【ITニュース解説】Run LLaMA 3 Locally and Build AI Apps 🤖💻
2025年09月06日に「Dev.to」が公開したITニュース「Run LLaMA 3 Locally and Build AI Apps 🤖💻」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
MetaのAIモデル「LLaMA 3」を自分のPCで動かし、AIアプリを開発する方法を紹介。Ollamaを使えば簡単に導入でき、クラウドサービスに頼らず、コストを抑え、プライバシーを守り、自由にAIを構築・制御できる。PythonやNode.jsでコードからAIと連携し、チャットや高度な機能を実装可能だ。
ITニュース解説
大規模言語モデル(LLM)は、ChatGPTやClaudeといったサービスを通じて多くの人に知られるようになった。しかし、これらのAIを利用するためには通常、インターネット経由でサービス提供者のサーバーにアクセスする必要があり、利用料金やデータのプライバシー、速度制限といった制約があった。そんな中、Metaが開発した最新の高性能LLMである「LLaMA 3」を、なんと自分のパソコンで直接動かせるようになった。これはシステムエンジニアを目指す初心者にとっても、非常に大きな意味を持つ画期的な出来事である。
なぜ自分のパソコンでLLMを動かせることが重要なのか。まず、費用を大幅に節約できる点が挙げられる。クラウドサービスを利用する場合、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の利用量に応じて料金が発生し、時には高額な請求になることもある。しかし、LLaMA 3をローカル環境で実行すれば、そうしたクラウド費用は一切かからない。次に、プライバシーの保護も大きなメリットだ。外部のサービスを利用する際、入力したデータがどのように扱われるかという懸念が常に存在する。自分のパソコンでAIを動かすことで、データが外部に送信されることなく、完全に自分の管理下に置かれるため、機密性の高い情報を扱う際にも安心して利用できる。さらに、APIの利用制限やネットワーク遅延といった問題も解消され、自分のパソコンの性能を最大限に活かした高速な処理が可能になる。これは、開発者が特定のベンダーに縛られず、より自由に、そしてコントロールされた環境でAIを活用できることを意味する。自分のノートパソコンで「700億ものパラメータを持つ巨大なモデルが動いている」と言えるのは、純粋に技術的な興奮をもたらすだろう。
LLaMA 3をローカルで動かす最も簡単な方法は、「Ollama(オラマ)」というツールを使うことだ。Ollamaは、オープンソースのLLMを簡単に実行・管理するためのコマンドラインツールである。インストールは非常にシンプルで、macOSやLinux環境であれば、ターミナルを開いて特定のコマンドを一行入力するだけで完了する。Windowsでも同様に簡単な手順が提供されているはずだ。インストールが完了したら、次に「ollama run llama3」というコマンドを実行する。これだけで、LLaMA 3がダウンロードされ、すぐに自分のパソコン上でチャット可能な状態になるのだ。
LLaMA 3が起動したら、ターミナル上で直接モデルと対話できる。例えば、「Pythonのリストとタプルの違いは何ですか?」といった質問を投げかけると、ChatGPTと同じように、分かりやすく整理された回答がすぐに返ってくる。プログラミングの疑問や一般的な知識について尋ねたり、アイデア出しのパートナーとして活用したりと、様々な用途に利用できる。これはまるで、自分のパソコンの中に賢いAIアシスタントがいるような感覚である。
さらに一歩進んで、自分の作成するアプリケーションにLLaMA 3を組み込むことも可能だ。これはシステムエンジニアを目指す者にとって、最も興味深い部分かもしれない。Node.jsやPythonといったプログラミング言語を使って、Ollamaで実行されているLLaMA 3と連携できるのだ。例えば、Node.jsであれば、数行のコードを記述するだけで、AIに特定の指示(例えば「デバッグに関する俳句を書いてください」)を送り、その返答をプログラム内で受け取って処理できる。Pythonでも同様に、クライアントライブラリを使ってAIに質問を投げかけ、返答を利用する仕組みを簡単に構築できる。これにより、単なるチャットツールとしてだけでなく、AIの能力を組み込んだ新しい種類のアプリケーションを自由に開発できる道が開けるのだ。
ローカルで動くLLMの活用方法は、単にチャットをするだけにとどまらない。より高度な機能やシステムとの連携も可能だ。例えば、「埋め込み(Embeddings)」という技術を使えば、文章の意味を数値のベクトルとして表現し、意味的に似た文書を高速に検索する「セマンティック検索」を実現できる。また、「RAG(Retrieval Augmented Generation)」という手法を使えば、自分の持っているドキュメントやデータベースから関連情報を取得し、それを基にLLMが回答を生成することで、より正確で最新の情報に基づいた回答を得られるようになる。LangChainのようなフレームワークを利用することで、これらの複雑な処理も比較的容易に構築できる。さらに、「エージェント」と呼ばれるAIプログラムを構築することも可能だ。エージェントは、LLMの推論能力を使い、外部のAPIを呼び出したり、インターネットを検索したり、さらには自分のパソコンを操作したりといった、一連のタスクを自律的に実行できる。これにより、AIがより能動的に問題解決を行うような、先進的なアプリケーションの開発が可能となる。
まとめると、LLaMA 3をローカルで実行できるようになったことは、開発者にとって計り知れないメリットをもたらす。高額なクラウド費用を心配することなく、データプライバシーを完全に保護しながら、APIの制限に縛られずに高速なAI処理を実行できる。さらに、モデルの動作を自由にカスタマイズしたり、自分の用途に合わせて微調整したりすることも可能になり、AI活用の自由度が格段に向上する。これは、特定のAIサービスプロバイダーに依存することなく、自分自身のアイデアと技術でAIの可能性を追求できる「ローカルAI革命」の始まりであり、システムエンジニアを目指す者にとって、この波に乗る絶好の機会だと言える。今こそ、Ollamaを試して、自分だけのAIアプリケーション開発の世界に飛び込む時が来た。