【ITニュース解説】GNU openVBS - VBScript,Reborn
2025年09月04日に「Dev.to」が公開したITニュース「GNU openVBS - VBScript,Reborn」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
GNU openVBSは、PythonでVBScriptを生成・実行するツール。Windows自動化をPythonで簡単に行える。ファイル操作、レジストリ操作、ネットワーク通信、UI作成など、VBScriptの主要機能をPythonから利用可能。モジュールシステム、設定管理、デバッグ機能も搭載。システム管理、ファイル管理、Windows自動化などに活用できる。
ITニュース解説
GNU OpenVBSは、Pythonを使ってVBScriptファイルを簡単に生成・実行できるフレームワークだ。VBScriptは、主にWindows環境でシステム管理や自動化に使われるスクリプト言語。OpenVBSは、Pythonの扱いやすさとVBScriptのWindows操作能力を組み合わせ、直感的なPython関数とCLI(コマンドラインインターフェース)を使って、複雑なWindows自動化スクリプトを作成できる。
OpenVBSの主な機能は、変数、定数、配列、条件分岐(if/else)、ループ、関数、サブルーチン、エラー処理、オブジェクト操作といったVBScriptの基本的な言語機能のサポート、ファイルやフォルダの管理、テキストファイルの読み書き、ディレクトリ操作、パス操作といったファイルシステム操作機能、レジストリ操作、環境変数、シェルコマンド実行、WMI(Windows Management Instrumentation)によるシステム情報取得といったWindows統合機能、文字列操作、数学関数、日付/時刻関数、配列操作といったデータ処理機能、HTTPリクエスト、ファイルダウンロード、メール送信(CDO経由)、Webサービス連携といったネットワーク機能、メッセージボックス、入力ダイアログ、ファイル/フォルダ選択ダイアログ、システム通知、カスタムダイアログ作成といったユーザーインターフェース機能、モジュールシステムによるコード再利用、設定管理、パフォーマンスプロファイリング、診断、プラグイン機能など、多岐にわたる。
OpenVBSを使うには、まずリポジトリをクローンする。次に、必要に応じてpip install coloramaでCLIの表示を改善するライブラリをインストールする。基本的な使い方としては、Pythonスクリプト内でfrom openvbs import *としてOpenVBSの機能をインポートし、define_variableで変数を定義、message_promptでメッセージを表示、for_loopでループ処理を実行し、最後にexecute_vbs()でVBScriptを実行する。ファイル操作の例では、create_fileでファイルを作成し、write_fileで書き込み、current_datetimeで現在の日時を取得してファイルに追記する。Windows自動化の例では、registry_readでレジストリから値を読み取り、get_env_varで環境変数を取得、shell_executeでコマンドを実行する。
OpenVBSの関数には、変数を定義するdefine_variable、定数を定義するconst_variable、配列を定義するdefine_array、条件分岐を行うif_else、ループ処理を行うfor_loopとdo_while、複数の条件で処理を分岐するselect_case、ファイルシステムオブジェクトを初期化するfile_system_object、ファイルを作成するcreate_file、ファイルを読み込むread_file、ファイルに書き込む/追記するwrite_file、ファイルを削除するdelete_file、フォルダの存在を確認するfolder_exists、レジストリから値を読み込むregistry_read、レジストリに値を書き込むregistry_write、環境変数を取得するget_env_var、環境変数を設定するset_env_var、シェルコマンドを実行するshell_execute、プログラムを実行するrun_program、HTTP GETリクエストを送信するhttp_get、HTTP POSTリクエストを送信するhttp_post、ファイルをダウンロードするdownload_file、メールを送信するsend_emailなどがある。
高度な機能としては、モジュールシステム、設定管理、デバッグとプロファイリング、エラー処理などがある。モジュールシステムでは、exportで現在のスクリプトをモジュールとしてエクスポートし、getでモジュールをインポートする。設定管理では、set_settingで設定を保存し、get_settingで設定を読み込む。デバッグでは、debug_printでデバッグ情報を出力し、log_to_fileでログファイルに記録、start_timerとend_timerで処理時間を計測、assert_conditionで条件をアサートする。エラー処理では、error_handlingでtry-catchのようなエラー処理を実装したり、従来のVBScriptのエラー処理を使用したりできる。また、プラグイン機能も備わっており、特定のフォルダにプラグインファイルを配置することで機能拡張が可能になる。
OpenVBSのプロジェクト構成は、openvbsディレクトリ内に__init__.py(メインのインポートとエクスポート)、main.py(コア機能と言語機能)、runner.py(VBScript実行エンジン)があり、filesディレクトリ内にwindows/output.vbs(生成されたVBScript出力)、compiled_output(パッケージ化された実行ファイル)、modules(保存されたスクリプトモジュール)があり、src/examplesディレクトリ内にサンプルスクリプト、testsディレクトリ内にユニットテストがある。
OpenVBSの活用例としては、システム管理、ファイル管理、ネットワーク操作、Windows自動化などがある。システム管理では、システム監視やレポート作成、ユーザーアカウント管理、ソフトウェアの展開と設定、レジストリのメンテナンスなどに利用できる。ファイル管理では、ファイル操作や整理、バックアップと同期、ログファイルの処理、データ移行などに利用できる。ネットワーク操作では、Webサービスからのデータ収集、バッチダウンロード、メール自動化、システムヘルス監視などに利用できる。Windows自動化では、アプリケーション制御、タスクスケジューラ、システム設定の展開、パフォーマンス監視などに利用できる。
OpenVBSを使うには、Windows OS、Python 3.6+、Windows Script Hostが必要となる。.exeファイルにパッケージ化する場合は、IExpressも必要。任意でcoloramaをインストールすると、ターミナルの表示が改善される。
OpenVBSへの貢献は歓迎されている。貢献するには、まずリポジトリをフォークし、フィーチャーブランチを作成して変更を加え、テストを追加してコミットし、プッシュしてプルリクエストを送る。
開発環境を構築するには、フォークしたリポジトリをクローンし、仮想環境を作成して有効化し、開発に必要なライブラリをインストールし、テストを実行する。
OpenVBSには、システム情報を収集するスクリプト、ファイルをバックアップするスクリプト、ネットワーク接続を監視するスクリプトなどのサンプルが含まれている。
OpenVBSのトラブルシューティングとしては、cscript.exeが見つからないというエラーはWindows Script Hostがインストールされているか確認する、VBScriptの実行が構文エラーで失敗する場合は生成されたVBScriptファイルを確認する、ファイルのパーミッションエラーが発生する場合は管理者としてPythonスクリプトを実行するか、ターゲットディレクトリへの書き込み権限を確認する、といった対処法がある。
OpenVBSはGNU GENERAL PUBLIC LICENSE V3の下でライセンスされている。今後の機能としては、GUIビルダー、PowerShell連携、Active Directory連携、データベース接続、Excel自動化、サービス管理、イベントログ連携、タスクスケジューラAPIなどが予定されている。