【ITニュース解説】What is a Service in Kubernetes?
2025年09月03日に「Medium」が公開したITニュース「What is a Service in Kubernetes?」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
Kubernetesでは、Podは一時的な存在。Serviceは、PodのIPアドレスが変わっても、安定したネットワーク接続を提供。Serviceを使うことで、アプリケーションはPodの増減や配置場所を気にせず、常にアクセス可能になる。外部からのアクセスもServiceを通じてPodにルーティングされる。
ITニュース解説
KubernetesにおけるServiceとは何か
Kubernetes(クーバネティス、またはクバネティス)は、コンテナ化されたアプリケーションを効率的に管理・運用するためのプラットフォームだ。そのKubernetesにおいて、Serviceは非常に重要な役割を担っている。なぜなら、Serviceは、Kubernetes上で動作するアプリケーションへの安定したアクセスを提供する仕組みだからだ。
Kubernetesの基本的な構成要素の一つにPod(ポッド)がある。Podは、一つ以上のコンテナをまとめたもので、アプリケーションの最小実行単位となる。しかし、Podには「一時的な性質」がある。これは、Kubernetesが自動的にPodをスケール(増減)させたり、ノード(物理サーバーや仮想サーバー)間でPodを移動させたりするためだ。例えば、アプリケーションへのアクセスが増加すれば、Kubernetesは自動的にPodの数を増やして負荷を分散する。逆に、アクセスが減少しれば、Podの数を減らしてリソースを節約する。また、ノードに障害が発生した場合、Kubernetesはそのノード上のPodを別のノードに自動的に移動させる。
このようなPodの一時的な性質が、アプリケーションの利用者に影響を与えないようにするために、Serviceが存在する。Serviceは、Podの前面に立ち、固定されたIPアドレスとDNS名を提供する。利用者は、Serviceに対してアクセスすれば、その背後で動作しているPodがどこにあろうと、自動的に接続される。Podがスケールしたり、移動したりしても、ServiceのIPアドレスとDNS名は変わらないため、利用者は常に安定したアクセスを享受できる。
Serviceは、Podへのアクセスを抽象化する役割も担っている。通常、PodにはそれぞれIPアドレスが割り当てられるが、これらのIPアドレスはPodが再起動したり、別のノードに移動したりするたびに変わる可能性がある。Serviceを利用することで、利用者はPodのIPアドレスを直接知る必要がなくなり、Serviceの固定されたIPアドレスまたはDNS名を通じてアクセスできるようになる。
Serviceの種類はいくつか存在する。代表的なものとして、ClusterIP、NodePort、LoadBalancerがある。
ClusterIPは、Kubernetesクラスタ内部でのみアクセス可能なServiceだ。クラスタ内の他のPodやServiceからのみアクセスできるため、外部からの直接アクセスはできない。主に、バックエンドサービスなど、内部でのみ利用されるアプリケーションに適している。
NodePortは、クラスタ内のすべてのノードの特定のポートを公開するServiceだ。外部からノードのIPアドレスと指定されたポートにアクセスすることで、Serviceに接続できる。開発環境やテスト環境など、外部からのアクセスを比較的容易に設定したい場合に便利だ。ただし、本番環境で使用する場合は、セキュリティ上の注意が必要となる。
LoadBalancerは、クラウドプロバイダーが提供するロードバランサーを利用して、外部からのトラフィックをPodに分散するServiceだ。AWSのELB(Elastic Load Balancer)やGCPのCloud Load Balancingなどが該当する。LoadBalancerを使用すると、外部からのアクセスを効率的に分散し、アプリケーションの可用性を高めることができる。本番環境での利用に適している。
さらに、ExternalNameという種類のServiceもある。これは、Kubernetesクラスタ外部のサービスへのアクセスを、クラスタ内部から行うための仕組みだ。例えば、外部のデータベースやAPIにアクセスする場合に、ExternalName Serviceを設定することで、クラスタ内のPodから簡単にアクセスできるようになる。
Serviceは、Podのラベルセレクターに基づいて、どのPodにトラフィックをルーティングするかを決定する。ラベルセレクターは、Podに付与されたラベル(Key-Value形式のメタデータ)に基づいて、Podを選択するための条件を指定するものだ。Serviceは、ラベルセレクターに一致するラベルを持つPodを自動的に検出し、トラフィックをルーティングする。
例えば、app=my-appというラベルを持つPodに対して、ラベルセレクターapp=my-appを持つServiceを作成すると、そのServiceは自動的にapp=my-appというラベルを持つPodにトラフィックをルーティングする。Podのラベルを変更したり、新しいラベルを持つPodを追加したりすると、Serviceは自動的にルーティング先を更新する。
Serviceは、Kubernetesにおけるアプリケーションの可用性、スケーラビリティ、保守性を高めるための不可欠な要素だ。Serviceを理解することで、Kubernetes上で動作するアプリケーションをより効果的に管理・運用できるようになる。システムエンジニアを目指す初心者にとって、Serviceの概念と種類、そしてその役割を理解することは、Kubernetesの基礎を築く上で非常に重要となるだろう。