【ITニュース解説】Roborock graduates from vacuuming your house to mowing your lawn

2025年09月04日に「The Verge」が公開したITニュース「Roborock graduates from vacuuming your house to mowing your lawn」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

ロボット掃除機で知られるRoborockが、ロボット芝刈り機RockMow Z1を発表。IFA 2025で公開されたこの製品は、全輪駆動で最大80%の傾斜に対応可能。Roborockは新たな製品カテゴリーへ参入し、家庭用ロボット市場を拡大する。

ITニュース解説

Roborockが、これまで得意としていたロボット掃除機から新たな分野、ロボット芝刈り機へと進出した。IFA 2025という技術展示会で、Roborockは3種類のロボット芝刈り機を発表した。中でも注目されるのは、最上位機種であるRockMow Z1だ。

RockMow Z1の最大の特徴は、全輪駆動システムを採用している点にある。これにより、最大80%の勾配、角度にして約38.66度という急な斜面でも安定した走行と芝刈りを実現する。システムエンジニアを目指す上で重要なのは、なぜ全輪駆動が急斜面で有効なのかを理解することだ。

通常の二輪駆動の場合、急斜面では駆動輪が空転しやすく、前に進むことが難しくなる。これは、重力の関係で車体の重心が後方に偏り、駆動輪への負荷が減少するためだ。しかし、全輪駆動であれば、すべての車輪に駆動力が分散されるため、各車輪にかかる負荷が軽減され、空転を防ぎ、安定した推進力を維持できる。

Roborockがこの全輪駆動システムをRockMow Z1に採用した背景には、広い庭や複雑な地形を持つ庭でも、均一な芝刈りを提供したいという意図があると考えられる。特にヨーロッパなどでは、庭に傾斜がある家も少なくないため、全輪駆動は重要な機能となる。

ロボット芝刈り機は、設定された範囲を自動で走行し、芝を刈る。そのため、庭の形状を正確に把握し、効率的な経路を計画する必要がある。RockMow Z1がどのようなセンサーやアルゴリズムを用いてこれを実現しているかは、公開されている情報からは不明だが、一般的にはGPS、カメラ、超音波センサーなどが組み合わされる。

GPSは、機体の位置情報を特定するために使用される。しかし、GPSだけでは正確な位置情報を得ることが難しい場合もあるため、カメラや超音波センサーを用いて周囲の状況を把握し、より正確な位置情報を補完する。

また、障害物を検知する機能も重要だ。庭には、木や花壇、庭石など、様々な障害物が存在する。RockMow Z1は、これらの障害物を検知し、衝突を回避しながら走行する必要がある。これには、LiDAR(Light Detection and Ranging)や超音波センサーが用いられることが多い。LiDARは、レーザー光を照射して周囲の物体までの距離を測定する技術であり、高精度な障害物検知が可能だ。超音波センサーは、超音波を発信し、反射波を検知することで障害物までの距離を測定する。

さらに、芝刈りの精度も重要な要素だ。RockMow Z1は、均一な高さで芝を刈る必要があり、そのためには、芝刈り刃の高さ調整機構や、芝の密度を検知するセンサーなどが用いられる。芝の密度が高い場所では、芝刈り刃の回転数を上げたり、走行速度を遅くしたりすることで、均一な仕上がりを実現する。

システムエンジニアとして、これらの要素をどのように組み合わせ、最適なシステムを構築するかが課題となる。センサーの選定、アルゴリズムの開発、ハードウェアの設計など、幅広い知識と技術が必要となる。

Roborockのロボット芝刈り機への参入は、単に新しい製品カテゴリーへの進出というだけでなく、ロボット技術の進化を示すものでもある。今後、ロボット技術は、掃除や芝刈りといった家事だけでなく、農業や建設など、より幅広い分野で活用されることが予想される。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、RoborockのRockMow Z1は、ロボット技術の可能性と課題を学ぶ上で、良い題材となるだろう。製品の仕様や技術的な詳細を調べ、どのような技術が用いられているのか、どのような課題があるのかを考察することで、システムエンジニアとしてのスキルアップにつながるはずだ。

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