【ITニュース解説】How to create Google Gemini AI component in Total.js Flow
2025年09月03日に「Dev.to」が公開したITニュース「How to create Google Gemini AI component in Total.js Flow」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
Total.js FlowでGoogle Gemini AIを活用するカスタムコンポーネントの作成手順を解説。APIキー設定、データ構造変換、REST通信によるAIへのリクエスト、レスポンス処理、そして設定画面のUI実装まで、システムエンジニア初心者にも分かりやすく学べる。
ITニュース解説
近年、人工知能(AI)を様々なシステムに組み込むことが一般的になっている。この記事では、プログラムの部品を視覚的に繋ぎ合わせてアプリケーションを構築する「Total.js Flow」というプラットフォーム上で、Googleの高性能AI「Gemini」と連携する方法を解説する。Total.js Flowは、プログラミングの知識が浅い初心者でも、データの流れを直感的に設計できるローコード開発ツールの一つである。この記事の目的は、このFlowの中に、Gemini AIを呼び出すための新しい機能部品、すなわち「カスタムコンポーネント」を自作する手順を理解することにある。
コンポーネントを作成する最初のステップは、その部品の基本情報を定義することだ。これは、部品の「自己紹介」のようなもので、一意のID、表示名、アイコン、作者名などを設定する。特に重要なのが、ユーザーが後から変更できる設定項目を定義する「config」である。ここでは、Geminiを利用するために必須となる「APIキー」、使用するAIモデルの種類(例えば、高速な「gemini-1.5-flash」など)、そしてAIからの応答をどのような形式で受け取るか(生成されたテキストのみか、詳細情報を含む全データか)といった項目を設定できるようにしている。これにより、同じコンポーネントを使い回しながら、用途に応じて設定を柔軟に変更できる汎用性の高い部品が生まれる。また、コンポーネントにはデータを受け取るための「入力」と、処理結果を送り出すための「出力」の口があり、成功時の結果とエラーを別々の出口から出力するように設計する。
次に、コンポーネントの心臓部である具体的な処理内容をプログラムコードで記述していく。この処理は、データがコンポーネントに入力された瞬間に実行される。まず、安全に処理を進めるための「入力検証」から始まる。ユーザーからの入力データや、設定画面で入力されるべきAPIキーが存在するかをチェックし、もし不足していれば処理を中断してエラーを出力する。これにより、予期せぬ動作を防ぐ。次に、入力されたテキストデータを、GeminiのAPIが理解できる決められたデータ形式(JSON形式)に変換する。これは、外部サービスと正しく対話するための「データ整形」の工程である。準備が整うと、Total.js Flowが提供する「RESTBuilder」という機能を利用して、整形したデータをGoogleのサーバーにあるGemini APIへ送信する。これは、外部のAIに「このテキストで文章を生成してください」と依頼を出すことに相当する。
APIへの依頼が完了すると、Geminiからの応答が返ってくる。この応答を適切に処理するのが最後のステップだ。APIからの応答がエラーだった場合は、その内容をエラー出力から通知する。正常に応答が返ってきた場合は、ユーザーが設定した出力形式に従ってデータを加工する。例えば、「テキストのみ」が選択されていれば、AIが生成した文章部分だけを丁寧に取り出して次の部品へ渡す。「全データ」が選択されていれば、応答データをそのまま渡す。このように、受け取った結果を後続の処理で使いやすい形に整える。さらに、ユーザーがこのコンポーネントを直感的に使えるように、設定画面の見た目をHTMLで作成する。APIキーを入力するテキストボックスや、利用するAIモデルを一覧から選べるドロップダウンメニューなどを設けることで、コードを直接編集することなく、誰でも簡単にコンポーネントの設定を変更できるようになる。
全ての作成が完了すると、この自作GeminiコンポーネントはTotal.js Flowの部品一覧に追加され、ドラッグ&ドロップで利用可能になる。例えば、「処理を開始する部品」「自作のGemini部品」「結果を表示する部品」の三つを線で繋ぎ、開始部品に「こんにちは」と入力するだけで、Geminiが生成した返答が表示される簡単なAIアプリケーションが完成する。この記事で解説された一連の手順は、単に特定の機能を作る方法だけでなく、既存の開発ツールを自分のニーズに合わせて拡張し、外部の高度なサービスと連携させるための基本的な考え方を示している。このように、基本的な仕組みを理解することで、アイデア次第で様々な機能をシステムに組み込むことが可能になるだろう。