【ITニュース解説】Nano Banana (gemini-2.5-flash-image-preview)APIを無料で使う方法
2025年09月03日に「Zenn」が公開したITニュース「Nano Banana (gemini-2.5-flash-image-preview)APIを無料で使う方法」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
OpenRouterにて、Googleの最新マルチモーダルAPI「Nano Banana (gemini-2.5-flash-image-preview)」が無料で利用可能になった。記事では、OpenAI API形式でこのAPIを使い、画像生成などを行う具体的な方法を解説する。(116文字)
ITニュース解説
Googleが開発した最新のAIモデル「Nano Banana」、正式名称「gemini-2.5-flash-image-preview」が、特定の条件下で無料で利用できるようになった。このAIは、テキスト情報だけでなく画像も理解できる「マルチモーダルAI」と呼ばれる種類のものであり、開発者が自身のプログラムからその機能を利用するための「API」として提供されている。今回は、この高性能なAIモデルのAPIを、システムエンジニアを目指す初心者でも手軽に、かつ無料で利用する方法について解説する。
まず、API(Application Programming Interface)とは何かを理解する必要がある。APIとは、あるソフトウェアやサービスが持つ機能を、外部の別のプログラムから呼び出して利用するための接続方法やルールのことである。例えば、天気予報アプリが気象庁のデータサーバーから最新の天候情報を取得する際にもAPIが使われている。同様に、AIモデルのAPIを利用することで、開発者は自作のアプリケーションやシステムに、文章生成や画像認識といった高度なAI機能を簡単に組み込むことが可能になる。
今回のニュースの鍵となるのが、「OpenRouter」というサービスである。OpenRouterは、Google、OpenAI、Anthropicなど、様々な企業が開発した多数のAIモデルを一元的に利用できるようにしたプラットフォームである。通常、異なる企業のAIモデルを利用する場合、それぞれの企業が提供する独自のAPI仕様を学び、個別に契約を結ぶ必要がある。しかし、OpenRouterを使えば、一つの共通した形式で、まるでスイッチを切り替えるかのように様々なAIモデルを試すことができる。これは開発者にとって、モデルごとのAPI仕様の違いを吸収する手間を省き、開発効率を大幅に向上させる大きな利点となる。
このOpenRouter上で、Googleの最新モデルである「Nano Banana」が無料で利用できるようになった点が、今回のニュースの核心である。通常、高性能なAIモデルのAPIを利用するには、処理したデータ量に応じて料金が発生する。これは、AIモデルの運用に大規模な計算資源とコストが必要なためである。しかし、今回の無料提供により、システムエンジニアを目指す学生や初心者の開発者、あるいは個人で新しいアイデアを試したい人々が、金銭的な負担を一切気にすることなく、最先端のAI技術に触れ、学習し、自身のプロジェクトで試すことが可能になった。これは、AI技術の学習やプロトタイプ開発のハードルを大きく下げる画期的な機会と言える。
実際に「Nano Banana」APIを利用する手順は、プログラミングの知識があれば比較的簡単である。まず、OpenRouterのウェブサイトでアカウントを登録し、APIを利用するために必要な認証情報である「APIキー」を取得する。次に、Pythonなどのプログラミング言語を用いて、APIを呼び出すためのコードを記述する。特筆すべきは、OpenRouterのAPIが、業界で広く使われているOpenAIのAPI形式と互換性を持っている点である。これにより、多くの開発者が使い慣れているOpenAIの公式ライブラリ(プログラム部品の集まり)をそのまま流用して、OpenRouter上のモデルを操作できる。
具体的なコードでは、利用したいモデルとして「google/gemini-2.5-flash-image-preview:free」という名前を指定する。そして、このモデルの最大の特徴である画像認識機能を試すためには、AIへの入力情報として、通常のテキストに加えて、画像のURLや画像データそのものを与える。例えば、犬の画像を指定し、「この画像に写っている動物は何ですか?」といった質問をテキストで送ると、AIは画像を解析し、「犬です」といったテキストの回答を返す。このように、プログラムを通じて画像の内容をAIに理解させ、それに基づいた対話や情報処理を実現できるのが、マルチモーダルAIのAPIの強力な点である。
テキストと画像を同時に扱えるマルチモーダルAIの技術は、今後ますます多くの分野での応用が期待される。例えば、ウェブサイトにアップロードされた画像を自動的に分類してタグ付けするシステム、画像の内容を説明する文章を自動生成してアクセシビリティを向上させる機能、あるいは製造ラインで製品の画像を分析して不良品を検知するシステムなど、その可能性は無限に広がっている。
システムエンジニアを目指す者にとって、APIを介して外部のサービスと連携し、その機能を自らのシステムに統合するスキルは、今後必須のものとなる。特に、AIという急速に進化する分野の技術をAPI経由で活用する経験は、自身の市場価値を高める上で非常に重要である。今回OpenRouterによって提供された「Nano Banana」の無料利用機会は、こうした実践的なスキルを低リスクで習得するための絶好の教材である。この機会を活かして、最新のAI技術に触れ、その仕組みを理解し、実際に手を動かしてプログラムを作成してみることは、将来のキャリアにとって大きな財産となるだろう。