【ITニュース解説】Launch HN: Risely (YC S25) – AI Agents for Universities

Riselyは、大学向けのAIエージェントを提供するサービスだ。これは、大学の業務を効率化し、学生や教職員の体験を向上させることを目的としている。具体的にどのような機能を提供しているのか、そしてシステムエンジニアを目指す上でなぜこのサービスが重要なのかを解説する。

RiselyのAIエージェントは、大学内の様々な情報を学習し、質問応答やタスクの自動化を行う。例えば、学生からのよくある質問（FAQ）への対応、入学手続きの案内、学費に関する問い合わせ、履修登録のサポートなどをAIが自動で行う。これにより、大学職員はより複雑で専門的な業務に集中できるようになる。

従来の大学運営では、これらの業務は主に職員が手作業で行っていた。しかし、学生数が多い大規模な大学では、問い合わせ対応だけでも膨大な時間がかかる。RiselyのAIエージェントは、これらの作業を24時間365日対応可能にし、待ち時間を大幅に短縮する。学生は必要な情報をすぐに得られるため、満足度が向上する。

さらに、Riselyは単なるFAQ応答システムではない。AIは過去の問い合わせ内容や学生の行動履歴などを分析し、個々の学生に合わせたパーソナライズされた情報を提供する。例えば、特定の科目に興味を持っている学生に対して、関連するイベントや研究室の情報を自動的に提供するといった使い方が考えられる。これにより、学生は自分に必要な情報を見つけやすくなり、大学生活をより充実させることができる。

システムエンジニアの視点から見ると、RiselyはAI技術を活用した業務効率化の典型的な例と言える。大学という組織は、様々なシステムが複雑に絡み合っている。学生情報管理システム、教務システム、図書館システムなど、それぞれのシステムが独立して動いている場合が多い。RiselyのAIエージェントは、これらのシステムと連携し、情報を統合的に扱うことで、より高度なサービスを提供することができる。

このサービスを実現するためには、自然言語処理（NLP）や機械学習（ML）といったAI技術が不可欠だ。学生の質問を理解し、適切な回答を生成するためには、高度なNLPの技術が必要になる。また、学生の行動履歴や属性情報を分析し、パーソナライズされた情報を提供するためには、MLの技術が活用される。

RiselyのようなAIエージェントを開発・運用するためには、幅広い知識とスキルが求められる。具体的には、以下のようなスキルが必要となる。

• プログラミングスキル: Pythonなどのプログラミング言語を用いて、AIモデルを開発し、システムに組み込む必要がある。
• データベーススキル: 学生情報や問い合わせ内容などのデータを管理するためのデータベース設計・構築・運用スキルが必要となる。
• クラウドスキル: AIモデルの学習や運用、システムの構築をクラウド上で行うための知識が必要となる。AWS、Azure、GCPなどのクラウドプラットフォームに関する知識があると有利だ。
• AI・機械学習の知識: 自然言語処理、機械学習、深層学習などのAI技術に関する知識が必要となる。特に、質問応答システムやチャットボットの開発経験があると役立つ。
• セキュリティ知識: 学生の個人情報を扱うため、セキュリティ対策は非常に重要になる。情報セキュリティに関する知識や対策スキルが必要となる。

Riselyの登場は、大学運営におけるAI活用の可能性を示している。今後、AI技術は大学だけでなく、様々な分野で活用されることが予想される。システムエンジニアを目指す者は、これらの技術を習得し、AIを活用した新しいサービスやシステムを開発する能力を身につけることが重要になる。

具体的には、オープンソースの自然言語処理ライブラリ（例：Hugging FaceのTransformers）や機械学習フレームワーク（例：TensorFlow、PyTorch）を使い、実際に簡単なAIモデルを構築してみるのが良いだろう。また、クラウドプラットフォームの無料枠を利用して、AIモデルをデプロイしてみるのも良い経験になる。

Riselyのようなサービスの登場は、システムエンジニアにとって新たな挑戦と機会をもたらす。AI技術を習得し、社会の課題解決に貢献できるシステムエンジニアを目指してほしい。