【ITニュース解説】Preferred Networks、フラッグシップLLM「PLaMo Prime」の提供開始 ―Web APIを使って外部アプリから使用可能なAPI製品を提供
2024年12月03日に「Gihyo.jp」が公開したITニュース「Preferred Networks、フラッグシップLLM「PLaMo Prime」の提供開始 ―Web APIを使って外部アプリから使用可能なAPI製品を提供」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
Preferred Networksが国産LLM「PLaMo Prime」の提供を開始。これはPLaMoシリーズの最上位モデルで、Web APIを通じて外部アプリケーションから利用可能。開発者は自身のアプリに高度な自然言語処理機能を容易に組み込めるようになる。LLM技術の活用を促進し、より幅広い分野での応用が期待される。
ITニュース解説
Preferred Networks(以下、PFN)が開発した大規模言語モデル(LLM)「PLaMo Prime」の提供開始は、日本のAI技術発展において重要な出来事だ。LLMとは、大量のテキストデータを学習することで、人間が書いたような自然な文章を生成したり、質問に答えたり、翻訳を行ったりできるAIモデルのこと。近年、ChatGPTなどのLLMが広く知られるようになり、様々な分野で活用されている。
PLaMo Primeは、PFNがこれまで培ってきたLLM開発の技術を結集した、フラッグシップモデルと位置づけられている。フラッグシップモデルとは、その企業や組織が持つ最高の技術力を投入して開発された製品やサービスのこと。PLaMo Primeは、PFNのLLM技術の粋を集めた、最も高性能なモデルだと考えられる。
今回の発表で特に注目すべき点は、PLaMo PrimeがWeb APIを通じて提供されることだ。API(Application Programming Interface)とは、ソフトウェア同士が互いに情報をやり取りするための仕組みのこと。Web APIは、インターネットを通じてAPIを利用できる形式を指す。
具体的には、PLaMo Primeを直接サーバーにインストールしたり、複雑な設定を行ったりする必要はなく、インターネット経由でPFNが提供するAPIにアクセスするだけで、PLaMo Primeの機能を様々なアプリケーションやサービスに組み込むことができる。
このWeb APIの提供形態は、システムエンジニア(SE)を目指す初心者にとって、非常に扱いやすいというメリットがある。通常、LLMを自社のシステムに組み込むには、専門的な知識や高度な技術が必要となる。しかし、PLaMo PrimeのWeb APIを利用すれば、比較的簡単なプログラミングだけで、LLMの機能を自社のアプリケーションに追加できる。
例えば、ECサイトを運営している企業が、PLaMo PrimeのAPIを利用して、顧客からの問い合わせに自動で回答するチャットボットを開発したり、商品レビューの内容を分析して、顧客のニーズを把握したりすることができる。また、社内のナレッジベースをPLaMo Primeに学習させ、従業員からの質問に迅速かつ正確に回答する社内ヘルプデスクを構築することも可能だ。
Web APIを通じてLLMを利用するメリットは他にもある。まず、自社で高性能なLLMを開発・運用するためのコストを大幅に削減できる。LLMの開発には、大量の計算リソースや専門知識が必要となるため、中小企業にとっては大きな負担となる。PLaMo PrimeのAPIを利用すれば、必要な時に必要な分だけ利用できるため、コストを最適化できる。
次に、常に最新のLLMを利用できるというメリットがある。LLMの技術は日々進化しており、新しいモデルが次々と登場している。PFNは、PLaMo Primeの性能向上や機能追加を継続的に行うことが予想されるため、APIを利用することで、常に最新のLLMを利用できる。
さらに、セキュリティ面でもメリットがある。自社でLLMを運用する場合、セキュリティ対策を万全に行う必要がある。PLaMo PrimeのAPIを利用すれば、PFNがセキュリティ対策を行うため、自社の負担を軽減できる。
PLaMo Primeの提供開始は、日本のAI技術の普及を加速させる可能性を秘めている。Web APIという手軽なアクセス方法によって、様々な企業や開発者がLLMの恩恵を受けやすくなり、新たなアプリケーションやサービスの創出につながることが期待される。SEを目指す初心者にとっても、PLaMo PrimeのAPIを利用することで、LLMの可能性を体験し、AI技術に関するスキルを習得する良い機会となるだろう。