsに追加されたことで、このプロセスが劇的に簡素化された。この新しいアクションは、Lambda関数のデプロイに必要な一連の作業をあらかじめパッケージ化しており、開発者はGitHub Actionsのワークフローファイルに数行の設定を記述するだけで、複雑なデプロイを自動化できるようになる。これにより、デプロイにかかる手間と時間が大幅に削減され、開発者はより頻繁に、そして安心して新しい機能や修正を本番環境に適用できるようになるのだ。

では、具体的にどのようにデプロイが行われるのか、その主要な要素を追ってみよう。

  1. Lambda関数の作成とパッケージング: まず、PythonでLambda関数のコードを作成する。この関数は、単一のファイルであることもあれば、複数のファイルや外部ライブラリに依存することもある。Lambdaにデプロイする際には、これらのコードと依存ライブラリをひとつの圧縮ファイル(ZIP形式)にまとめてアップロードする必要がある。この作業を「パッケージング」と呼ぶ。

  2. IAMロールとポリシーの設定: AWS上でLambda関数が他のAWSサービス(例えば、データベースやストレージサービス)にアクセスする必要がある場合、そのための適切な権限を付与する必要がある。これは「IAMロール」と「IAMポリシー」というAWSの機能を使って設定する。これにより、Lambda関数は最小限の必要な権限のみを持ち、セキュリティが確保される。

  3. GitHubリポジトリの準備とワークフローファイル: プログラムのコードはGitHubのリポジトリに保存される。このリポジトリの中に、GitHub Actionsのワークフローを定義するYAML形式のファイル(通常は.github/workflowsディレクトリ内に配置)を作成する。このファイルに、デプロイの具体的な手順を記述する。

  4. GitHub Actionsのワークフローの中身:

    • トリガー: on: pushなどの設定により、コードがリポジトリにプッシュされた時など、特定のイベントが発生した際にワークフローが自動的に実行されるように設定する。
    • AWS認証情報のセットアップ: GitHub ActionsからAWSにアクセスするためには、AWSの認証情報(アクセスキーIDとシークレットアクセスキー)が必要となる。これらの機密情報は、GitHubの「Secrets」機能やAWSの「Secrets Manager」といった仕組みを利用して安全に管理し、ワークフローの中から参照できるように設定する。特に、aws-actions/configure-aws-credentialsというアクションを使うことで、安全かつ簡単にAWSへの認証を行うことができる。
    • 依存ライブラリのインストールとパッケージング: ワークフロー内でPythonの環境をセットアップし、Lambda関数が依存するライブラリをインストールし、それらをまとめてZIPファイルにパッケージングするコマンドを実行する。
    • SAM CLIのセットアップ: 記事ではaws-actions/setup-samアクションを利用してAWS Serverless Application Model (SAM) CLIをセットアップしている。SAM CLIは、サーバーレスアプリケーションの開発とデプロイを容易にするためのツールである。
    • Lambda関数デプロイ: そして、今回の目玉であるaws-actions/aws-lambda-deployアクションが登場する。このアクションは、先ほど作成したZIPファイルを指定し、どのLambda関数(ARNと呼ばれる一意な識別子で指定)として、どのS3バケット(AWSのストレージサービス)に一時的にアップロードし、デプロイするかを定義する。これにより、指定されたLambda関数が最新のコードで更新され、すぐに利用可能となる。S3は、大きなファイルや多数のファイルを安全に保管するためのサービスで、Lambda関数のコードを一時的に保存する場所として利用されることが多い。

この一連のプロセスは、システムエンジニアを目指す初心者にとって、現代のクラウドネイティブな開発手法の基礎を理解する上で非常に重要である。GitHub ActionsとAWS Lambdaの組み合わせは、開発サイクルを高速化し、運用コストを削減し、システムの安定性を向上させる強力な手段である。今回のアップデートにより、さらに手軽にこれらのメリットを享受できるようになったことは、今後のシステム開発において大きな意味を持つ。自動化されたデプロイパイプラインの構築は、効率的で信頼性の高いソフトウェア開発を実現するための第一歩となるだろう。

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