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【ITニュース解説】WebDAVのファイル一覧をJSONで取得したい【WebDAVJSON】

2025年09月14日に「Zenn」が公開したITニュース「WebDAVのファイル一覧をJSONで取得したい【WebDAVJSON】」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

WebDAVはファイルの一覧をXML形式で返すのが一般的だ。WebDAVJSONは、これをJSON形式で取得・操作できるようにするPHP/Node.js製ツールである。ファイル一覧の取得、アップロード、削除、ダウンロードを簡単な命令で提供し、Webサイト開発でデータを扱いやすくする。セキュリティ機能も備える。

ITニュース解説

WebDAVJSONというツールについて解説する。まず、WebDAVがどのような技術であるかを理解することから始める。WebDAVは「Web-based Distributed Authoring and Versioning」の略で、インターネットを通じてファイルを共有し、管理するための技術の一つである。簡単に言えば、普段パソコン上でファイルやフォルダを操作するように、Webブラウザや専用のクライアントソフトウェアを使って、インターネット上のサーバーに保存されたファイルをアップロードしたり、ダウンロードしたり、削除したり、編集したりできるようにする仕組みである。HTTPという、Webサイトを見るために使われる基本的な通信ルールを拡張して作られているため、既存のWebサーバー上で比較的容易に利用できるという特徴がある。

しかし、このWebDAVには、現代のWebアプリケーション開発において少し扱いにくい側面があった。一般的なWebDAVでは、サーバー上にあるファイルやフォルダの一覧を取得する際に、「PROPFIND」という特殊なコマンド(HTTPメソッドの一種)を使う。このPROPFINDコマンドを実行すると、サーバーからはファイルやフォルダの情報が「XML(Extensible Markup Language)」という形式のデータで返ってくる。XMLは、データを構造化して表現するための言語であり、人間が読める形式で、要素をタグで囲んで階層的に情報を記述する。例えば、ファイル名や更新日時といった情報を、特定のタグの中に記述して送る。

このXML形式のデータは、様々なシステム間でデータをやり取りする際に利用されてきたが、特に「フロントエンド」と呼ばれるWebブラウザ上で動作する部分や、JavaScriptなどのスクリプト言語で動くプログラムにとっては、必ずしも最も扱いやすい形式とは言えない場合がある。XMLのデータをプログラムで利用するには、まず「パース」と呼ばれる解析作業が必要で、データの中から必要な情報を取り出すための専用の処理を書かなければならないことが多い。これは、特にWebアプリケーション開発者が求める手軽さとは少し異なる場合がある。

ここで登場するのが、WebDAVJSONが解決しようとしている課題である。WebDAVJSONは、このXML形式で返ってくるWebDAVの情報を、現代のWeb開発で非常に広く使われている「JSON(JavaScript Object Notation)」という形式に変換して提供するツールである。JSONは、JavaScriptのオブジェクトの記述方法に基づいて作られたデータ形式で、非常にシンプルで人間が読みやすく、そして何よりJavaScriptをはじめとする多くのプログラミング言語で直接的に、かつ簡単に扱えるという大きな利点がある。キーと値のペアでデータを表現し、配列やオブジェクトを組み合わせて複雑な構造も表現できるため、Webアプリケーションのデータのやり取りのデファクトスタンダードとなっている。

WebDAVJSONの具体的な役割は、WebDAVサーバーと、それを利用したいWebアプリケーションやスクリプトの間に入って、データの橋渡しをすることにある。まるで通訳者のように、WebDAVサーバーがXMLで話す言葉を、Webアプリケーションが理解しやすいJSONという言葉に変換してくれるのだ。これにより、WebDAVの持つファイル共有・管理機能の恩恵を受けつつも、Webアプリケーション開発者はJSONの扱いやすさを享受できるようになる。

WebDAVJSONが提供する機能は、WebDAVが本来持つファイル操作の核となる部分を「REST風」なAPIとして提供する。ここでいう「REST風」とは、WebAPI(Web上で提供されるサービスの機能を外部から利用するためのインターフェース)の設計思想の一つであるREST(Representational State Transfer)に似た方法を指す。RESTfulなAPIは、一般的に、リソース(この場合はファイルやフォルダ)を特定するための分かりやすいURLと、HTTPの標準的なメソッド(GET、POST、PUT、DELETEなど)を組み合わせて、シンプルで直感的に操作できることが特徴だ。

具体的には、WebDAVJSONは以下の主要な機能を提供する。 まず、「ファイル一覧をJSONで取得する」機能である。これは、WebDAVサーバー上の特定のフォルダにどんなファイルやサブフォルダがあるのかを、JSON形式でまとめて教えてくれる。フロントエンドのWebアプリケーションは、このJSONデータを簡単に解析し、ユーザーに分かりやすく表示できる。 次に、「ファイルのアップロード」機能がある。WebDAVサーバーに新しいファイルを保存したい場合に、HTTPのPOSTメソッドなどを使ってJSON形式でファイルの情報を送り、ファイルをアップロードできる。 さらに、「ファイルの削除」機能も提供される。不要になったファイルをWebDAVサーバーから削除する際にも、REST風のAPIを通じてJSON形式で削除要求を送信できる。 そして、「ファイルのダウンロード」機能も備わっている。WebDAVサーバーに保存されている特定のファイルを、指定されたパスから直接ダウンロードできるようにする。

これらの機能がJSON形式で提供されることで、例えばWebブラウザ上で動くJavaScriptのプログラムは、サーバーからのデータを特別な処理なしに、そのままJavaScriptのオブジェクトとして扱えるようになる。これにより、開発者はXMLをパースする手間や、それによって発生する可能性のあるエラーへの対処から解放され、より本質的なアプリケーションの機能開発に集中できるようになる。

WebDAVJSONは、PHPやNode.jsといった「サーバーサイドスクリプト」として実装されている。サーバーサイドスクリプトとは、Webサーバー側で動作するプログラムのことで、クライアント(Webブラウザなど)からのリクエストを受け取り、データベースへのアクセスやファイルの読み書きといった処理を行い、その結果をクライアントに返す役割を担う。PHPやNode.jsは、Web開発において非常に人気があり、多くのWebサーバー環境で利用できるため、WebDAVJSONも様々な環境に導入しやすいと言える。

さらに、WebDAVJSONにはいくつかのセキュリティや利便性に関する機能も追加されている。一つは「CORS(Cross-Origin Resource Sharing)」への対応である。これは、Webブラウザのセキュリティ機能によって、異なるドメイン(Webサイトのアドレスの主要部分)を持つWebサイト間で直接データをやり取りすることが制限されるのを防ぐための仕組みである。WebDAVJSONがCORSに対応していれば、例えば「example.com」にあるWebDAVJSONのAPIを、「app.example.com」という別のサブドメインのWebアプリケーションから問題なく利用できるようになる。 もう一つは「APIキー認証」である。これは、WebDAVJSONのAPIを利用する際に、事前に発行された特別な鍵(APIキー)を提示させることで、許可されたクライアントやユーザーだけがサービスを利用できるようにするセキュリティ機能である。これにより、不正なアクセスを防ぎ、WebDAVサーバー上のファイルが勝手に操作されるリスクを減らすことができる。 そして、「拡張子制限」にも対応している。これは、アップロードできるファイルの種類の制限を設ける機能で、例えば特定の画像ファイルや文書ファイルのみを許可し、実行ファイルのような危険なファイルをアップロードできないようにすることで、システムのセキュリティを高めることができる。

まとめると、WebDAVJSONは、既存のWebDAVのファイル管理機能を、現代のWeb開発で主流となっているJSON形式とREST風のAPIとして提供することで、WebDAVの利用をより簡単で効率的にするツールである。XMLの解析に手間取ることなく、PHPやNode.jsを使って手軽に導入でき、CORS対応やAPIキー認証、拡張子制限といった機能で利便性とセキュリティを両立させている。これにより、システムエンジニアを目指す初心者にとっても、WebDAVを用いたWebアプリケーション開発が、より身近で取り組みやすいものになるだろう。